Japan
サイト内の現在位置
ネットワーク
ICTプラットフォーム2025年6月5日

通信の世界最先端で挑戦をつづける
NECは創業当時から通信技術の発展に貢献してきた企業です。太平洋間の衛星通信に世界で初めて成功するなど、常に新しい技術に挑戦して世界の最先端を走りつづけてきました。海底ケーブルでは、世界の約3割のシェアを誇るトップベンダの一つでもあります。
NECがこのような挑戦をつづけることができる理由の一つは、ハードウェアを中心とした物理層からソフトウェアを扱うアプリケーション層まで、通信機能のあらゆる階層を網羅した研究を行っていることにあります。また、研究分野も光通信から電波による無線通信まで多岐にわたります。機能階層を一気通貫した研究と、幅広い分野を横断した自由な発想で、世界初の新しい技術の創出に挑戦しつづけています。
グローバルなインフラ構築をめざして、実装を推進
4G通信がスマートフォンやSNSによって個人の価値を大きく高めたように、新しい通信技術は世界にさらなる革新をもたらします。現在普及が進んでいる5Gは、単なる高速無線システムではなく、「人」に加えて「モノ」をつなぐ技術として、産業を中心にさまざまなデジタルトランスフォーメーションを起こしています。今後導入が期待されるBeyond 5Gのネットワークは、「人」「モノ」に加えて「コト」をより広くシームレスにつなぎ、身近な暮らしを含めた社会全体の進化を支え得る技術です。NECでは、5年後~10年後のグローバルなインフラとして実装するところまでを想定しながら、各種技術の研究を進めています。例えば、現状では国ごとで運用されている携帯電話の通信システムも、将来的には世界共通のシステムに進化し通信量が減る夜間の国のリソースを昼の国々へと割り当て、地球規模でカーボン排出量を低減できるような未来も見据えています。

主な研究技術
マルチコアファイバーケーブル
従来のファイバーケーブルの形状はそのままに伝送容量を拡大する技術です。NECでは世界で初めて非結合型のマルチコア海底ケーブルによる大容量通信実験に成功しています。本技術の研究論文は、光通信における最大の国際学会OFC2022において「注目論文」に選出されました。また、現在は無線で使われていた技術を光通信に応用するという発想から、さらなる大容量化を可能とする結合型マルチコアファイバーケーブルを実現する信号処理も研究しており、同じくOFC2024において「注目論文」に選出されています。
量子暗号
理論上絶対に解読できない安全な暗号方式で、長期にわたる機密保持を保障する次世代の技術として昨今注目されています。NECは、国内に主要研究拠点を持つ企業として、複数のナショナルプロジェクトに参画しつつ、技術の発展や社会実装に大きく寄与し、20年以上にわたり日本の量子暗号の技術開発を牽引してきました。現在はデジタルコヒーレント光通信の技術を応用し、より安価で導入できる次世代の量子暗号方式の研究開発や量子暗号を含む暗号技術に基づくセキュアネットワークの研究開発に取り組んでいます。次世代の量子暗号方式は既存の光通信網との親和性が高く、将来の全光ネットワーク(APN: All Photonics Network)において、既存の光通信ネットワークと量子暗号ネットワークの統合のための機能を追加する提案活動も推進しています。また、量子技術を応用した新しいサービスを実現するプラットフォームの開発にも取り組み始めています。
宇宙統合ネットワーク
Beyond 5G/6Gに向けて、通信カバレッジの拡大のために通信衛星コンステレーションなど非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network: NTN)の活用が期待されています。衛星コンステレーションは地球を周回する多数の通信衛星をネットワーク化するものですが、現在のサービスは地上のインターネットまでの中継であり、通信品質の安定性が保証されていません。NECでは、衛星の移動によりネットワーク構造が時々刻々変化する環境においても、安定した通信品質で高信頼なネットワークを構築するための技術を研究開発しています。宇宙・空をカバーするNTNに限定せず、地上ネットワークとシームレスに接続する宇宙統合ネットワークとしてとらえ、衛星間通信の接続性や大容量化を実現する適応光リンクなど物理層技術から大規模複雑なネットワーク制御技術に至る研究開発を進めており、数年後の宇宙実証を経て将来の宇宙統合ネットワークの実現に貢献します。
Beyond 5Gモバイル通信
Beyond 5G/6G時代では、モバイル通信に対するニーズは益々多様化するとともに、高速・大容量通信の実現が必須となります。NECでは、高速・大容量通信を支える技術として、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)やビームフォーミングなどの最先端の無線信号処理技術の開発に継続的に取り組んでいます。また、Beyond 5G/6G時代には、人やアプリケーションに適した体感品質や通信品質を提供することも肝要です。そこでNECでは、無線アクセスネットワークのパラメーターをAIにより自動最適化する技術の開発を進めています。これにより、多様なアプリケーションの要求条件に応じた最適な通信品質を実現します。モバイル通信に加え、衛星通信、防衛通信、電波監視システムなどミッションクリティカルな無線システムを高度化するための研究開発も進めており、包括的に未来の無線システムの実現を目指しています。
光センシング
通信で培った光技術と認識AI技術を融合した光センシングにより、広域実世界のデジタルツインに係る研究開発に取り組んでいます。光ファイバセンサやLiDARなど長距離で高感度な光のセンサ装置技術と、時系列や3D点群を処理する認識AI技術を組み合わせて、広域な実世界を丸ごと理解します。最近では、実世界の物理モデルを構築し、認識結果をデータ同化させることで高度な予測や最適対処を可能とするデジタルツインの分析技術の研究開発にも取り組んでいます。
最新の成果
お問い合わせ