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NECが長年培ってきた最先端の映像AI技術で生産性を最大化
「NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション」のご紹介【2024.11.20】
カテゴリ:DX・業務改革推進スマートファクトリー(IoT基盤/AI)その他
[目次]
ものづくりの現場でもDXによる設備稼働の見える化が進み、様々な課題が改善されている中、さらなる改善ポイントとして“人作業の見える化”が注目されています。
このたびNECがリリースした「NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション」は、従来人手で行っていた作業分類や計測にかかる工数を削減し、日々の改善活動をご支援いたします。
そこで、NECの中村直行が、その機能やユースケースをご紹介いたします。
NEC スマートインダストリー統括部 プロフェッショナル 中村直行
1993年に日本電気移動通信に入社後、業務用無線機及び携帯電話端末の開発に従事。
2003年にNECへ移籍後、携帯電話やスマートフォンのプラットフォーム開発を担当し、2016年から組込み機器の受託開発業務を経て2023年から映像AI事業に従事。
1.AIによる映像分析で人作業の無駄を徹底排除、生産性を最大化
生産現場の課題
製造業の生産現場では、多種多様な設備が稼働しています。これらの設備から稼働データを取得し改善に繋げるDXが進んでいる一方で、人による作業のDX化が遅れている状況にあります。
生産現場では、下図のとおり“生産性”“品質”“安全性”のそれぞれを向上させる必要があります。
なぜ問題が発生しているのか、現場に埋もれている改善ポイントを見つけるためには、人作業の現状を“正確に、繰り返し把握する”ことが重要です。
そこで、NECではこうした課題に対応すべく「NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション」を開発いたしました。
本製品は、人が関わる作業を自動で検知・時間計測を行うソリューションとして、従来人手で行っていた作業分類や計測にかかる工数を大幅にカットします。それとともに人作業の映像を取得して可視化までを行うので、そのデータを問題分析や対処にご活用いただくことが可能です。
本ソリューションで、生産現場の人の所在や動き、作業状況を把握し、人員配置や作業手順を最適化することで、“生産性”“品質”“安全性”の課題解決に繋げることができます。
ソリューションの特徴
本ソリューションの特徴は、大きく3つあります。
① 4ステップで簡単設定
AIを利用していますが追加学習は不要で、4ステップの設定だけでプログラミングも必要ありません。
4ステップ設定の内容は次のとおりです。
- 何が:
人、姿勢、一般物体、特定物体、装着品(服装など)、色の6種類から検知したい対象を選択・登録します。 - どこで:
検知対象エリアが映されているサンプル映像を読み込み、検知したい領域をマウスドラッグで指定します。 - どうなったら:
「〇秒/〇個以上となったら検知する」「検知対象の色が指定色に近ければ検知する」などの検知条件をGUIで設定します。 - 何をする:
「作業時間の計測を開始」「作業時間の計測を終了」「イベントを検知」などの情報をGUIで設定します。
下図の“AND”の例のように、条件の組み合わせによる検知も可能です(“OR”も可能です)。
下は、上記の4ステップ設定を行う画面のイメージです。
シンプルなGUIにより、読み込んだサンプル映像をもとに「何が」「どこで」「どうなったら」「何をする」といった作業の検知モデルを、簡単なマウス操作によりノーコードで作成できます
製品構成としては、検知モデル作成や時間計測、タスク管理などのアプリケーション、映像分析AIエンジン、および録画・映像管理ソフトウェア(Milestone XProtect(R))、分析用サーバ(NEC Express5800)をご提供します。分析用サーバにこれらソフトウェアをインストールして頂きご利用頂きます。分析データはCSV形式でアウトプットできますが、そのデータを対処に繋げるためのシステムやIPカメラはお客様にご用意いただく形です(弊社でご相談に応じさせていただきます)。
② 様々な映像分析技術
複数のAI技術を搭載しています。
骨格(姿勢)認識、一般/特定物体認識、色識別、エリア指定などを組み合わせることで、様々なケースに対応いたします。
③ 3つの分析種別に対応
お客様の様々なニーズに合わせ、次の3通りの分析の仕方に対応しています。
- 分析サーバに録画した映像の分析
- お客様のシステムで録画した映像の分析
- カメラからのストリーミング映像をリアルタイムで分析
2.「NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション」のユースケースのご紹介
次に、本ソリューションのユースケースをご紹介します。
- 作業時間の取得:
従来はストップウォッチを用いて取得していた各製品の工程ごとの作業時間を、各工程の作業の特徴を登録しておくことで、作業映像から容易に取得できます。
- 熟練者と初心者の比較:
両者の作業時間のばらつきを、当該作業の映像を見ながら比較できます。 - 手順誤りの検知:
工程で使用する標準工具の置き場所を検知対象とし、検知エリアに工具がない作業時間を計測します。その結果により、下図のように手順の誤りを判定することができます。
手順誤りを自動判定したい場合は、CSVを利用することで判定することができます。
- 手順漏れ:
同様に、梱包作業時に梱包するモノおよび梱包作業エリアの映像を登録することで、梱包漏れを検知することができます。 - 作業者の離席検知:
工程ごとの作業エリアに人が一定時間以上いない状態を検知します。 - 設備の作業時間の取得:
従来は、設備における作業者の作業時間の内訳を取得することは困難でしたが、本ソリューションに作業の特徴を登録することで可能となります。 - 作業種別の検知および作業時間の測定:
設備前にいる作業者の姿勢を検知することで、作業種別を認識し作業時間を測定することが可能です。 - 異常時の作業者合図の検知:
従来は現場で異常が起きた場合、人が管理者に知らせに行く必要がありました。本ソリューションがあれば、腕で「×」を示すなどの合図を予め登録しておくことで、異常発生時にその合図をカメラに示して管理者に通報することができます。 - 作業者の役割や安全装備着用の検知:
役割に紐づいた衣類や安全装備を登録しておくことで、役割別の作業時間の正確な測定や安全装置の未着用の検知ができます。帽子など必要な装着品の有無も検知可能です。 - 仕掛品の検知:
製品の形を登録しておくことで、仕掛品が何個滞留しているかといった事象を検知できます。
3.映像活用により事業環境変化に強いデータドリブン経営をご支援
自然災害やパンデミック、国家間の対立など、ユーザーの需要や製造業のサプライチェーンに影響を及ぼす変動要因は多岐に渡っています。製造業はこうした環境変化に対し、機敏かつ柔軟に生産計画を変更させるなどの対応力が求められています。
そのためには、ファクトに基づくデータドリブン経営とスマートファクトリー化が不可欠です。
ここでご紹介した「NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション」は、今まで可視化できていなかった人作業のファクトをNECが持つ最先端の映像AI技術でデータ化するもので、スマートファクトリー化を構成する要素となります。
また、AI導入の知見がなくても、誰にでも簡単にデータを取得でき、かつ様々なユースケースに対応可能です。
今後も私たちはサステナブルな現場カイゼン活動に向けたスマートファクトリー化の実現を強力にサポートしてまいります。
ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
- ※Milestone XProtect(R)はMilestone Systemsの登録商標です。
関連リンク
NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション
NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション」は、様々なものづくり形態や製造現場の環境で、今まで可視化できていなかった人の作業を効率的かつ網羅的に可視化することができます。これにより、人員配置や作業手順の最適化を実現し、生産性向上や品質の安定化、安全性向上などに貢献します。
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