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OSS貢献活動日本人初のOpenStackコミュニティのプロジェクトリーダーがNECから就任
2016年4月22日公開

2016年4月にNECコーポレーション・オブ・アメリカ(本社:米国テキサス州アーヴィング)の大道憲一(おおみち けんいち)がOpenStackコミュニティにおいて日本人初のリーダー(PTL:Project Team Leader)に選出されました。大道は、オープンソースソフトウェア(OSS)であるOpenStackの品質保証を担うQA(Quality Assurance、注1)プロジェクトに属し、OpenStackの品質向上に大いに貢献しました。約50個あるOpenStackコミュニティのプロジェクト中で、QAプロジェクトは重要なプロジェクトの1つと位置づけられています。PTLは、世界中にいる開発者のリーダーとして、開発項目の策定や議論をリードする役割を担うとともに、様々な折衝やプロジェクトをまたがる項目の議論に代表として参画します。PTLに選ばれたことは、大道がOpenStackコミュニティの代表の一人になったことを意味します。
大道は、2012年よりOpenStackコミュニティでの活動を開始し、Nova(注2)やQAプロジェクトにおいて、これまでNova V2.1 APIの開発や統合テストTempestの開発に携わってきました。この貢献が認められ、今回PTLとして選出される運びとなりました。
- ※1QA(Quality Assurance)
OpenStack全体の品質・安定性を保つため、ツールの整備・開発を行うプロジェクト。統合テストTempest、開発用デプロイツールDevstack他、多くの開発を担当する。
- ※2Nova
Computeサービスを提供するOpenStackの主要プロジェクト。クラウド利用者に対して、仮想サーバの作成、仮想サーバを起動する物理ホストの管理などのサービスを提供する。
開発コミュニティとプロジェクトリーダーの役割
開発コミュニティの構成

- 開発コミュニティはTechnical Committee(TC)を頂点に、コンポーネント毎の開発チームで構成されています。各開発チームは、プロジェクトテクニカルリーダー(PTL)とコア開発者、デベロッパで構成されています。
役割 | 内容 |
---|---|
Technical Committee(TC) | OpenStack全体の開発方針を決定 |
Project Technical Leader(PTL) | 担当コンポーネントの開発を統括 |
コア開発者 | 投稿されたパッチをレビューし、ソースリポジトリへのソースコードのコミット権を持つ |
デベロッパ | メーリングリストにパッチを投稿する、一般開発者 |
共同開発の進め方
コミュニティの開発は世界中に散らばった開発者と共同で行います。その際、プロジェクトテクニカルリーダー(PTL)とコア開発者が開発をリードし、メーリングリスト・IRC(インターネット・リレー・チャット)を介して開発を進めます。また、半年に1回、Design Summitを開催し、開発項目をF2Fで議論・決定します。
大道憲一シニアソフトウェアエンジニアのプロフィール、今後の取り組みについて
プロフィール
2002年入社後、ネットワーク構築案件、社製ソフトウェア開発を経て、2006年よりLinuxコミュニティで品質強化機能(クラッシュダンプ)の開発を担当した。クラッシュダンプは現在、ミッションクリティカル案件含め幅広い領域で使われる業界標準の機能となっている。2012年よりOpenStackコミュニティで、品質向上を目的に機能開発を担当している。現在、NECコーポレーション・オブ・アメリカ ,グローバル・ソリューション・プラットフォーム・センター ,シニアソフトウェアエンジニア。
今後の取り組みについて
OpenStackはIoT、ブロックチェーンなど幅広い領域での活用が期待されております。その基盤として皆様に安心して使っていただけるよう、多くの方と協力し、更なる品質強化に取り組んでまいります。