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ものづくりの未来を切り拓く、製造業におけるDXとは
NEC ものづくり共創プログラム【2022.10.19】
カテゴリ:DX・業務改革推進生産技術・製造スマートファクトリー(IoT基盤/AI)
——製造業を取り巻く激しい環境変化に対応しながらも、生産性を向上させるしくみづくりが求められています。そこで、NECスマートインダストリー統括部技術主幹の北野芳直より製造業におけるDXの在り方やNECのものづくりDXについてご紹介しました。
講師:NEC スマートインダストリー統括部 技術主幹 北野芳直
1.製造業に求められるDXとは?
製造業を取り巻く環境は様々に変わってきています。天災やインフレによる価格高騰など、日々起こる変動に対して、我々は確実に業務を遂行していく必要があると思います。
このような環境において期待していただきたいのは、5GやAI、量子コンピューティングといった技術開発が着々と進んでいることです。NECでは様々な実証実験を行っており、それらを通じて段々と「こう使えば効果ある」、という結果が出始めています。
製造業のNECとしては、様々な技術のメリットを理解して、工場の実際の課題、本当に困っていることを結びつけながら、実証を進めております。
マルチベンダAGVの集中制御による自動搬送実証実験
NECプラットフォームズ 甲府事業所における実証実験です。製造現場では、部品搬送や出荷製品を構内移動する作業者が居ますが、今後の人不足に対応していくためには、上位システムや後工程の情報を得て、AGVの動線や、何をいつ取りにいくといったタイミングを、フレキシブルに制御していくことが期待されています。
今回、ローカル5Gを活用して、特徴の異なる2種類のAMR(無軌道型自律走行搬送ロボット)を集中制御し、また、画像を使って位置測位をしながらぶつからないように精度よく動かしていく実証を行いました。
この実証実験の結果を受け、来年、静岡県の掛川事業所で新たに稼働する新棟において、多くのAGV/AMRを使い、生産性を向上させるため、準備を進めております。また、量子アニーリング技術を活用した生産計画の最適化も実証を進めております。
製造業が勝ち抜くために求められるもの
今まさに製造業に求められていることは、リアルタイムでデータを把握し、瞬時に対応していくことではないでしょうか。データ活用による生産性向上や業務効率化により顧客満足度を向上し、次の製品開発や売上向上につなげることは、共通の価値だと思っています。
ものづくりDXを目指すに当たっては、スマートファクトリーからサプライチェーン全体におけるデータドリブン型のものづくりが重要であり、まだまだ活用が足りてない業務領域はないか、生産領域はどうか、開発業務は十分か、Excelや手書きが残っている業務はそのままでいいのか、などと不要な業務を排除していきながら、必要な業務ロジックを明確にして効率化していくことが肝要です。
ものづくりDX全体のイメージ
ものづくりDX全体のイメージとしては工場だけでなくサプライチェーン全体で作り上げたいと考えています。
BtoBビジネスの場合、特に製造業においては、お客様も製造業であるということが多いのではないでしょうか。お客様の満足というものは、自社の効率化や品質向上を真剣に考えていく延長線上に答えが見えると思っており、NECも自問自答しております。
その中で、これだけの広い領域を理解できる人材、デジタル化の効果創出をコーディネートできる人がいるのか、については、製造業において共通の課題であると思っています。
2.DXを実現するために取り組むべきこと
「仕組み」について着目すると、部門ごとに分断されているためデータの利活用ができない。あるいはExcelをメールでやり取り、となるとデータをなかなか業務に活かせない。PDCAを回してはいるが迅速に進められない、という事は良くある話ではないでしょうか。
そのような中で、「仕組み」と連携することは大前提ですが、部門を超えてデータを活用するという意思やマインドを持った人材がいるかどうかも課題だと思います。このマインドを持っている社員を育てていけるか、あるいはそのマインドを業務プロセスに適用していけるか、その次の活動に繋げられるか。仕組みを作っていく起点となるのは、従業員のスキルというよりも、ちょっとしたマインドではないかと考えています。
図の通り、好業績企業はデータをアクティブに使っています。「ものづくり白書」でも、好調な企業が設備投資をしていたり、特に無形固定資産が増えている傾向があることがわかります。データをアクティブに活用する体制を整備することが、一つのポイントではないかと捉えています。
データドリブン型ものづくりを支える仕組み
次に、データ活用に向けたプロセス構築について。経営も製造現場も同様に、計画と実行のPDCAと、日々の変化に瞬時に対応するOODAループの二つがあると思います。そのためには、必要な情報が効率的にリアルタイムに上がってくることが大事。誰かに作らせた数字ではなく、情報基盤が上げてくる、客観的でいつも同じKPIを理解・判断する必要があると考えています。
仕組みは、マインドとプロセスに合わせていかにシステム連携できるか、フレキシブルなものが構築できるかは、人による分析だけではなく、優れた分析エンジンも活用することがポイントになってくると考えます。
さらには組織の壁を越えて仮説検証を繰り返し、最終ゴールに向けてデータドリブン型ものづくりへシフトできるよう進めたいと思っています。
3.NECものづくりDXコンセプト
NECのものづくりDXコンセプトは「マインド」「プロセス」「仕組み」であり、この3つを確実にご提供していきたいと思っています。特に、「マインド」をしっかりとお手伝いしていきたい。弊社においても、ここが一番課題です。現在も人財育成に取り組んでおりますが、お客様へのご支援も実施したいと思っています。
また、2022年下期リリース予定の「ものづくりDX改善ガイド」をご紹介します。
データ分析によって効果を出すというのは、フローでいうと無駄やロスをデータで発見して原因を調べ、解決する施策を検討していくこと。これらは、やってみれば出来るのかもしれませんが、手がつけづらい領域だと考えています。料理も同様かもしれず、本気になればやると思うものの、なかなか腰が上がらない、その時にならないとできない、ということではないでしょうか。料理レシピサービスがあれば料理が作れるように、ものづくり領域の改善を進めるシナリオなどをご用意しています。
NECでは、データドリブン型のものづくりの実現に向けて、設備や工場だけではなく、様々な上位システムと連携し業務の最適化/効率化を実現したいと思っています。それにはものづくりDX基盤がラインだけではなく、工場や全社レベルまで昇華させ、それぞれの粒度で横連携していくことが大事であり、これらの仕組みを、人財育成やマインドの醸成とともに進めていきたいと思っています。
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製造業のデータドリブン型ものづくりを支える「NEC ものづくりDX」
ものづくりDXに取り組むお客様に寄り添い、マインドの醸成から活用プロセスの定着も含めてご支援します。
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「NEC ものづくり共創プログラム」は、生産革新やグローバルサプライチェーン改革推進に必要なノウハウやアセットを4つのコンセプトで提供しています。NECはお客様と同じ「ものづくり企業」として、お客様の改革推進に向けた活動を強力に支援します。
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