サイト内の現在位置を表示しています。

No.1(2月)イノベーション・キーデバイス特集/音声認識ソリューション・製品特集

Vol.63 No.1(2010年2月)

イノベーション・キーデバイス特集


エネルギーソリューション

河野 安孝 ・石川 仁志 ・宇津木 功二

マンガン酸リチウムを正極に用いたリチウムイオン二次電池の電解質として、アクリレート系ポリマーとNECグループ独自添加剤を含んだ電解液とから構成されるゲル電解質を開発しました。開発したゲル電解質を適用したマンガン系ラミネート電池は、高温保存特性やサイクル特性が飛躍的に改善されており、更に液を用いたラミネートセルよりもセル膨れが大きく抑制されました。性能が優れ、更にポリマーゲルを用いることで液漏れの心配が無くなることから、次世代大容量リチウムイオン二次電池の製品ラインナップとして有望です。

ノイズ&パワーソリューション

粟倉 由夫 ・大宮 忠志 ・佐藤 光晴

バスタレイド「EFF」タイプは、高い透磁率(比透磁率(実部)μ’=130)とハロゲンフリー素材で難燃性(UL94V-0)を付与したことを特長とするノイズ抑制シートです。シートを貼るだけで電子機器から発生する電磁ノイズを抑制することができます。「EFF」タイプは、ノイズ抑制に効果を発揮する特殊な磁性粉末を分散させて高密度に充填することにより、弊社従来品の“ハロゲンフリー難燃性「EFR」タイプ(比透磁率μ’=60)”及び“高い透磁率(比透磁率μ’=100)で難燃性の「FK2」タイプ ”を凌ぐノイズ抑制効果を実現しました。本稿では「EFF」タイプの透磁率特性、近傍界での放射性ノイズ抑制効果、伝導性ノイズ抑制効果について解説します。


原田 公樹 ・山内 亨康

NECトーキンは加速するデジタル電子機器の小型化に寄与すべく、弊社開発の高透磁率フェライトを用いた高インピーダンスラインフィルタ「SCRシリーズ」と、巻線構造に伝送線路の概念を適用し特性接地端子を新設した5端子の疑似分布定数型ラインフィルタ「SDシリーズ」を開発しました。高レベルで発生する低周波のノイズ、広帯域に分布する高周波のノイズ対策の簡素化を実現する新しいソリューションを提供します。


丸子 雄一 ・川合 陽洋 ・渡嘉敷 真哉 ・菊池 章浩

NECトーキンが開発した優れたデカップリングデバイスであるプロードライザは、これまで主にノートパソコンのCPU用デカップリングキャパシタとして採用されてきました。一方で、自動車電装、TV市場においては、より小型で高信頼性のものが要求されています。このような要求に対応するため、外装構造の変更により、小型化と信頼性を向上させたプロードライザPF/Bシリーズを開発しました。本稿では、その特徴、構造、特性、及び信頼性について紹介します。


村山 祐司 ・石嶋 正弥 ・田口 和浩 ・田中 良樹 ・高崎 亮

NeoCapacitorは導電性高分子を使用したタンタルキャパシタであり、大容量・低ESRが特徴です。NECトーキンでは、これまでにCPUの高速化・高機能化に伴い低ESR化を推進してきましたが、最近ではセットの薄型化・軽量化がいっそう進んでいることに伴い、キャパシタには小型化の要求も高まってきました。今回これらの市場要求に応えるために新規に開発した、小型・大容量・低ESR品を紹介します。

アクセスソリューション

三品 浩一 ・浦田 純悦 ・傍島 貴士 ・栗本 正樹 ・大沼 智幸

NECトーキンは早くからICカード関連事業に参入し、各種ICカード及びリーダライタ製品を販売してきました。本稿では、近年注目を集めているNFC技術を用いたマルチICカードリーダライタICM-3136を取り上げ、NECトーキンのNFC関連製品開発への取り組み、今後の製品展開などを解説します。


武藤 幸一

現在、自動車電装においてはX-by-Wire化が進展しており、色々なアプリケーションで繊細な制御が可能となる電気制御へと移行しつつあります。従来の自動車電装では負荷のON/OFF制御にプラグインリレーが使用されてきましたが、電気制御への移行に伴い、マイコンなど半導体デバイスとの混載が可能な基板用リレーに切り替わりつつあります。この基板用リレーには、従来品と比較してより高い接点性能に加え、より高い通電性能が要求されています。そこでNECトーキンは、従来リレーの材料、形状を発熱抑制の観点から見直すとともに、弊社初となる接点構成を採用し、上記要求を満足する性能を実現したEM1リレーを開発しました。

音声認識ソリューション・製品特集


ソリューション・サービス

越仲 孝文 ・江森 正 ・大西 祥史

2009年に始まった裁判員制度による裁判では、裁判に不慣れな裁判員の負担を軽減し円滑に裁判を進行することを狙い、音声認識技術を活用したシステムが導入されています。このシステムで用いられている音声認識技術は、2006年度から3年間に渡って最高裁判所の協力の下で研究開発した技術です。本稿では、裁判員裁判向け音声認識システムについてその機能を簡単に紹介するとともに、裁判の音声を直接認識できるようになった音声認識技術について、マルチチャネル音声検出技術を中心に3年間の研究開発成果について説明します。


小此木 崇宏

コンタクトセンターにおける課題と、それらを音声認識によって解決するソリューションにはどのようなものがあるのか、例を挙げて紹介します。


稲垣 敬子 ・渡辺 典子

決算説明会や株主総会など重要な場の議事録作成を、音声認識により効率化していただくため、スポット利用が可能なサービスを開始しました。高い認識精度により議事録の7~8割が自動的に作成されるため、議事録作成に要する時間が約50%短縮されます。特別なシステムを構築する必要がなく、お申し込み後、最短5日で利用可能です。三菱商事株式会社様、東レ株式会社様、東京急行電鉄株式会社様などの決算説明会、株主総会、セミナーなどの議事録作成でご活用いただいています。

音声認識製品

小此木 崇宏

コンタクトセンター向け音声認識製品であるCSVIEW/VisualVoiceの概要と、2010年4月に出荷を開始する最新バージョンで追加される機能について紹介します。


千代 章 ・上山 学 ・吉本 大樹 ・大塚 隆宏

議事録作成支援ソフトウェアVoiceGraphyは、議会や会議における議事録配布(公開)時間の短縮、議事録作成費用の削減、議事録作成作業負荷の軽減、要約議事録から全文議事録への変更など、議事録作成におけるさまざまな課題を高度な音声認識技術と議事録編集作業の効率化を追求した編集ツールにより解決しました。ここでは、VoiceGraphyの製品概要と特徴、採用されている音声認識を含むさまざまな技術、導入効果、適用領域の拡大について紹介します。


塚田 聡

VoiceDoは、高騒音下でも音声入力が使用可能なことを特長とする音声認識装置です。2005年12月に、PDAタイプの「耐騒音音声入力ハンディターミナルVoiceDo/HT」、パソコンに接続するタイプの「耐騒音音声入力USBセットVoiceDo/US」を発売して以来、さまざまな現場で導入が進んできました。本稿では、VoiceDo製品の特長を説明するとともに、具体的な導入事例を紹介します。

研究開発

田中 英俊 ・稲垣 敬子

奥多摩町及び慶応大学と共同で、2008年度に実施した遠隔予防医療相談の実証実験における、音声認識の活用例について紹介します。


花沢 健 ・長田 誠也 ・後藤 由希子

自動通訳技術は、言語の壁を越えた相互理解を促進する重要な技術です。現在、旅行会話の通訳に関しては実用レベルに達しつつあります。今回、総務省により、自動通訳技術を中心とした産業の発展と、それを活用した地域振興の両方を目的として「地域の観光振興に貢献する自動音声翻訳技術の実証実験」が行われることとなり、NECも同実証実験に参加しています。本稿では、実証実験の概要と、そこで使用されるNECの自動通訳システムについて紹介します。


吉村 貴博 ・長友 健太郎 ・北出 祐 ・谷 真宏 ・服部 浩明

これまで音声認識を業務アプリケーションで利用するためには、ソフトウェアの改造や高速なPCの導入など、さまざまな準備が必要でした。ここでは、音声認識エンジンをデータセンターに配置し、音声認識をサービスとしてユーザに提供する音声認識サービス基盤を紹介します。音声認識サービス基盤を実現する技術について解説するとともにその活用例について紹介します。


北出 祐 ・西光 雅弘 ・三木 清一 ・荒井 一博 ・江森 正

人と人の自由な会話を認識するための音声認識辞書を構築するには、対象とする会話音声の大量の書き起こしテキストが必要となりますが、このようなデータを用意するには多大なコストを要します。そこで我々は、認識対象とする音声と関連する情報を、既に保有しているデータから抽出したり、外部より自動で収集したりすることで、音声認識辞書の構築コストを低減させる方式を開発しました。


荒川 隆行 ・辻川 剛範

音声認識の性能は、雑音が存在する環境では著しく劣化することが知られています。このような雑音による影響を軽減するために、雑音が音声に較べてゆっくり変動するという雑音の知識と、音声らしさをモデル化した音声の知識を用いることで、雑音のみを取り除き音声を強調するModel-Based Wiener Filter法について紹介します。


越仲 孝文 ・長友 健太郎

話者クラスタリングとは、複数の話者が交替で発話する状況において、個々の話者の性質や話者数などの事前知識を使わずに、発話を話者ごとに分類する技術であり、会議などでの音声認識精度向上、発言者名の入力支援などに有用です。本稿では、リアルタイム動作が可能で高精度な話者クラスタリング技術と、議事録作成支援への応用例について述べます。

導入事例

藤井 英昭 氏 ・小見山 智之 氏

美唄市議会様では、これまで約3カ月かかっていた議事録作成の期間短縮や外部委託コスト削減、更には職員の業務負荷の軽減を目的として、オーディオ機能と編集機能が一体化した議事録作成支援ソリューション「VoiceGraphy」を導入。議会の発言者の言葉をリアルタイムで次々とテキスト化していく高度な音声認識技術と、担当者の使い勝手を徹底追求した編集機能などにより、議事録作成に関わる作業時間をこれまでに比べ約50%削減。スピーディな情報開示が可能となり、住民へのサービス向上に大きく貢献しています。

普通論文

松野 晋也

企業が扱う情報量は級数的に増加しています。一般に電子文書は紙文書と比べて整理が困難であり、多くのファイルサーバや文書管理システムにおいて、時間の経過とともに無秩序状態に陥り、それがますますデータの属人化や有用データの埋没をもたらしています。PROCENTER/Cは、従来のコンテンツを貯め込み、共有するといった発想から「いかに不要コンテンツの削除を促進し、整理された状態を維持するか」にフォーカスを移すとともに、APIを整備することで各種電子データを一元的に扱えるコンテンツ管理基盤です。


岡村 宏 ・山本 哲也

放送局を主とした送出用途において、従来のVTRに代わり、IT技術をベースとしたビデオサーバが主流になってきています。今回NECでは、純国産となる本格的放送用ビデオサーバを開発し、市場投入しました。その開発概要と特長を紹介します。

NEC Information

NECグループ会社紹介

知的資産活動のご紹介