CLUSTERPRO X HA/StorageSaver - 特長/機能
特長
1. I/Oパスの監視が可能
- LVM(Logical Volume Manager)で定義されるストレージ装置のリソースを監視します。ヘルスチェック(Test I/O方式)によるI/Oパスの死活監視およびI/Oハングアップ監視、さらにVG(Volume Group)の状態を監視します。冗長化された全てのI/Oパスを監視していますので、待機系I/Oパスの障害も検出することができます。
- Oracle ASM(*)を構成している環境では、Oracle ASMのデータの冗長性を考慮した障害監視を行います。Oracle ASMディスクへのI/Oパスの死活監視およびI/Oハングアップ監視を行います。また、ASMのミラー構成を考慮した障害グループ、ASMディスクグループの障害監視を行います。
* ASM=Automatic Storage Management
2. 自動閉塞による可用性向上
- リソース監視で異常を検出すると、障害装置へのI/Oパスを閉塞し待機系I/Oパスへ切り替えます。間欠的なFCリンクダウン障害に伴う頻繁なパス切り替えによるI/Oパフォーマンスの低下を防ぐことができます。
3. クラスタウェア連携による可用性向上
- 現用/待機両I/Oパス障害でストレージ装置へのアクセスができなくなるとクラスタウェアと連携し、パッケージを待機系ノードに切り替えることができます。また、現用系ノードだけではなく待機系ノードのI/Oパスも監視しますので、待機系ノードのI/Oパスの障害も検出することができます。
4. 無停止保守が可能
- マニュアル操作により、FCの一括閉塞と復旧が可能です。障害が発生した系を一括して閉塞することで、業務に影響を与えず障害の発生した機器の交換を行うことができます。
5. 簡単に導入可能
- クラスタウェアやLVMの環境設定が完了していると、監視対象やポリシーの設定ファイルをコマンドラインから自動生成することができるため、簡単に監視設定を行うことができます。
6. Persistent DSFを使用した監視が可能
- 従来のパス単位での管理方法(LegacyDSF)に加えてPersistentDSFに対応しました。さらに、OS標準のI/Oパスの管理方式であるNativeMultiPathにも対応しました。
- Persistent DSFとは
従来のパス単位での管理方法ではなくLUN単位での管理方法です。
Persistent DSFを使用することにより、異なるパス上にあるLUNも、同一ディスクと認識することができます。
- NativeMultiPathとは
デバイスへのアクセスをOSが自動的に適切な経路へ振り分ける機能です。
- Persistent DSFとは
7. 仮想環境での監視が可能
- システム上に構成された仮想環境から共有ディスクのリソースを監視することが可能です。仮想環境上でI/Oパスの冗長化を行っている場合には障害を検出後、I/Oパスの自動閉塞を行うことが可能です。
クラスタ構成で I/Oパスの二重故障が発生した場合にはServiceguardと連携し、パッケージの待機ノードへの移動や、ノード切り替えを行います。
8. I/O Abortの検出が可能
- SCSIドライバが保有する統計情報を定期的に監視することで、I/Oパスの間欠的な異常(タイムアウトおよびアボート)を検出します。
間欠障害の発生したI/Oパスを自動的に閉塞することで、I/Oリトライによる業務処理の遅延を防止します。
機能
リソース監視機能
FC接続やSCSIで接続されたストレージ装置に対して、TestI/Oによるリソース監視を実現します。
- ⇒ストレージ装置コントローラの障害監視を行います。
FCカード、FCスイッチの故障監視を行います。
I/Oパスの死活監視を行います。
I/Oリクエストのハングアップ監視を行います。
- *仮想環境上で使用される場合も本機能は使用可能です。
自動閉塞機能
冗長化構成のI/Oパスを有するストレージ装置において、リソース監視で異常を検知すると、障害の発生したI/Oパスを閉塞し、すみやかに代替パスへ切り替えます。
- ⇒間欠的なFCリンクダウン障害に伴う頻繁なパス切り替えによるI/Oパフォーマンスの低下や同一ループ上に配置された他のストレージ装置への影響を未然に防止します。
クラスタウェア連携機能
ストレージ装置へのインタフェース機構の異常により、アクセスできなくなるとクラスタウェアと連携し、パッケージを待機系ノードに切り替えます。
- *仮想環境上で使用される場合も本機能は使用可能です。
オンライン保守機能
FC接続のストレージ装置に対して、NativeMultiPathにおけるI/Oパスをループ単位で一括閉塞、一括復旧を実現します。これにより、 FC上でのリンクダウン時の障害が発生した際に、障害装置の特定化と管理者によるシステム無停止保守を可能にします。
- *仮想環境上で使用される場合も本機能は使用可能です。
レプリケーションボリュームの監視機能
iStorageシリーズのレプリケーションボリューム(RV)を構成するI/Oパスのリソース監視を実現します。
- *本機能はR4.6以降でサポートしています。
新しいパス管理を使用した監視が可能
StorageSaver R3.1以降では、HP-UX 11i v3で新たに導入されたI/O管理方法であるPersistent DSFやNativeMultiPathを使用した環境をサポートすることにより、従来の機能に加え、より幅広い監視が可能となりました。
リソース状態の定期通知機能
ストレージ装置の障害や手動のディスク切り離しにより縮退運用している場合に、定期的に通知します。これにより、障害時やメンテナンス後の復旧作業漏れから両系障害に至る危険性を回避することができます。
EMSモニタの提供
ボリュームグループ、パッケージ単位の動作状態をEMSリソースとして提供します。SAM、クラスタウェアからEMSリソースを監視できます。
オートコンフィグレーション機能
コマンド実行により、監視対象リソースを自動検索し設定ファイルを作成します。
カスタマイズ機能
LVM以外の製品を使って代替パスを構築する場合のリソース監視フレームワークやクラスタウェア連携機能を提供します。