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No.3(7月)ユニファイドコミュニケーションで進化するUNIVERGE特集/医療特集
Vol.61 No.3 (2008年7月)
ユニファイドコミュニケーションで進化するUNIVERGE特集
コンセプト
平田 英之 ・筒井 健作 ・荒生 慎也 ・岩瀬 俊夫
NECは、企業で働く「人」を中心に置いたコミュニケーション環境の提供をめざすグローバルコンセプト「UNIVERGE360」を提唱しました。そのコンセプトを構成する重要な要素は、ユニファイドコミュニケーション(Unified Communications:UC)です。NECは、企業コミュニケーションシステムを「コミュニケーションの連携性の拡大」と、「アプリケーションの連携性の拡大」の2軸で進化させていきます。「アプリケーションの連携性の拡大」に向けては、ITシステムとの親和性を高めるコミュニケーションプラットフォームコンセプトSOC(Service Oriented Communications)をめざした製品開発を進めています。
ソリューション
谷川 忠
業務システムが現場に浸透する中、業務をさらに効率化するためには人と人とのコミュニケーションを業務システムに的確に取り込んでいくことが重要になります。ユニファイドコミュニケーション(Unified Communications:UC)システムが業務システムと連携することで医療現場がどのように改善されるのか、多機能電話機UNIVERGE IP Phone DT750を使って検証してみました。
北風 二郎
企業の通信環境は、“いつでもどこでも”を実現するユビキタスな利用環境へと拡大しています。一方でセキュリティに対する課題は、コンプライアンス、内部統制、リスク管理といったマネジメントへとフォーカスされてきています。本稿では、今後のコミュニケーション環境の発展に伴って要求されるセキュリティマネジメントについての考え方と具体的なソリューションについて紹介します。
筒井 健作 ・荒生 慎也 ・世良田 照治 ・西野 直
本稿では、ユニファイドコミュニケーション(UC:Unified Communications)のアプリケーションの定義を、色々なコミュニケーションツールの組合せ、または、コミュニケーションツールと業務システムとの組合せで実現される、より付加価値のある通信アプリケーションとします。ここでの付加価値は、それらの組合せによって業務上のルーチンワークの手間を省き、結果として、生産性の向上につながるものです。特に、NECは、業務システムとコミュニケーションツールを連携させ、業務プロセス間に人が介在することによるプロセス間遅延を減らすことで、個々のビジネスを加速させるところにも注力しています。本稿では、そのような組合せの具体例と、また、それによって生まれるUCアプリケーションを論じます。
山田 和彦 ・松本 晃沖 ・玉木 正伸 ・Robert Van Amerongen ・松岡 真一
NECでは、UNIVERGE360として今後のビジネス統合ソリューション展開に向けたビジョンを発表し、新製品、新ソリューション展開をグローバルに進めています。海外の主要現地法人においては、この流れを受け、既存ビジネスからのマイグレーションを意識しながら、ユニファイドコミュニケーション(Unified Communications:UC)ソリューションの開発を進めています。UCの広がりは、ITおよびネットワークの両輪を保有するNECの強みを最大限に発揮できるビジネスチャンスと捉えて、積極的にビジネス展開を図っています。
プラットフォーム(製品/ソフトウェア)
増子 充 ・三宮 大樹 ・河端 厚志 ・板垣 義夫 ・米塚 信雄 ・羽根田 宏康
ユニファイドコミュニケーション(Unified Communications:UC)時代には、電話のみならず、メール・テレビ会議・Web会議などの様々なツールを統合し、各種グループウェア、UC製品、業務アプリケーションなどとの連携により効率的なコミュニケーションを実現する高信頼性なコミュニケーションインフラが必要となります。本稿では、テレフォニーサーバNo.1実績を誇る技術、製品開発力ベースにリリースを行った新コミュニケーションサーバUNIVERGE SV8500、UNIVERGE SV8300、およびコラボレーションミドルウェアUNIVERGE OW5000について、特長とメリットを述べます。
佐藤 昌良 ・荻山 哲也 ・野崎 哲朗 ・友部 匡治 ・柴田 裕一郎 ・山下 哲弥
ユニファイドコミュニケーション(Unified Communications:UC)時代を迎え、コミュニケーションの多様化に合わせた、さまざまな種類のコミュニケーションツールが求められています。設置場所・利用シーンに応じて入力ボタンやディスプレイ、受話器などを自由に組み合わせることができる「モジュール合体式」を初めて採用したIP/デジタル多機能電話機の特長とメリットについて述べます。
筒井 健作 ・荒生 慎也 ・世良田 照治 ・帆苅 誠
企業で使われる通信サービスがIPネットワーク上に統合されることで、音声サービスは、電子メールやIMなどのほかのコミュニケーションツールに容易に組み込まれて利用できるようになります。これがユニファイドコミュニケーション(Unified Communications:UC)の一般的な定義ですが、NECが考えるUCは、一般的な定義に加え、電話やその他コミュニケーションサービスが、企業の業務システムに組み込まれ、利用されるところを含んでいることに特長があります。本稿では、NECが考えるUCを実現するプラットフォームについて技術的に説明します。
サービス
岡ノ上 和広 ・江幡 光市
無線LANは、ユニファイドコミュニケーションを支えるイントラネットのアクセスに高い適性を有します。しかし、企業では、電波伝搬環境や利用状況が変動し、無線LANの接続性や通信品質にも影響を与えます。本稿では、これらの影響に対しても要件を維持できる運用モデルを提案します。このモデルは、実時間の性能改善、障害検出と対応、性能維持を担う時間単位が異なる3つの制御メカニズムを持ち、これらを連携させて、無線LANの可用性を高めます。NECは、無線LAN装置に加え、設計・構築から運用・保守まで担うマネージドサービスに本モデルを組み込み、ユニファイドコミュニケーションを支える無線LAN環境を提供していきます。
平田 英之 ・今井 恵一 ・野口 誠 ・淺野 友彦
品質保証や安心・安全を特長とするNGNは、ネットワークの大きな変革として企業システムの高機能・高付加価値化を促進します。また同時に、キャリアやサービス事業者のSaaSによるサービス提供は、これまで自社でのシステム開発・導入を伴った企業システムの提供形態を大きく変革することになります。このようなNGN・SaaSの普及・浸透に後押しされ、NECのユニファイドコミュニケーションは、すべての現場に広がるユビキタスな企業システムを具現化していくこととなります。
導入事例
庄子 裕之 ・及川 昭広 ・東 剛 ・佐々木 増一
重要な情報を、迅速かつ安全に伝えることは、業種を問わず、すべての企業にとって大きな命題となっています。当社では、製造業として最も重要な品質情報を、基幹システムとユニファイドコミュニケーションシステムとの連携により、リアルタイムかつ安全に共有することで、品質不具合への対応の迅速化と社員の品質意識向上につながった事例、並びにこのしくみを他の業務に応用し、業務改革を実現した事例を紹介します。
医療特集
医療ITの取り組み・動向・将来像
丹治 夏樹
医療情報システム関連の標準化は、国際的にはISO TC215、CEN TC251やその他業界団体で進められています。国内においても、国際標準化への参画やその普及推進が図られており、本稿では、これら標準化の動向や活動状況を概説します。
葛野 浩史
日本においては少子高齢化の進展に伴い、医療費の適正化が求められています。NECでは、それを実現できる健康増進、疾病予防、診療、生活支援などのヘルスケア領域のサービスを活用したあるべき社会像を描き、それを支えるヘルスケアITを検討しています。そのITとは、個人の生涯ヘルスケア情報を収集・蓄積・活用する基盤と科学的根拠に基づく治療法・予防法の情報を活用する基盤を活用して高度なサービスを提供できる情報システムです。本稿では、それらとその実現における課題について紹介します。
病院情報システム
並川 寛和 ・宮川 力 ・佐藤 雄亮 ・高島 浩二
電子カルテシステムソリューションの中心となるMegaOakHRは、オーダ指示・カルテ記述・情報参照など、医療情報の記録・共有を行います。本稿では、MegaOakHRの開発に至った背景をふまえ、その新機能と内部構造の変更を紹介します。
真野 誠 ・菊地 浩人 ・柳原 圭佑 ・倉持 敦
「MegaOakIBARSⅡ」は、大規模から中小規模の病院における医療事務パッケージソフトウェアであり、現在約800の医療機関で稼働している「MegaOakIBARS」の後継機として開発されました。旧製品から新製品への移行がスムーズに行えることが必須であり、これを解決する方法として採用した新旧システムのハイブリッド方式について紹介します。
安田 典弘
MegaOak-M3は病院内の薬剤、医療材料、ME機器などの流れを管理する総合物流管理システムです。本稿では、電子カルテシステム(オーダリング)との連携により、どのように医療安全の向上・請求漏れ防止・物品のムダ削減を実現するかを紹介します。
原山 篤
本稿では、NECで開発・構築を行っているMegaOakDWHが、院内で発生する依頼情報、実施(実績)情報や診療報酬基本情報、医事会計統計情報や診察記事、サマリ、看護情報等を活用し、どのように診断、臨床研究および経営改善などに役立てることができるかを説明します。
ヘルスケア
阿部 達也
厚生労働省が発表した、医療費削減構想の1つである、「特定健康診査(通称メタボリック健診:以下特定健診)・特定保健指導の医療保険者への義務付け」は、健診業界にこれまでにない激震を生んでいます。従来、実施機関が自由に定めることができた検査内容や各種サービスの設定(自由診療)に対し、「高齢者の医療の確保に関する法律」が定める標準化された健康診断への対応が不可欠となり、新たなる総合健康システム構築が必要となりました。全国の健診事業者への対応が必要であり、今後も定期的に健診内容や運用の見直しが予想される環境にも迅速に対応が可能な、業界最新パッケージを紹介します。
研究開発
高玉 広和 ・石塚 英一 ・原 曉央 ・小野田 勇司 ・渡邊 清 ・近藤 克幸
医療現場では、緊急時であっても、安全の確認やヒヤリ・ハット事例(インシデント)の収集を確実に実施しなければなりません。筆者らは、電子タグやセンサーを活用することでこの問題を解決する情報システムを開発しました。実験により医療従事者の作業効率を低下させることなく、安全確認やインシデント収集ができることを実証しました。
導入事例
松村 泰志 氏
大阪大学医学部附属病院では、1995年からNECと共同で電子カルテの研究開発を行い、2000年には最初の電子カルテシステム「MegaOak-NEMR」をリリース、現在も開発が続けられています。電子カルテは、クリニックから大規模病院まで導入が進んでいますが、さらなる普及のためには入力の負担を減らす方法や診療録データ活用のためのシステムが求められています。診療情報の2次利用に焦点を当て電子カルテの開発を進められている大阪大学大学院医学系研究科准教授の松村泰志氏に、電子カルテにおける入力ツールである「ダイナミックテンプレート」と蓄積されたデータ利用のための仕組みについてお伺いしました。
木村泰三 氏 ・広瀬辰造 氏
今、全国の自治体が運営する公立病院の約8割は赤字経営だといわれており、医療費削減や医師不足といった中で厳しい運営を強いられています。富士宮市立病院様は「自治体立優良病院総務大臣表彰(2006年)」「救急医療功労者表彰厚生労働大臣表彰(2007年)」を受けるなど、地域中核病院としての役割をしっかりと果たしながら黒字経営を続けている模範的な病院の1つです。富士宮市立病院様では経営支援を1つの目的としてNECの電子カルテシステムを導入されました。
普通論文
川内 徹 ・家村 隆也 ・近藤 義知
NECの無線通信事業の長い歴史のなかで、90年代後半から無線通信の需要そのものが大きく携帯電話サービスへシフトし、付帯するインフラ製品もコモディティ化が進展して、激しい市場競争が繰り広げられました。そのなかにおいても、パソリンク事業は開発・生産・販売の三位一体の事業遂行を徹底させたことによって飛躍的な成長を遂げ、NECの業績に大きな貢献を果たしています。
福田 智之 ・前田 拓司
NECライティングでは、照明用白色LEDおよび電球色LEDを搭載した、家庭用シアタールーム向けの連続調光タイプの照明器具9LGF625、15LGF626を開発しました。近年の省エネルギーに対する市場の意識変化から、連続調光形のインバータを搭載した照明器具が市場から要求され、また長寿命、環境物質低減のうたい文句から照明用の白色LEDが量産され一般用の照明器具にも使用可能となり、広がりを見せています。
後藤 雅生 ・菊池 重寿 ・鉾田 祐也 ・森田 誠
これまでクレジット決済システムはIT技術を駆使し重要な社会インフラの1つとして発展、確立されてきました。昨今の技術革新、社会の構造変化、情報価値、および個人情報に対する社会認識の変化などにより、このクレジット決済システムにおいてもさらに高度な情報セキュリティ技術を保持することが必要となる時代となってきました。このたび、セキュリティ国際規格であるPCI 規格(Payment Card Industry)を国内で初めて取得した、暗証番号入力機器(PINPAD)を開発しましたので、紹介します。