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ICTプラットフォーム

2025年10月27日

AIがスムーズに動くしくみをつくる

AIプラットフォーム領域ではAIの社会実装を支えるために、AIとアプリケーション、サイバー空間と実空間をスムーズにつなぐための技術の研究開発をしています。サイバー空間と実空間を上手くつなぐことで、AIを使ったサービスの提供者と利用者の双方が特別な意識をすることなく、システムを利活用できるような環境の構築こそが、私たちの目標です。本領域の技術分野は、ハードウェアからソフトウェア、利用するアプリケーションに至るまで、多岐にわたります。そのなかでNECでは、AIの「高速性」と「リアルタイム性」を実現します。

「高速性」においては、急速に進化するAI技術に対応するために、大規模かつ複雑化するAIの学習や推論処理を、より短時間で、より少ない計算資源で効率的に実行可能にする技術が求められます。たとえば、生成AIの普及に伴い、膨大な計算資源を必要とすることで世界的に深刻化している電力消費の問題に対し、この技術は演算処理の最適化や並列処理の活用によって、生成AIの推論にかかる消費電力を大幅に削減することができます。これにより、持続可能なAI活用環境の構築や、データセンターの省エネ化といった社会的課題の解決にも貢献します。

次に「リアルタイム性」においては、実空間の時間軸とあわせてAIを動作させるための技術が求められます。たとえば、自動運転車や作業ロボットでは、複数のカメラから送られてくる大量の映像データをAIが瞬時に処理する必要があります。こうした大容量データに対しては、通信の断絶や遅延を防ぐ技術や、重要な映像データを抽出してエッジデバイスとクラウド間で分散処理する技術によって、リアルタイムなデータ処理が実現できます。これにより、自動運転車や作業ロボットを安定して監視・制御することで、交通の安全性向上や作業現場の効率化といった課題に寄与します。

主な研究技術

高速性

AIの技術はいまや社会で広く使われるようになりましたが、これに伴う膨大な計算量と消費電力が世界規模での問題になっています。私たちは、AIの処理を高速化(効率化)する技術の研究開発に注力し、この問題に取り組んでいます。高速化の実現により、AIが生み出す価値をより多くの人々が多様な分野で享受することが可能となり、消費電力の削減も可能になります。AIが地球環境に与える影響を低減し、持続可能な社会の実現をめざして研究を続けています。

リアルタイム性

AIがユーザのニーズに応えるためには、実空間の「いま」の状況に即座に対応する必要があります。そして、そのためには通信や計算リソースを常に最適化し続ける技術が必要不可欠です。NECでは、このような実世界に即応してアジャストできる「リアルタイム性」を実現する技術の研究開発も進めています。
「アプリケーションアウェアICT制御技術」は、ユーザの通信状況やアプリの利用状況から少し先の状態を予測し、通信リソースと計算リソースを適切に割り当てる技術です。リソースを最適化することで遅延や停滞などのトラブルを防ぎ、快適な運用を可能にします。自動車の遠隔管制や建設現場等の遠隔監視における通信などでの活用をめざして研究を進めている技術です。

最新の成果

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