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NECが開発貢献するオープンソース

OSS貢献活動

Linuxカーネルに対するNECの取り組み

NEC では、Linux カーネルプロジェクトにおいて開発貢献しており、そこでの成果やノウハウを活用しながら、Linux を活用した製品・サービス・ソリューションを提供しております。 ここでは、Linux カーネル に対する NEC の取り組みを紹介します。

Linuxカーネル とは

Linux カーネルは Linux OS (オペレーティングシステム) の中核機能です。ハードウェアリソースの制御やプロセスの管理等を行います。Linux OS は、Linux カーネルとユーザ環境を構築するためのコマンド、ライブラリ、シェルなどの様々なオープンソースで構成されています。

Linus Torvalds 氏が1991年に Linux カーネルの開発を開始してから、new window30年の間に55,000以上の人々が Linux の改善のためにソースコードをコントリビュートしてきました。クラウドインフラや、スマートフォンからスーパーコンピューターまで様々な ICT 機器で利用され、最も普及しているオープンソースのひとつです。

The Linux Foundation とは

new windowThe Linux Foundation は、ビジネスユースのオープンソースの開発支援と利活用を推進する米国の非営利団体です。2007年に、Linux の採用を促進する Open Source Development Labs (OSDL) と、Linux の標準化と国際化対応を推進する Free Standards Group (FSG) が合併して創設されました。

当初は、Linux アプリケーションの相互運用性、Linux のリリース間の互換性の確保、Linux や開発者の法的保護の強化等、Linux をビジネス適用する際の課題に取り組んでいました。現在は、様々なオープンソースプロジェクトをホストして、オープンソースプロジェクトにサステナブルなエコシステムを構築し、技術開発と業界採用を促進しています。

Linux カーネルプロジェクト

Linux カーネルプロジェクトとは、Linux カーネルを開発するプロジェクトで、Linux カーネルは、世界中の開発者による共同開発の成果です。カーネル開発は継続的なプロセスで、開発の特定の時点で、一連の機能とバグ修正の準備が整うと、新しいバージョンがリリースされます。カーネルのソースコードは、カーネルツリーと呼ばれるいくつかのメインおよびサブシステムのリポジトリで管理されています。主要な各サブシステムには、専用のツリーがあり、new windowサブシステムメンテナーがいます。開発はメールで行われます。開発者はサブシステムのメーリングリストにメールでパッチと呼ばれる小さなソースコードを送信すると、メンテナーがレビューを行います。最終的に、パッチはサブシステムのメンテナーから Linus Torvalds 氏に送られ、カーネルのソースコードにマージされます。

Linux カーネルプロジェクト

パッチの流れ

NEC の取り組み

NEC は、Linux カーネル の開発および Linux エコシステムの発展に貢献しています。

Linux カーネル開発への貢献

NEC は、1999年から Linux をエンタープライズ領域に適用するために、Linux カーネルの開発に参加し、機能強化、性能、品質向上を目的に継続して取り組んでいます。これまでに、NEC は次の機能などに貢献しています。

new windowMultiple IO-APIC サポート
リソース管理機能(memory cgroup)の強化 
・Ext4 ファイルシステムの開発
・SELinux スケーラビリティ、SELinux on jffs2 
・cc-NUMA 対応のスケジューラ、割り込み制御
・diskdump の機能強化
ディスク、ネットワークの冗長化機能(multipath, bonding)の強化
new windowCPU/Memory/IO の Hot Plug サポート
・大規模構成 HW を認識する ACPI 2.0
・RAS 機能強化

現在は、メモリ RAS 機能、Linux ダンプ解析ツール crash およびダンプ採取ツール makedumpfile を中心に開発貢献し、サブシステムのメンテナも務めています。また、Linux ディストリビューションへのパッチの取り込みを通して、弊社サービスの品質向上にも取り組んでいます。NEC グループの主なコントリビューターについてはnew windowこちらをご覧ください。

Linux エコシステムへの貢献

NEC は、Linux の普及促進ために、2000年に、他社と共同で、Linux 向けのオープンソースの開発を支援する、Open Source Development Labs (OSDL) を開設しました。OSDL は、2007年に Linux の標準化と国際化対応を推進する Free Standards Group が合併して、The Linux Foundation が設立されました。NEC は、OSDL および The Linux Foundation の設立時からプラチナメンバー (ボードメンバーを含む) として参加して、Linux およびオープンソースの発展を支援しています。

2006年には、NEC は、Linux 関連特許管理会社「new windowOpen Invention Network (OIN)」に出資しました。OIN は、Linux の革新と発展・普及を図るために、2005年11月に設立された団体で、 主な活動は、Linux オペレーティングシステムに関連する重要な特許の購入・維持や、Linux オペレーティングシステムや Linux 関連アプリケーションに対して特許を行使しないことに同意した企業、機関、個人への保有特許の無償提供です。

今後の取り組み

NEC は Linux エコシステムの一員として、Linux カーネルの持続可能な発展に貢献するとともに、お客様には安心してご利用いただける Linux を活用した製品・サービス・ソリューションを提供して参ります。