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OSS貢献活動OSSもマルチユーザで使っていく時代・・・そのためのアーキテクチャとは? (Open Source Summit Japan 2024)
Open Source Summit Japan 概要
Open Source Summit Japan が2024年10月28日~29日にかけて東京で開催され、海外からも多くの技術者が集まりました。今年は104本のセミナーが開催され参加者はセミナー会場を次々と回りながら情報収集をしていました。
※Open Source Summitとは、オープンソースの開発者・技術者・コミュニティ-リーダーが協力し、情報を共有し、問題を解決し、知識を高めることで、オープンソース-イノベーションを促進し、サステナブルなオープンソース-エコシステムの構築に寄与できるイベント
セッション
NECからは2022年、2023年に続き今回も「Exastro」が参加し、前回同様40分のセッションに登壇させていただきました。
今回は、Exastroの中でも一番最初にOSSとして公開したExastro IT Automation(以下、Exastro ITA)を紹介しました。Exastro ITAはExastroの中で最も長い間開発を続けてきたアプリケーションであり、さまざまなニーズの変化に対応してきました。本セッションでは、Exastro ITAの過去/現在/未来をそのときどきのニーズとともにご紹介しています。
Exastro IT Automation
Exastro ITAは、システム設定をデジタル化して一元管理するためのオープンソースのフレームワークです。セミナー開催時点での最新バージョンはver.2.5.0です。
『The Future of OSS and Multi-tenancy: Adapting Architecture for Modern Demands』
本セッションではまず、OSSに求められることが変わってきているという背景を解説しました。ニーズの変化に伴い、開発者が考えるべきポイントはもちろん、視点も変える必要があります。時には想定していなかった事態に陥り、急遽方針変更を迫られることもあります。我々が開発しているExastro ITAも多くの想定外と戦っています。もともと個人的な利用を想定して誕生し、成長を続けた1系(ver.1.x.x)に対し、マルチテナンシー対応を前提とした2系(ver.2.x.x)の開発では開発者が見るべき視点や注意すべきポイントが1系とは大きく異なり、なかなか思うように開発が進みませんでした。本セッションでは2系開発時の苦労話を交え、見るべき視点、考えるべきポイントについてご紹介しました。
登壇者コメント
本セッションでは、OSSを開発する際に留意すべき点について説明し、市場のニーズに合わせてソフトウェアを適応させた経験から得た洞察を共有しました。セッション終了後はNECのスポンサーブースに滞在しておりましたが、参加者の方からセッション内容やExastroに関する数多くのご質問をいただきました。これらを通じて、参加者の熱量の高さを肌で感じるとともに、開発者それぞれの視点や考え方の多様性に、深く感銘を受けました。
今後もオープンソースコミュニティの一員として、技術の進化に貢献し、新たな課題に取り組んでいきたいと考えています。Exastroについてのご意見、ご感想があれば、ぜひお寄せください。それが次の世代のExastroを形作る大きな力となります。
最後になりますが、このたびOpen Source Summitにて登壇の機会をいただき、心より感謝申し上げます。Exastro ITAについて多くの皆様にご紹介し、その成長の過程や開発の苦労をお話しできたことは、私自身にとって貴重な経験となりました。また、イベントを通じ、世界中から参加されたオープンソースに関わる多くの方々と直接交流し、貴重なフィードバックを頂けたことで、多くの学びとインスピレーションを得ることができました。
最後に
次々と便利なサービスが構築される中で、OSSは今や重要なポジションを担うようになっています。個人的な“便利”のために生まれたExastro ITAも今やNECのBluStellarというブランドのデリバリーを支える重要なポジションにあります。今後もさらなる成長を目指し、開発を続けていきます。
関連リンク
・本セッション動画:The Future of OSS and Multi-tenancy: Adapting Architecture for Modern Demands - Takanori Tanaka
・コミュニティサイト:Exastro
・NECが公開するオープンソース:Exastro Suite