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生成AI、分析AI

先端AI

2025年6月3日

人とAIが実現する、効率的な社会への進化

社会をより効率的に動くように進化させつづける。それこそが、NECが生成AI、分析AIの研究開発を通じて実現しようとしているビジョンです。「自動化」はこれを実現するための重要な要素ですが、私たちは「自動化」だけでなく「人のチカラを増幅する」ことも大変重要と考えています。社会を支えている様々な業務には、難しく責任を伴う判断や全く新しい発想が必要なものも多く、そこには「人のチカラ」が不可欠になります。私たちは、「自動化」とともに、人の技能、思考を支援、強化するAgentic AIの実現を目指し、研究開発を進めています。

生成AIと分析AIを融合させ、多様な価値を生み出すAgentic AIを開発

現在、NECではcotomiに代表される生成AIの基盤技術開発とその業務適用を強化しており、これまで培ってきた音声認識技術などとも融合した新しい価値の創造にチャレンジしています。また、数理最適化、強化学習など多様なアプローチを発展させた最適化技術をはじめとした分析AIを継続的に研究しています。これらのAgentic AIは融合させることでさらに多様な価値を生み出すことができ、私たちはこのような様々なAgentic AIが連携、さらには流通する仕組みの研究、コミュニティ作りにも取り組んでいます。

主な研究技術

LLMOps

生成AIのモデルをお客様の業務環境に適応し、その性能を維持、向上しつづけるための技術です。変化しつづける業務環境においてモデルの性能を維持しつづけるには、モデルリリース前のチューニングだけではなく、リリース後のモニタリングに基づく改善も必要です。本テーマでは、このような継続的な性能改善に着目した技術群を研究開発しています。

最適化支援技術

スケジューリングなどの最適化問題を、その要件定義から最適解の提示までトータルで支援する最適化エージェントです。お客様の業務を最適化するには、その業務内容、KPIなどを収集、デジタル化し、最適化問題として解ける形にしたうえで最適解を探索する必要があります。現状、これらのプロセスの多くは人の専門性に依存していますが、本技術ではLLMを活用して専門性がない人でも最適化に取り組めることを目指して研究開発しています。

交渉AI

発注者と受注者など、独立した組織間での取引交渉をアシストする技術です。一方が得をして他方が損をするという関係性ではなく、互いに Win-Win になれる点を導き出し、社会全体での最適化をめざします。例えば資材調達交渉の自動化や、トラックの空き輸送枠を活用したロジスティクスの共同配送相乗りなどでの活用を想定しています。また、LLMとの融合により自然言語でも交渉が可能な Agentic Negotiator の研究開発にも取り組んでいます。

強化学習(大規模システム最適化技術)

鉄道やプラントなど非常に複雑で大規模なシステムにおいて、最適なオペレーションを提示し、運用者の意思決定をアシストする技術です。このようなシステムでは、次々に変化する状況にあわせて短時間でオペレーションを決定する必要があるため、高速な推論が可能なデジタルツインを活用した深層強化学習を応用しています。

生成的最適化

配送計画や在庫管理などのグラフ構造を含む組合せ最適化問題に対し、ニューラルネットが解を逐次生成しながら報酬で洗練していく 生成的最適化(Neural Combinatorial Optimization, NCO)の研究開発を行っています。強化学習と深層学習を統合することで、最適化の専門知識や大量の事前データがなくても、配送計画・財分割・スケジューリングで高品質な解を算出できるモデルを開発中です。さらに、大規模言語モデル(LLM)による自然言語ヒューリスティク生成と多目的最適化を取り込み、強化学習・深層学習・生成AI を融合した三位一体の技術 へと発展させています。この取り組みにより、担当者との対話で制約が更新されるたびに解を即時再生成できる業界特化型 AI Agentの意思決定エンジンとして不可欠な基盤技術の確立を目指しています。

生成AIの基盤モデルとその業務適用

文書や図表を高速かつ高精度に理解・生成する技術です。文書作成や問い合わせ対応など、主に言葉(テキスト、音声)を扱うお客様の業務に生成AIを適用することで、生産性の向上に貢献します。現場で実際に生成AIを適用して得られた課題や知見に基づいて、技術開発を進めています。また、音声認識技術の開発にも注力しており、生成AIと効果的に連携させることで、さらなる価値創造を目指しています。

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