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マテリアリティ全体に関するダイアログ

社会価値の指標化と長期ビジョン策定に向けて

NECは、「2020中期経営計画」に沿って特定したESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」について、非財務目標と指標を設定し、取り組みの進捗を確認しながら、サステナブル経営の改善・推進につなげています。この進捗や社会価値の示し方、2030年以降にNECが目指す姿の策定をテーマに対話を行いました。
有識者のみなさまからは「自社の強みを明確にし、ありたい姿から成長ストーリーを描き、その達成度を示してほしい」「長期ビジョン策定にあたっては、経営者がコミットメントを示し、営業・事業現場を巻き込んだ議論や方向性を共有することで、社員の自主的な行動を促すような仕組みがあるとよい」とのご意見をいただきました。

定量化にこだわらず、ありたい姿に向けた達成度を示してほしい

「2020中期経営計画」の成長領域のテーマである「NEC Safer Cities」について、2020年度海外売上目標2,000億円を目指すと同時に、社会に対して提供できる価値を定量的に示すことに取り組んでいます。

松倉 アルゼンチンのティグレ市に納入した街中監視システムは、自動車の盗難減少で治安が良くなり観光収入も増加した。この事例のように社会価値を高めると、経済価値も高まるというストーリーで、事業全体で目標とする社会価値を定量的に示せるような努力をしていきたい。

黒田氏 社会価値を測る指標の参考例として社会的投資利益率(SROI)というフレームワークがある。しかし社会インパクトの積算方法の根拠となる公開データが少ないなど、SROI値に客観性を付与する社会環境はまだ成熟していない。SROI値のみに注目するのではなく、多様なステークホルダーが一連の評価作業プロセスに参加することの意味を理解することが重要。

荒井氏 投資家の立場としては、必ずしも定量的でなくてもよいが、何らかの達成度は示していただきたい。自社の強みを明確にし、その強みを活かして、ありたい姿に向けてどのように成長につなげていくのかを、長期戦略を持ってストーリーで見せてほしい。

ピーダーセン氏 設定する指標は、経営トップが真剣に議論して、経営上の意思決定に資する経営インテリジェンスとなっていることがポイントだ。
NECは、「社会価値創造型企業」を目指しているのだから、財務・非財務という表現はやめて、”Social Value Indicator”など独自の経営指標をつくってみてはどうか。

長期ビジョン策定にはトップのコミットメント、営業・事業部門を巻き込んだ議論と方向性の共有が必要

NECでは、2030年以降の世界を見据えて、実現すべき未来像と解決すべき社会課題について、検討を進めています。

ピーダーセン氏 世代間をつなぐことを目的に、次代を担う若手社員も巻き込んで長期ビジョンについて検討する、いわば”Innovation Journey”を始めてみることを勧める。 長期ビジョンをつくるにあたって重要なのは、熟成のプロセスだ。営業・事業部門が参画してサステナビリティを議論する場や、事業責任者が統合思考を理解、主体的に動き、会社全体で方向性を共有する仕掛けが必要だと思う。自分たちの活動が企業価値、社会価値向上につながっているという確信が持てると、会社は変わってくる。

荒井氏 サステナビリティに関する方針や目標について、投資家向けではなく社員に向けて浸透活動を行っている企業もある。最終的には、社員が理解しないと会社は変わらないからだ。その前提として、経営者によるコミットメントを示すことが重要だ。
一方で、投資家の視点では、事業別の具体的な目標も示してほしい。会社の本気度を知りたい。

清水 先日実施した気候変動をテーマとした対話で、有識者の方から「気候変動に貢献する好事例はたくさんあるのに、環境の活動指針が会社のビジョンになっていない」とのご指摘をいただいた。
これまでもリスク軽減の観点で、事業部門の環境担当とは密に連携していたが、今後、BU長との対話の機会も設け、ベストプラクティスの発掘など、気候変動対策における機会の視点も経営に織り込んでいきたい。

芦田 当社が「社会価値創造型企業」を標榜してから5年以上たつが、若手社員を中心に当社のこうした方向性に共感している従業員が増えていることを実感している。
彼らと話をすると、実にさまざまなアイデアが出てくるし、何よりも行動力を感じる。これらを事業創出へうまく結びつけていきたい。

松倉 非財務指標の設定については、まず、成長領域の事例をベースに社会価値の創出を示しながら、事業全体の社会への貢献を図りたい。
長期ビジョンについては、トップがコミットメントを示した上で、従業員とその思いや目指す姿を共有し、持続的に社会と自社の発展を目指すサステナブル経営を進めていきたい。