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No.4(12月)オフィスまるごとエコ特集
Vol.63 No.4(2010年12月)
オフィスまるごとエコ特集
省エネICT機器
酒井 征直 ・高橋 寿真 ・秋葉 達夫
UNIVERGE IXルータシリーズの最新モデル「UNIVERGE IX2105」では、ハードウェア設計における徹底した省電力化と、さまざまな高速転送技術を搭載したソフトウェアによって、低消費電力でありながらも企業ネットワークに求められる高速な転送性能を実現しています。本稿では、省電力と高性能を両立させた UNIVERGE IX2105 について、そのハードウェア技術及びソフトウェア技術を紹介します。
梅津 正和 ・柳澤 恒徳 ・斎藤 裕実 ・鈴木 昭継 ・大町 聡 ・田附 健
企業市場でエコが叫ばれて久しいですが、なかでもオフィスIT機器において大きな比率を占めるパソコンの省電力化は、常に大きなテーマとなっています。NECでは、2010年に2005年対比で消費電力の半減を目標に掲げました。回路設計の工夫といったハードウェアによるものに加え、電力設定を簡単に変更可能な「ECOモード」の搭載など、ソフトウェアも含めたさまざまな視点からパソコンの省電力化=COの削減に取り組んでいます。本稿では、NECの省電力化の取り組みについて紹介します。
春日 宏行 ・中澤 琢哉
現在、企業でのIT機器の環境負荷低減が課題となっています。NECディスプレイソリューションズでは、企業向け液晶ディスプレイの環境性能向上を目指し、“MultiSync+ECO”をキーワードに、省電力化・環境情報の可視化・軽量小型化・ハロゲンフリー化、そして海外や国内の環境規格の取得に取り組んできました。またPC制御によるオフィス全体での省電力の提案も行っています。本稿では、液晶ディスプレイの環境対応への取り組み、及び今後の方向性を紹介します。
ワークスタイル革新
岡崎 雅美
近年、急速に拡大する仮想化市場ですが、情報漏えいなどのセキュリティ対策や環境への配慮(エコ)としてのシンクライアントに対するニーズの高まりもあり、従来のパーソナルコンピュータ(PC)の仮想化「クライアント統合」のニーズが拡大しています。NECでは、2006年に仮想PC型シンクライアントシステム(VirtualPCCenter)を他社に先駆けて発売以来、継続的な機能強化と、多くの導入実績を積んできました。今回は、NECの仮想PC型シンクライアントシステムを紹介します。
倉島 顕尚 ・島 雅人 ・吉川 正人 ・中西 廉
全世界的なエコ推進のなか、オフィス業務におけるCO削減について、ソフトフォン(UNIVERGE Soft Client SP350)や携帯電話の活用基盤(UNIVERGEケータイポータル)の導入により、「どこでもオフィス」の環境を構築し、ワークスタイルを変革することで、人の移動により排出されるCOの削減と業務効率化の可能性について紹介します。
2010年5月に本格稼働したNEC 玉川ソリューションセンターは、NECの提案する“オフィスまるごとエコ”の先進モデルオフィスとして、エコロジービルに省エネICTを導入しています。CO排出量の50%削減を始め、ワークスタイルの革新により3~4億円のコスト削減効果を見込んでいます。更に、業務効率化やモチベーションの向上などの効果に加え、働く人々のマインド変革や新環境へのスムーズな移行がいかにできるかなどの実証の場としても、大きな注目を集めています。そして、得られた効果に関しては、そのノウハウをお客様に提供する予定です。
ファシリティの省エネ化
山崎 直樹 ・木原 幹夫
温室効果ガスの排出量を部門別で見ると、全体の約46%が業務・産業部門から排出されていて、そのうちの約4割が大規模事業所、約6割が中小規模事業所であることが分かっています。各地方自治体では「総量削減義務と排出量取引制度」や「地球温暖化対策報告書制度」などの制度を導入してCO排出量の抑制を進めていて、NEC各事業場においても、それらの対応が急務となっています。本稿では我孫子、府中、玉川の各事業場に実際の導入したLIFELED'S、AlLine、Hfエコセーブシステム、セラミックメタルハライドランプなど環境配慮型の照明器具とその効果について紹介します。
原 明洋 ・高山 尚久 ・小林 一昭
エネルギー使用量の見える化システムの普及は、さまざまなベンダが商品化していますが、見える化とは、情報をグラフィック生成する程度の機能が主体です。NECは、情報収集機能からグラフィック生成、評価・分析、将来の拡張機能として制御機能やコンサルタント支援まで、省エネ法や条例に沿った開発を主眼に開発を進めており、業種システムとの連携により最適省エネ環境の実現を提案しています。
EMS(エネルギー管理)
白井 綾 ・佐多 直明
オフィス内で最も典型的なICT機器であるパソコンについてICTを活用した省エネ(Green by IT)に取り組み、省エネオフィスサービス「エネパルPCパック」を製品化しました。パソコン自らが利用者の行動パターンを学習し自律的に制御を行う機能を中心に、特長と導入事例による効果検証、今後の展開について紹介します。
研究開発
奈良県生駒市の「京阪奈(けいはんな)学研都市」の一角に建つNEC関西研究所の2階フロアに、2007年7月オープンしたのがC&Cイノベーション研究所です。そのミッションは、30年先の社会変化を先取りする新事業の創造に貢献することにあり、特にユニークなのは、オープンにコラボレーションする“共創”環境を実現するために、自らのオフィスとワークスタイルのイノベーションにも挑んでいることです。最先端の設備と技術を駆使しながら、人と人のつながりと創造を促す貴重な実証実験が進められています。
吉川 実
オフィスに設置されるコンピュータやプロジェクタなどの電子機器の冷却方式に関し、冷却のために使う電力を小さくする省エネルギー冷却技術の研究開発の事例として、液晶プロジェクタでの空冷技術、コンピュータの水冷技術、そして相変化冷却技術をそれぞれ紹介します。
山口 一郎 ・鈴木 孝明 ・津田 隼輔 ・齋藤 善彦 ・山田 勝彦
近年、センサ・アクチュエータを利用したシステムが導入されつつあり、これらを活用して環境負荷の低減に貢献するサービスの実現が期待されています。しかしながら現状では、利用するセンサ・アクチュエータに応じて個別に最適なシステム構築が必要であり、コスト負担が大きく、サービスの普及の阻害要因となっています。そこで、われわれは、サービス普及を目指してコスト負担を低減する管理プラットフォーム技術の研究開発を進めています。本稿では、開発技術、また、これらに関する標準化の動向と活動状況について述べます。更に、コンビニエンスストアを対象として実施する実証実験の概要について紹介します。
杉山 高弘
近年、オフィスで業務する従業員の行動トレースをすることにより、効率的なオフィスレイアウトや人の配置、また、従業員が不在の際に不必要な照明・空調などを止めることにより、省エネを実現しようとする動きが高まってきています。また、店舗や倉庫において、商品の位置確認をシステム化することにより、在庫管理を効率化したいという要求がよく聞かれます。ここにおいて、省エネやオフィス効率化に向けて、高精度な3D位置検出技術に基づくロケーションベース情報提供技術が重要な位置を占めてきています。本稿では、超音波測位装置によって得られた高分解能3D位置情報を利用して、ユーザにロケーションベースの情報を効率良く提供する高精度ロケーションベース情報提供システム、PosPushを提案します。
普通論文
宮川 里咲 ・羽藤 之規 ・稲川 昌子 ・井上 光司 ・関 大介
近年、地球環境の悪化に伴い、エネルギーの有効活用を目的として蓄電デバイスの開発が盛んになっています。瞬間的に大電流を放電、回収することを得意とするキャパシタは、瞬低・瞬停保護装置、太陽電池や風力発電などからのエネルギー回生用途、建設機器、自然エネルギーの平準化、自動車のエネルギー回生用途などへの利用が検討されています。本稿では、新規に開発した高容量、高エネルギーかつ大電流回生・放電可能な高出力リチウムイオンキャパシタについて紹介します。
千田 佳文
パワーウィンドやオートドアロック、キーレスエントリなど、自動車を安全にかつ快適に利用するための機能には、さまざまな電装モジュールが使用されています。これらの電装モジュールは、多様化に伴い小型化/薄型化が求められるほか、コスト競争力の向上を目的として基板への部品高密度表面実装が進展しています。このような背景のなか、自動車電装用リレーにも低背化及び表面実装化の要求が高まりつつあります。そこでNECトーキンでは、この性能の自動車電装用ツインリレーとしては世界最低背の、小型表面実装用リレーを開発しました。
間宮 洋一 ・駒村 秀雄 ・井上 崇行
積層圧電アクチュエータは、高変位精度、高速応答性、高発生力を特徴とするデバイスで、半導体製造装置など精密機械装置での位置制御用途で応用が進められてきました。近年、精密機械装置における精度向上要求に加え、デジタルカメラや携帯電話など民生機器への応用のために、小型化・低電圧化の要求がますます増え、積層圧電アクチュエータへの期待が高まってきています。本稿では、こうした市場要求に対応する低電圧駆動用積層圧電アクチュエータを中心に、弊社の積層圧電アクチュエータについて紹介いたします。