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セキュリティ

ICTプラットフォーム

2025年8月7日

人々が安心して暮らせる社会をつくる

「あらゆるシステムが安全に守られ、正常に動作し続けることに貢献する技術を創出する」ことが、NECのセキュリティ領域が掲げる研究ビジョンです。現代社会は、AIやICTと不可分な時代となっており、NECのさまざまな技術も、人々の生活を支える社会インフラの中で幅広く活用されています。NECでは、こうした社会インフラの信頼性を担保することをめざして、サイバー攻撃やデータ漏洩などのリスクを可視化・管理する技術の研究開発を進めています。
NECの強みは、社会インフラの現場で磨かわれた技術力と、各領域における専門的な知見にあります。企業の現場で活用できる、実用性と信頼性を両立したセキュリティシステムを創り出せることは、NECならではの特長と言えるでしょう。さらに、国際学会での論文採択も多く、先進的な技術を世界に送り出しつづけています。

AIでリスク対策を高度化 × AIを安全に活用 × 最先端暗号による機密情報保護

NECのセキュリティ領域研究では「AI for Security」「Security for AI」「データ・プライバシー保護」という3つのテーマに取り組んでいます。
AI for Securityでは、日々進化するサイバー攻撃に対応するための、AIによるサイバーセキュリティの高度化・自動化を通じて、脅威への迅速かつ的確な対応を支援する研究を行っています。
Security for AIでは、新たな脅威として注目されるAIによる偽情報の拡散リスクに対し、コンテンツの真偽をAIで自動分析し、その信頼性を高精度に評価・可視化する技術の開発を進めています。これにより、信頼できるAIの利活用と、偽情報の抑制に貢献します。
データ・プライバシー保護では、個人の顔情報やゲノム情報などの機微なデータを安全に扱うために、暗号機能の適用範囲を拡大するとともに、情報漏洩のリスクを抑えながら、本人確認やデータの真正性検証などの利活用を可能にする新たな技術の開発を進めています。

主な研究技術

AI for Security

AI for Securityは、従来の労働集約的なセキュリティ業務を自動化・高度化するためのAI技術です。セキュリティ業務には大きく分けて、平時の予防と、有事の対応・適応の2種類があります。平時においては、増加する脆弱性・脅威情報や政府等が規定するガイドライン等から、個別のシステムや固有の事業・業務に対するリスクを評価し、必要な対策を講じることが重要です。一方、有事においては、増加する一途の攻撃に対して、「成功」する可能性の高い深刻な攻撃を見極め、短時間で対応・復旧することが必要です。AI for Securityでは、これらに不可欠なセキュリティ情報収集、整理、加工、システムや事業リスク評価、対策立案、攻撃検知、インシデント対応、レポーティング等の業務を生成AIやAIエージェント等を使って自動化・高度化します。

Security for AI

Security for AI は、AIを安心・安全に活用するための技術です。AIが誤った情報(ハルシネーション)や倫理的に偏った回答をしにくくする、目的外利用(危険な情報を引き出すなど)を防ぐ、情報漏洩対策(入出力に機密情報が含まれる)などが代表的ですが、AIの出力の根拠を示す説明性もその範疇であり、研究テーマは多岐に渡ります。AIの発展に伴って高度化・細分化していく脅威への対策技術だけでなく、導入プロセスの容易化も含めて研究開発を進めています。

データ・プライバシー保護

データ・プライバシー保護の技術研究にも積極的に取り組んでいます。NECが得意とする生体認証をより安全・安心して使うための技術もその一つです。
例えば「生体情報利用デジタル署名技術」は、個人の顔情報を保存せずに本人確認を可能にする技術です。最大の特長は、顔の「ゆらぎ」—すなわち表情や角度、照明などによる微細な変化—を考慮しながら、顔画像そのものを保存せずに認証用の鍵を生成できる点にあります。さらに、生成された鍵は秘密計算技術によって暗号化されたまま照合されるため、第三者が情報にアクセスすることが極めて困難になります。これにより、万が一データが漏洩しても、顔画像や個人情報が直接流出するリスクを大幅に低減できます。従来の顔認証に比べてセキュリティ面での信頼性が格段に高く、金融機関や医療機関、公共機関等、厳格な個人情報管理が求められる分野での活用が期待されています。また、顔認証にとどまらず、指紋や虹彩など他の生体認証や、電子署名・電子契約といった分野への応用も視野に入れており、デジタル社会における本人確認のあり方を根本から変える可能性を秘めています。
また、IoTセンサなど、CPUやメモリのリソースが少ない機器でも活用できる軽量暗号技術の研究と事業応用も進めています。システム全体の秘匿性をEnd to Endで担保して安全性を高めるとともに、計算効率や安全性に優れた暗号技術を開発することで、国際的にも暗号研究で高い認知を得ています。NECの暗号研究はCRYPTO, ACM CCSなどの最高峰の学会でベストペーパーを受賞しており、学術分野でも高く評価されております。また社内外の多様な研究者と活発にコラボレーションを行い、インパクトのある技術創出を継続しています。

生体情報利用デジタル署名

軽量暗号

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