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デジタルビジネスを支えるIoT特集によせて

執行役員
望月 康則

Internet of Things(IoT)、「モノのインターネット」という言葉は、1999年に無線IDタグの専門家であるケビン・アシュトン氏によって提唱され、広く一般へ普及しました。ビジネス分野においては、モノがネットにつながり、人も含めて相互に情報のやりとりをすることで価値を生む、新たなコンセプトとして注目されています。

IoTの出現によりサイバー社会とフィジカル(実世界)が結び付くことで、第一の波「農業革命」、第二の波「産業革命」、第三の波「情報革命」に続く、第四の波と呼べる大きな潮流が訪れようとしています。これに先行するのがドイツ政府で、2012年には技術やイノベーション政策を統合する「ハイテク戦略2020」を定めており、そのなかに第四次産業革命を生み出そうとするIndustrie 4.0が含まれています。Industrie 4.0は、製造業にIoT及びIoS(Internet of Services)を取り入れることで機械や原材料・部品・最終製品の貯蔵・在庫システム、生産施設を統合し、生産方式や製品を組み替えて柔軟な生産を目指すものです。更に、製造も含め、サプライチェーンやライフサイクル全体を管理する各プロセスも最適化していこうという仕組みです。IoTは製造業のみならず、流通・交通・エネルギー・医療・公共・農業などあらゆる分野へと広がりを見せています。

NECはこれまで、多くのお客様とIoT関連のプロジェクトを積み重ねてきました。NECが保有するITとネットワーク双方のノウハウとNEC独自の最先端AI技術を活用することで、公共分野では街中映像監視による犯罪発生率の大幅な抑制、流通分野では日配品の需要予測による廃棄量の削減、製造分野では稼働状況分析による生産効率の向上や保守部品の需要予測による在庫の削減など、さまざまな業種のお客様に対して具体的アウトカムを提供してきました。また、「NEC Industrial IoT」をご活用いただいたお客様では、経営指標に連動して自律稼働する製造ラインを実現することにより、顧客満足度指標の飛躍的な改善にまでつなげられた事例も出てまいりました。

更には、造る(製造業)、運ぶ(物流業)、売る(流通業・サービス業)を結ぶサブライチェーンを効率よく連携することによって、製品・サービスの高度化や提供価値の進化を促す“バリューチェーン・イノベーション”の実現にお客様とともに挑戦し、経営全体への貢献を目指しています。

このようなIoT関連のプロジェクトの積み重ねから、NECは知見を蓄積してきました。それらからデジタルビジネスの要諦をまとめ、実現するためのシステムとしてIoTアーキテクチャ5層モデルを発表、このアーキテクチャに基づく製品群の整備を進めてIoT基盤「NEC the WISE IoT Platform」として確立しました。「NEC the WISE IoT Platform」は、お客様の実証環境立ち上げから本番環境への迅速な移行を実現するための各種機能を用意しています。

今回の「デジタルビジネスを支えるIoT特集」では、NECが提供する「NEC the WISE IoT Platform」と、企業や社会インフラなど幅広い業種・業態に活用いただけるIoTソリューション群とその事例をご紹介します。

本特集号をぜひご一読賜りますとともに、引き続き、皆様のご指導、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。