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Technology Vision

NECは、新たな価値を創造するための研究開発の指針としてテクノロジービジョンを定めています。
これからテクノロジーをどう進化させるのか。社会にどんなイノベーションを起こすのか。
より明るく豊かな未来の実現に取り組むNECの、将来を見据えたテクノロジーの世界観をご紹介します。

社会価値創造に向けたテクノロジーを継続的に追求

NECは、デジタルトランスフォーメーションを通じて、世界や社会、お客さまの課題を解決し、新たな価値を提供していきます。従来からNECはICTにより社会価値創造を推進してきましたが、今後はデジタルデータを活用することがより重要になっていきます。そのためのプロセスは大きく三つに分かれます。

一つめは実世界の状況をデジタル化しサイバー世界に「見える化」すること。二つめは、サイバー世界に取り込んだデジタルデータを活用し、実世界の課題を「分析」すること。三つめは、その分析結果に基づいて考えられた「対処」を実世界に適用し、新たな価値を創造することです。

NECはこの一連のプロセスを支える「認識AI」「予測・最適化AI」「論理思考AI」という三種のAI技術を、特定の問題に対しては人の能力を超えるようなレベルにまで強化していきます。

例えば認識AIでは、赤外線やミリ波など人の五感を超えるような広範囲な情報や、ハイスピードカメラ画像のように人では認識できない高度かつ膨大な情報を活用することで、人の認知を超えるような実世界の理解も可能になります。

また、これらのAIを低コストかつセキュアに実行するICTプラットフォームのテクノロジーも開発していきます。そして、これらのテクノロジーを社会の役に立つソリューションとして実用化するためには、グローバルな共創活動も欠かせません。このような研究開発活動を通じて、NECはAIと人が協調して高度な価値を提供する豊かで明るい社会の実現を目指します。

ICTが生み出す社会価値と価値増幅の源泉

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データサイエンス

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認識AI

多種多様なセンサを融合することで人・モノの深い理解を実現

センサ技術の発展により、人が直接認識できない空間や、人の五感や認識能力をはるかに超える情報をサイバー世界に取り込むことが可能になってきています。NECは高度なAIをこの膨大な情報に適用することで、人が捉えられないモノの内部や人の内面など、深層の情報まで捉えることを可能にします。NECの顔認証技術は、10年前の写真との照合、人種・年齢に依存しない認証や、化粧や悪意を持った変装を見破ることをすでに可能にしており、その性能は米国国立標準技術研究所(NIST)により世界No.1と認められています。今後はこれらの認識AIをさらに発展させ、人の深層情報を捉えることにより、例えば犯人を後から見つけるのではなく、犯罪を未然に防止することに貢献していきます。

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予測・最適化AI

自動化技術により、専門家に頼らない複雑なデータ分析を実現

NECが注力している社会ソリューション事業では、お客さまと一緒にデータを分析するデータサイエンティストの数に限りがあるため、多くの課題を同時に解けないという問題があります。そこでNECは、専門家でなくてもデータ分析を容易に実現できる自動化技術を開発していきます。また、制御を行うことで対象とするシステム自体が変化しても、変化を予測しながら制御できる最適化技術も開発していきます。これらの技術により、時々刻々と変化する状況にダイナミックに対応して予測・最適化することが可能になります。例えば小売店舗における商品の需要予測では、数千商品の需要予測モデルを短時間で効率的に生成することで発注処理を自動化し、店舗全体の利益を向上します。

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論理思考AI

断片情報からでも適切な示唆とその理由を提示することで意思決定をサポート

私たちが直面する社会課題の多くは、ビッグデータのない未知の問題だったり、正解が一つには定まらない複雑な問題だったりします。そのような問題の解決には、AIの高度なアシストのもとで、最終決定は人間が行うことが必要です。NECは情報の関係性を保持したままで学習することや、膨大な仮説を高速に作成し検証する論理思考AIを開発していきます。これにより、断片的な知識や観測情報しかない状況においても人に適切な示唆やその理由を提示し、複雑な問題を解決することを可能にします。例えば、前例のないサイバー攻撃に直面した場合でも、論理思考AIが適切な示唆を与えることによって、セキュリティ分析官は迅速に対処することが可能になります。

ICTプラットフォーム

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AI向けプラットフォーム

多種多様なハードウェアを使いこなすことで学習処理を効率化

AIの処理は学習と運用(実行)の二つのフェーズに分解され、多くの場合、学習の計算量が膨大になります。例えば画像認識では、事前に1,000万枚程度の画像を1週間かけて学習しますが、実際の認識処理は約0.1秒で完了します。NECは、深層学習の高速化に向いているGPUや、メモリバンド幅が広く深層学習以外の機械学習に向いているベクトルプロセッサ、消費電力あたりの性能がCPUよりも100倍程度優れているFPGAなど、さまざまなハードウェアを適材適所に使い分け、AIにおけるあらゆる学習処理を高速化していきます。これによりプロセッシング能力を二桁向上し、現在は数十台ものサーバを使用する学習処理を、一台のサーバで実現することが可能になります。

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セキュリティ

AIやデジタルツインを利用して社会生活の安全・安心を保証

サイバー攻撃の対象は電気・ガス・上下水道などのライフラインや商業施設などの物理システムにも広がり、攻撃手段は内部の人を利用するなど多様化しています。このような止めることが許されないシステムを多様な攻撃から防御するためには、物理システムや人も含めたデジタルツインを活用し、AIで予測した模擬攻撃とAIで作成した模擬防御を膨大に繰り返してセキュリティ対策を強化することが重要です。加えて、ウイルスの侵入を未然に防ぐためのIoTデバイスの認証や通信の暗号化も重要です。NECは、AIとデジタルツインの活用や国際コンペで二次審査を通過している認証暗号技術により、人手では不可能な漏れのないセキュリティ対策を実現します。

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データ共有基盤

多種多様なデータの共有によって社会全体を効率化

公共データの活用促進など、データの共有は、社会を変革するドライバーとして今後ますます重要になっていきます。しかし、プライバシー保護や利害の対立などの理由で、多くのデータは簡単には共有できません。NECは、データを秘匿したまま計算する技術において、他社より一桁速い性能を実現しており、本技術とプログラムの安全性を保証する仕組みを組み合わせることで、データ漏洩の心配なくプライバシーデータを活用できるようにします。この仕組みをデータ共有プラットフォームとして提供することで、新たな医薬品の開発や、効率的な交通ソリューション、製造・流通におけるロスの削減といった社会全体の効率化が実現できます。