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パンデミック後の世界に求められるサステナビリティ経営

「2020中期経営計画(中計)」の策定とあわせて、当社がマテリアリティを発表したのは2018年1月。昨年、創立120周年を迎えたこと機に、2020年4月には、NECの中長期にありたい姿を、「NEC Way」にあらためて規定しました。
今回のダイアログは、新型コロナウイルスの影響を受け、ビデオ会議システムZOOMを活用し、NEC Wayとマテリアリティで示している当社のサステナビリティ経営の方向性をテーマに意見交換しました。
かつてない非常事態において、ICTの持つ可能性をあらためて実感し、当社への期待の声をいただく一方で、「ICTには無限の可能性があるからこそNECらしい価値創造モデルで事業を行うべき」「今のビジネスの延長で考えるのではなく、SDGsもうまく活用して、2030年といった長期的に目指す姿を示し、バックキャスティングで目標、アウトカムを考えるべき」といったアドバイスもいただきました。

(上段左から)
 一般社団法人NELIS代表理事 ピーター D. ピーダーセン氏、
 一般財団法人CSOネットワーク代表理事 古谷 由紀子氏、
 NPO法人社会的責任投資フォーラム(JSIF)会長 荒井 勝氏

今の延長線上ではない、長期視点の目標を掲げてほしい

飾森 昨年度はNEC Wayの改定とマテリアリティの見直しを進めた。また、価値創造プロセスを統合レポートに示した。今年は、この価値創造プロセスに資本投下の考え方を示すとともに、来年度から始まる中計へのESG視点のさらなる織り込みがチャレンジである。

ピーダーセン氏 中計にESG視点を織り込むことには大賛成だ。その際、考慮すべきは2つあると考えている。
1つは、今回のようなパンデミックを機に、従来の成長モデルに戻るのではなく、“Green Restart ”、つまりサステナブル経済へ加速していくべきだということ。NECには、そのポテンシャルが十分にあり、例えばグリーンな成長の実現といった太い柱を持てるのではないか。
もう1つは、中計3年という期間だけで課題をとらえるのは難しいため、環境の変化も含め長期的視点も入れて、NECが目指す安全・安心・公平・効率を具体的に示してほしいということだ。

古谷氏 パンデミックで、経済活動の大前提に社会・環境があることを再認識した。従来の考えの延長ではない方針を明確に示せるかが重要。

荒井氏 アウトカムとして、NECが何を特定しているのか、どんな姿を目指しているのか。SDGsの17のゴールは、そのほとんどが環境と関わりがある。環境や気候変動の課題を単独でとらえるのではなく、企業として大きなとらえ方をすべきである。
そして今の延長線上ではなく、SDGsもうまく活用して、2030年、2050年に向けてバックキャスティングでストーリーを描き、明確な目標を掲げることが重要だ。

芦田 当社では、事業が3年後、5年後に花開くという時間感覚で中計を立てている。しかし、もう少し長い目で見た社会価値創造ビジョンが必要であることを再認識した。
NECが扱うICTはポテンシャルが大きいゆえに、どのような領域にも適用できるが、我々の存在意義Purposeに照らして取り組むべき注力領域を絞り、10年程の期間で目指すべき姿を考えていく。

清水 環境は、2030年、2050年に向けたビジョンを設定しており、独自の指標でそれに向けた進捗も測っている。
自分たちの大きなビジョンを持ったうえで、プランを立て、メジャーメント(測定する基準)も持つべきだと認識した。

人権の尊重に貢献するICT、AI活用を進めてほしい

古谷氏 NECは、マテリアリティにプライバシーを掲げているが、ネガティブなところに焦点を当て過ぎているように見える。プライバシーへの配慮は、NECのビジネスが大きく貢献できる領域であるので、より前向きにとらえてもよいのではないか。
一方で、想定外のパンデミックが起きると、人権侵害が受容されてしまう恐怖感がある。ポジティブ、ネガティブ両面をバランスよく考えてほしい。

荒井氏 投資家の間でも、データセキュリティやデータガバナンスが重要課題と認識されている。企業間のデータのやりとりが進む中で、データのセキュリティや人権問題をどこまでどのように扱うかを企業間で認識したうえで取り組みを進めないとリスクになる。

NECが存在することで、社会にどう貢献できるか

ピーダーセン氏 NECらしい価値創造モデルをどのように築くのか。このモデルで、NECの事業がどう良くなり、社会がどう良くなるのか。
NECが存在することで、社会にどう貢献できるのかを浮き彫りにさせるような取り組みを、ぜひ進めていただきたい。

松倉 新型コロナウイルスの問題は短期的な問題ではなく、かなり本質的に世界観が変わる。これからは、サステナブルな世界を創る必要があり、NECはそれに貢献できるポテンシャルを持っていると思っている。そして、役員から従業員に至るまで一人ひとりがそこに意識を合わせるべきだし、そのための長期的展望が必要だと思った。まずは2030年をスコープに、何に取り組むべきであるかをバックキャストで考えなければならないとあらためて感じた。
昨年のダイアログで、NEC Wayを骨太の柱とするようにアドバイスをいただき、NEC Wayを改定し、マネジメント層の中でPurposeを軸に据えて進めていこうと決めた。このPurposeを軸に、2030年を見据えた我々の貢献する姿をしっかりと描いていきたい。