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遠鉄システムサービス株式会社 様


大規模仮想マシン群におけるデータ保護のレベルを向上し、
運用コストを低減。遠隔拠点への自動転送による災害対策も実現
- 業種:
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- サービス業
- 業務:
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- 共通業務
- 製品:
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- ソフトウェア/運用管理
- ソリューション・サービス:
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- 基盤技術/サーバ仮想化/デスクトップ仮想化
- クラウド
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課題背景
- 手作業を伴う煩雑なバックアップシステム構成だったため、日次のバックアップができず、RPO(目標復旧時点)が数ヵ月前となるものもあった
- 災害対策として実施していたテープ媒体の別拠点への搬出作業、データ復旧時のテープ取り寄せ作業の運用コストが負担になっていた
- 担当スタッフによる月次バックアップの実作業が深夜にわたっており、改善が必要だった
成果
大規模仮想基盤でRPOを大幅に短縮させ、データ保護のサービスレベルが向上
NetBackupのアクセラレータVADP連携バックアップ機能で、大規模仮想基盤において日次でのバックアップを実現し、RPOを数カ月から1日へと大幅に短縮。要望の多かったファイル単位での復旧も可能に
遠隔へのバックアップ転送を自動運用し、災害対策の実現と搬送などの運用コストを解消
差分データと重複排除によるデータ圧縮により、必要最小限のデータだけを遠隔拠点に転送して二次バックアップするNetBackupのAIR機能で、災害対策運用の自動化と効率化を実現
バックアップの自動運用により、スタッフの深夜勤務がゼロに
バックアップ運用も災害対策運用もNetBackupで完全自動化されたことで月次の深夜作業が一切なくなり、翌朝に運用結果を確認するだけのシンプルな運用を実現
導入ソリューション
遠鉄システムサービス株式会社様の新しいIaaS基盤と、NetBackupによるシンプル&高速なバックアップシステム
事例の詳細
導入前の背景や課題
バックアップに手作業が必要なシステム構成。
月次バックアップの実作業は深夜に及んでいた

オフィスシステム部次長
兼 ネットワーク開発課長
佐野智史 氏
遠鉄システムサービス(以下、ESS)様は、静岡県西部で鉄道・バス・百貨店・ストア・タクシー・不動産・保険・介護事業などを展開する遠鉄グループ各社の、IT部門を担う企業です。遠鉄グループと民間企業、官公庁向けに、ソフト開発や運用サービスなどの事業を展開しています。
同社は2010年に、グループ各社の基幹業務サーバを、VMware®の仮想化技術を用いて統合しています。オフィスシステム部次長 兼 ネットワーク開発課長 佐野智史氏は「システム基盤をサービスとして各社へ提供する、IaaS形態での運用を開始するためでした」と説明します。
当時のシステムにあった40台の仮想マシンのうち9割程度は、Dドライブなどのデータ領域がOS領域とは別のディスクボリュームであるRDM(*1)上に構成されていました。仮想マシンのバックアップは月に1度、グループ企業への影響が少ない日を選び、ネットワーク開発課のメンバー2名が深夜の時間帯に手作業を伴いながら実施していました。
「当時のバックアップは、まず仮想マシンをシャットダウンし、RDMを配置したストレージ装置のボリュームの切り離しやスナップショット作成を操作し、OS領域とデータ領域のバックアップを行っていました。手作業が必要なため、月に1度のタイミングでバックアップできる仮想マシンの台数には限りがありました。そのため、リストアが必要な時に数カ月前のバックアップデータに戻さざるを得ないことが問題となっていました。また、個別のファイル単位の復旧要求にも対応できていませんでした」。ネットワーク開発課 係長 鈴木拓郎氏は当時をこう振り返ります。
「遠鉄グループにはホテル業や旅行業もあり、予約システムなど24時間サービスを提供したいシステムも多いのです。ですから、長時間サービスを停止させなければならないバックアップを頻繁に実施するわけにはいかなかったのです」と佐野氏は説明します。
月に一度、夜間に行っていたバックアップについては、鈴木氏が次のように振り返ります。「夜間の業務は社員に負担がかかりますし、翌日は代休を取得しますから、課に人が少なくなります。その際にイレギュラーな業務が発生すると、対応が難しくなるなどの問題が生じていたのです」
また、同社は遠州鉄道向けハウジングサービス/サーバレンタルサービスにおいてISO20000を認証取得して事業継続の観点からバックアップテープの外部保管運用を実施していました。テープ媒体は月に一度のバックアップのタイミングにあわせて、別拠点の倉庫に搬出して保管し、リストアが必要になった際や定期的な復旧訓練の際には別拠点からテープ媒体を取り寄せるなど、煩雑な作業を伴っていたのです。
- (*1)RDM [Raw Device Mapping]・・・仮想マシンから、ストレージ装置上のLUN(複数の論理ユニットを識別するための番号)への、直接アクセスを実現できる技術。
選択のポイント
アクセラレータVADPによって、仮想マシンのバックアップを高速でシンプルな自動運用にできることが決め手に

オフィスシステム部
ネットワーク開発課 主任
丸一 悟 氏
2014年秋、ESS様は翌年に控えた仮想化基盤のサーバ更新にあたって、バックアップ運用の改善も同時に図るため、ベンダ各社へ提案を依頼しています。その目的は「手作業を伴うバックアップやテープバックアップを廃止し、完全自動化を実現すること」(ネットワーク開発課 主任 丸一悟 氏)でした。IaaS基盤に追加されるシステムや増加するデータは今後5年で100TB程度になると見込まれていました。最大で130TB程度になると見られる仮想マシンの日次バックアップを、鉄道事業における始発電車の時刻(翌朝5時)までに自動で完了できることが、新たなシステム基盤の重要な要件でした。このほか、グループ企業から寄せられるファイル単位でのリストア要求に対応できること、2世代以上のバックアップが可能であることなどが、要件として挙げられました。
NECグループは、バックアップソフトウェアにNetBackupを用い、「アクセラレータVADP(*2)」によるフルバックアップ時間の短縮機能を活用したシステム基盤をESS様に提案。仮想マシンの構成を従来のものから変え、データ領域もOSと同じVMFS領域に格納することで、アクセラレータVADPによる仮想マシン単位の高速なフルバックアップを日次で実施するシンプルな運用が実現できることを説明しました。
また、テープ媒体に代わる事業継続対策としては、NetBackupの「AIR」によるネットワーク越しのバックアップデータ転送を提案しました。これらの提案について丸一氏は「要件に対する機能の網羅性を含め、月に一度の夜間作業を確実に廃止できるという確信が持てました。また、事業継続対策や将来の拡張性についても提案を受け、あらゆる面で優れていると判断しNECに決めました」と話します。
- (*2)VADP・・・VMware社が提供するデータ保護フレームワーク。
導入後の成果
日次のフルバックアップと運用効率の向上が実現し、深夜作業はゼロに

オフィスシステム部
ネットワーク開発課 係長
鈴木 拓郎 氏
ESS様では2015年11月より、新しい仮想化基盤とNetBackupによるバックアップ運用がスタートしています。日次のフルバックアップは完全自動化されており、午前0時すぎに最初のバックアップが起動して、ESS様の目論見どおり早朝5時までに完了しています。また、AIRによるバックアップデータの別拠点への複製を含めても、5時30分には完了しています。
「アクセラレータVADPによって、ほとんどの仮想マシンは1台につき1~5分程度でバックアップが完了しています。当初は“本当にバックアップできているのか?”と思ったほどです。現在、4台程度の仮想マシンを同時にバックアップしていますが、仮想マシンが今後増加しても対応できる余裕があります」と鈴木氏は述べます。
丸一氏は、アクセラレータで使用されているNetBackupの重複排除機能の顕著な効果にも言及します。「例えば資産管理データを扱うサーバなどでは、重複排除率が最大で99.8%もの結果が得られており、19TBのフルバックアップ5世代分が9TB程度に収まっています。バックアップ時間が短いだけでなく、ストレージの効率的な利用にもつながっています」
NetBackupによるバックアップの完全自動化によって、月次の深夜作業を廃止でき、翌日に課の業務生産性が低下する問題も解決されています。「今では、毎朝出社した時点で、バックアップや別拠点へのバックアップデータ転送が正常に完了しているかをメールで確認し、念のためにコンソールでもチェックするだけです。以前と比べてとても楽になっています」と、丸一氏は実感を込めて話します。
ESS様では今後、広域災害などを想定したBCP強化策を視野に入れています。佐野氏は「現在実施している別拠点へのレプリケーションに加えて、クラウド環境あるいは従来と異なる地域へ基幹データを保全することも構想しています」と語ります。
NEC担当者の声
バックアップ運用の諸問題を改善する最適解として、NetBackupとアクセラレータVADPによる新たな仕組みをご提案
今回の仮想化基盤更新と、これに伴うバックアップシステムの改善案件では、私たちはESS様から示された要件を踏まえて、運用面の諸問題を改善できる最適な解を立案しました。結果として、NetBackupとアクセラレータVADPによる、高速なフルバックアップを日次で実施する方法をご提案し、採用されています。
また、「保守期限を意識せず5年間の運用を可能にしたい」という要件も示されていたことから、ソフトウェア・機器・SIを含めて最新のシステム基盤を提供しました。仮想化基盤全般については、サーバ台数が今後増加することを見据え、拡張性を重視してさまざまな案を出したうえで、設計を行っています。
ESS様は、グループ企業向けのITシステムにとどまらず、地域クラウドやリスク管理関連のソリューションなど、静岡県西部エリアの特性を踏まえた幅広い事業を展開されています。これらについても理解を深め、NECグループの製品・サービスをタイムリーにご紹介していきたいと考えています。

セールスエキスパート
當間 英敬

静岡支社
製造流通SIグループ マネージャー
木原 克之

静岡支社
製造流通SIグループ 主任
鈴木 航二
お客様プロフィール
遠鉄システムサービス株式会社
本社所在地 | 静岡県浜松市中区千歳町91番地の1(遠鉄モール街ビル2階) |
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設立 | 1984年9月 |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 154名 (2016年6月1日現在) |
事業内容 |
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電話番号 | 053-452-0708 |
URL | ![]() |
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