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UNIVERGEターミナルシリーズ
Vol.57 No.5 2004年11月 IT/ネットワーク統合ソリューション「UNIVERGE」特集UNIVERGE ソリューションを実現する中核となるのがIPテレフォニーサーバ「UNIVERGE SV シリーズ」です。
その端末として,多様なユーザニーズに対応する「UNIVERGEターミナル」のラインナップを紹介します。
1. はじめに
UNIVERGE ターミナルには以下のような特徴があります。
- (1)構内の音声系とデータ系の配線を統合する。
- (2)端末移設の容易化によりTCOを削減する。
- (3)主装置なしで端末のみを設置したサテライトオフィスが可能となる。
このたびNECはUNIVERGEターミナルとして端末装置類,無線LAN電話機,ゲートウェイ装置類,PHS基地局を開発しました。
端末装置類としてPCソフトフォン,SIP電話機NEtermシリーズ,SIPターミナルアダプタ,多機能IP電話機。無線LAN電話機としてJustPhone。ゲートウェイ装置類としてMG-MC(COT),MG,MC,VS-32,IPMASTER-104Xシリーズ。PHS基地局としてIP-BSを開発しました。
2. UNIVERGE ターミナルの紹介
以下,UNIVERGEターミナルのラインナップを説明します。また,UNIVERGEターミナルシリーズの構成を図に示します。
2.1 PCソフトフォン(DtermSP30)
UNIVERGEのIP端末として,PCソフトフォン「DtermSP30」を開発しました(写真1)。
DtermSP30は,従来の音声通信に特化した電話機能に加えて,コミュニケーションの効率化を図るサポートツールの位置付けで,音声に限らず,イメージ・データ・ビデオによる双方向コミュニケーションを実現する機能を提供します。本製品の主な特長は,以下の通りです。
- (1)コミュニケーションの利便性の提供
- ビデオ会議やアプリケーション画面の共有
- 話中/不在相手への簡易メッセージ送信
- 発着信履歴の表示と履歴画面からの発信
- 通話録音:「たっち録」またはPCを用いた通話録音
- 電話をかける前に相手の状態(空き,話中,離席,不在)が分かるプレゼンス(在席表示)機能
- 電子電話帳からの発信,簡易メッセージ送信,状態表示機能と,着信時に登録されている電話帳データからの所属部門,名前のポップアップ表示機能
- (2)既存システムのパワーアップ
PHS,固定電話は従来通りハンドセットとして利用し,さらにソフトフォンの機能も活用することができます。
2.2 SIP電話機(NEterm50/TE20-TA)
ここでは,事業所用SIP電話機NEterm50,および,SIPターミナルアダプタTE20-TAについて説明します。
NEterm50は,SIPを用いながらも従来のPBXの機能を使用することができる事業所用SIP電話機です(写真2)。
UNIVERGE SV7000をバックトゥバックユーザエージェントとし,UNIVERGE SV7000側で端末の状態を管理することで,従来のPBXの豊富な機能を継承することが可能となりました。これにより,従来より使用していたPBXの機能を損なうことなく,音声データのIP化を行うことが可能となりました。
また,SIPは,ほかのプロトコルとの親和性が高いため,新たな機能を実現できる可能性を秘めています。
TE20-TAは,SIPを用いたアナログ電話機を1回線だけ接続できるSIPターミナルアダプタです(写真3)。TE20-TAを使用することにより,SIPに対応していない従来のアナログ電話機やFAXをUNIVERGE SV7000 に接続することができます。
2.3 多機能IP 電話機(IPterm85)
IPterm85(写真4)は一体型のIP電話機です。新規にIP電話機を導入するユーザはIPアダプタと比較して,IPアダプタの取り付け工事がなくなるので,工事性が向上します。
2.4 無線LAN電話機(MH210 JustPhone)
MH210はIEEE802.11bに準拠した構内用無線LAN電話機です(写真5)。SIPを用いて音声通話のほか,PBXの機能を使用することができます。また,IM(Instant Message)サービスによる簡易なメッセージ送受信を実現することもできます。
電話機単体としては電話帳機能,履歴表示などの機能を実現することができます。
2.5 メディアゲートウェイ装置シリーズ
既存公衆網との接続を可能とする各種メディアゲートウェイ装置について説明します。
(1) ラインナップ
- 1)MG(PRI)
INS1500を1回線収容可能。 - 2)MG(BRI)
INS64を2回線収容可能。 - 3)MC-MG(COT)
アナログ局線を2回線およびアナログ内線を4 回線収容可能。
リモートサイトに設置し,ネットワークの障害や電源断などの障害時に2回線の局線と内線をダイレクト接続するバックアップ機能が付いているため,ライフラインの確保が可能(写真6)。
- 4)MG(SIP)
公衆IP電話網(050網)との接続が可能。
企業IP網と公衆IP電話網をIP 1リンクで接続することにより高音質な音声通信を提供します。 - 5)MC
アナログ内線を2回線収容可能。 - 6)VS-32
IP上で以下の機能を提供します。- (1)三者会議
- (2)会議電話(8者/16者/32者)
- (3)アナウンスメント機能
- (4)IP外部保留音機能
- (1)
2.6 VoIP GW(IPMASTER-104X シリーズ)
IPMASTER-104XシリーズはVoIPネットワークと既存電話網とを接続する4ポートのプロトコルコンバータ機能を備えたゲ-トウェイです(写真7)。
小規模オフィスや工場に設置されているPBXやボタン電話などを収容するVoIPゲ-トウェイに適しています。
SIP サーバなしでネットワーク構築ができる簡易接続機能を有しており,IP-VPNや広域イーサネットを利用して経済的にVoIPネットワークを構築できます。
IPセントレックス網において,ユーザサイトに設置するVoIPゲートウェイとして使用することができます。
- (1)ラインナップ
- IPMASTER-1040:FXS(4回線収容)
- IPMASTER-1042:OD(4回線の4 線式専用線収容)
- IPMASTER-1043:BRI(2回線BRI/音声4チャネル収容)(開発中)
- (2)特徴
- 4ポートのプロトコルコンバータを具備
- G.711,G.729aおよびG.723.1 音声コーデックを呼ごとに選択使用
- ホットライン接続機能(着信時に設定された端末へ接続[FXS/OD])
- 代表選択機能(回線が使用中の場合に他の空き回線を自動選択[FXS])
- WEBブラウザによるリモート保守機能
- 小型・軽量・低消費電力・低価格で導入設置が容易
2.7 PHS基地局(IP-BS)
- (1)概要
IP-BSは,IPネットワークを介してUNIVERGE SV7000に収容されるPHS基地局です。企業内通信ネットワークにおけるワークスタイル革新の1つの手段として事業所PHSはなくてはならない存在となっており,IP-BSはその事業所のPHS基地局のIP化を実現します(写真8)。
- (2)無線同期方式
IP-BSでは,UNIVERGE SV7000とのクロック同期がとれないため,マスタBSを定義しその他のIP-BSはこのマスタBSが送出する電波を受信して無線区間の同期合わせを行います。主装置側のデータ設定により,既設BS に同期して運用することも可能となり,既設PHS システムとの共存 も自由にできます。
3. むすび
以上述べたように,IP-PBX「APEX シリーズ」が従来から提供してきた高度なテレフォニーサービス機能を継承しつつ,フルIPのメリットを生かしたUNIVERGE ターミナルシリーズを開発しました。
今後とも引き続きこれらのUNIVERGEターミナルシリーズ商品を強化し,お客様のニーズにこたえるサービスを提供していく所存です。
執筆者プロフィール
ネットワークソリューション事業部
ネットワーク第二ソリューション部
主任
ブロードバンドネットワーク事業本部
ビジネスネットワーク事業部
ブロードバンドネットワーク事業本部
ビジネスネットワーク事業部
主任
ブロードバンドネットワーク事業本部
ビジネスネットワーク事業部
マネージャー
エンジニアリングIPビジネス事業部
第一システム商品技術部
マネージャー
ブロードバンドネットワーク事業本部
ビジネスネットワーク事業部