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Purpose経営におけるサステナビリティ推進について

NECは2020年4月、NEC Way改定の一環で、私たちの存在意義「Purpose(パーパス)」を規定しました。さらに2021年度は、このPurposeを経営の根幹に据えた「2025中期経営計画」(以下、新中計)を発表しました。新中計では、Purposeの実践をとおして目指す社会像「NEC 2030VISION」を示すとともに、財務戦略の一環として、企業と社会のサステナブルな成長を支える非財務(ESG)基盤の強化を謳っています。

今回のダイアログでは、荒井氏よりグローバルなサステナブル投資の最新動向についてご共有いただいたのち、Purpose経営の進捗を、財務インパクトのみならず、事業が創出する社会・環境インパクトで管理していく意義や、強化すべき非財務テーマ「マテリアリティ」の1つである「AIと人権」をはじめとする人権課題への対応について、有識者のみなさまからご意見をいただきました。

  • 本ダイアログはオンラインで実施しました。

Purpose経営の進捗管理にはNECならではの指標が必要

NEC 執行役員 兼 CSCO 兼
サステナビリティ推進本部長
清水 茂樹

清水 この3年間のNECの取り組みをふまえて、Purpose経営の推進を、財務インパクトのみならず事業が創出する社会・環境インパクトで進捗管理する意義、および非財務(ESG)視点を織り込んだ戦略の具体化について伺いたい。

NPO法人NELIS
代表理事
ピーター D.
ピーダーセン氏

ピーダーセン氏 NECの今後の課題は、PurposeやVisionで示したことを具体的な価値にすることだ。これまで「非財務」といわれていたものは、今後「将来財務」に必ず変わる。急速に世の中が動いているので、今打ち出したものが2025年には通用しないかもしれない。中計をローリングでバージョンアップしながら先進性を示してほしい。今後の人口動態や消費トレンドを考えると、事業遂行には環境視点を入れることが大前提になることも認識してほしい。

また、社内のモチベーションやエンゲージメントが向上して初めて自発的なイノベーションが起きるが、サステナビリティはその向上に重要な役割を担っている。NECのデジタルトランスフォーメーション(DX)を、世界が求める、より広い概念のサステナビリティトランスフォーメーション(SX)にリンクさせれば、新中計の実効性が上がるのではないか。

一般財団法人
CSOネットワーク
代表理事
古谷 由紀子氏

古谷氏 Purpose経営を推進し、インパクトで進捗管理をする方向性はすばらしい。例えば、デジタル技術を活用した環境や社会への貢献、データガバナンスやプライバシーガバナンスへの取り組みなど、他の会社にはない、NECの本業での特徴ある取り組みを指標として打ち出してはどうか。また、自社の事業起点で未来像を描くのではなく、今の世界情勢、すなわちサーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルを目指す目標を置き、そこに対し事業でどう向かっていくか、どう貢献するかを指標に示してほしい。指標の示し方を工夫することで、投資家にも市民にもNECらしい取り組みが見えていくと思う。

NPO法人
社会的責任投資
フォーラム(JSIF)
会長
荒井 勝氏

荒井氏 Purpose経営の推進を、各事業が創出する社会・環境インパクトで進捗管理することが重要である。Purpose実現に向け、また将来達成したいビジョンに対し、どのような目標を置き、何に取り組むか、そしてその達成度を毎年示してもらえると投資家にもわかりやすい。

NEC 取締役
執行役員常務
兼 CHRO
松倉 肇

松倉 新中計、2025中期戦略を実現するために、常に社会・市場の変化に合わせアップデートすることと、社内での共有を深化させることは不可欠だ。特に社内コミュニケーションは極めて重要で、新中計発表後、社内へカスケードダウンしていく。これにより中計が自分事化され、次につながると考えている。

NEC 執行役員常務 兼 CFO
藤川 修

藤川 従業員一人ひとりが「自分たちがやっていることがPurposeやNEC 2030VISIONに向かっている、価値につながっている」という実感を持てることがエンゲージメント向上につながる。そのつながりを見える化するためにも、ビジネスと環境・社会とがつながる指標を継続して検討していきたい。

荒井氏 社内認識の徹底が重要だが、それにはPurposeが非常に重要。Purposeを示し、現場から何ができるのかを出してもらい目標を定めてもらう。それを達成するように測っていく。Purposeと日々の仕事を結びつけていく。

清水 NEC 2030VISIONの検討過程で、事業の責任者や若手をはじめ我々役員も、Purposeと紐づけて自分たちの事業にどんな価値があり、どのようなインパクトを世の中に与えられるのかを議論した。

荒井氏 よい取り組みなので、今後もより多くの従業員に参加してもらい、議論を続けてほしい。

ピーダーセン氏 PurposeやNEC 2030VISIONと新中計との接合点はValue Creation Fieldであり、イノベーションジャーニーがこれをつなぐ。メガトレンドを読み、未来にどのような社会ニーズがあるかを考えながら、ICTがどう貢献できるかを考えると、Value Creationの可能性が高まると思う。

世界の新たな動きを察知する仕組みづくりを

古谷氏 NECは「AIと人権」をはじめとする人権課題について、丁寧かつ慎重に検討しながら進めている。「脆弱な立場の人を取り残さない」という、結果の公平性を目指す方向性は特徴的であり、進んでいる。リスクについて、これまではプライバシーの観点で見てきたが、今後は作業者の労働環境や人権など、違う視点でのリスクも出てくる。新たなリスクに気づく仕組みづくりも重要。

荒井氏 人権については、新しい視点が出てきている。進んで取り組めるよう社内の知見を高めていくことも必要。

ピーダーセン氏 AIと人権のような課題は、NECにとってマテリアリティ(ESG視点の経営優先テーマ)中のマテリアリティだと思う。日本は動きが遅いので、世界のトレンドをいち早く取り入れるために、先進的でグローバルな研究機関と組むことをお勧めしたい。そうしたパートナーシップが、投資家をはじめとするステークホルダーから、先進的で信頼できる会社と認識されるための秘訣なのではないか。

サステナビリティ推進体制の強化

清水 当社では、Purpose経営の実践にあたり、サステナビリティの取り組みをより一層経営に統合させていくことが重要と認識し、2021年4月に経営企画機能の中にサステナビリティ推進本部を新設した。今回インプットしていただいたことを新本部の活動の指針とさせていただくとともに、社内での議論を深め、従業員はもとより、社外のステークホルダーのみなさまの共感を得られるような社会・環境価値を提供していきたい。