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日本通運株式会社様
RPA導入時の課題である膨大なプリンタ設定の作業負荷を劇的に削減し、印刷業務の自動化を実現
- 業種:
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- 運輸・物流
- 業務:
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- ICT管理・運用
- 製品:
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- ソフトウェア/運用管理
- ソリューション・サービス:
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- 働き方改革
事例の概要
課題背景
- RPA導入システムで印刷を実施する業務が多く、ロボット端末へ逐一プリンタドライバをインストールする作業負荷が急激に増大
- 印刷環境に変更があった場合、手動ではなく一斉に変更を配布できる更新の仕組みが必要
- 業務現場でのスムーズな再印刷を実現する仕組みが欲しい
- 印刷が自動化された際、プリンタ上に印刷物がそのまま放置されるリスクを回避したい
成果
プリンタ設定の手間や時間を劇的に削減
全国の拠点に配置された150台を超えるプリンタドライバを仮想化し、ロボット端末の新規追加時のプリンタセットアップ負荷を劇的に削減
プリンタ変更の一斉配信が可能に
ロボット端末に置かれたプリンタネームの変更時など、変更情報の一斉配信・更新が可能に
PDF保存により現場でのスムーズな再印刷を実現
印刷と同時にドキュメントをPDF化して保存し、業務現場で必要な時に再印刷が可能に
印刷物のプリンタ上への放置を防止
印刷ドキュメントを直接PDF化することで、人手を介して出力できるセキュリティ環境を確保
導入ソリューション
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事例の詳細
導入前の背景や課題
日本通運株式会社様(以下、日通様)では、先進的技術への取り組みの一環として、2017年9月からRPA導入の企画検討を開始し、2018年3月にプロジェクトを発足させました。
日通様の作業現場は、その性質上、PCが存在しない現場も多く、紙へ情報を書き加えながら作業を進める必要があり、また、業務上、証憑の保管義務が定められている帳票の紙出力など、印刷が欠かせない業務が少なからずあります。RPA導入が進むにつれ、プリンタ環境をいかに迅速かつスムーズに構築できるかが大きな課題となっていました。
同社では、業務を遂行するRPAを本社で集中的に運用管理しており、どのロボット端末でもRPAが実行できるよう、すべて同一のプリンタ環境を整えておくことが必要でした。そこで大きなネックになったのは、印刷現場の端末へプリンタドライバを逐一インストールしなければならないという課題でした。
「例えば、プリンタドライバの設定にはメンテナンスが必要ですが、RPAは常に業務を実行しているので時間が取れません。どうしたら業務に影響なく、短期間で出力環境を整備できるかが大きな課題でした」と語るのはIT推進部・係長の銀岡良太氏です。
「印刷が必要なRPAは現在179台ですが、それらすべてにドライバを設定する負荷が急増しつつあるのが課題でした。拠点で新たなプリンタを追加したり、プリンタの変更があるたびに再設定が発生し非効率でした」と、IT推進部・課長の井上恵太氏は当時を振り返ります。
そのため、RPAが急増する中で業務現場の印刷環境に変更があった場合、その都度手動で変更するのではなく、一斉に変更を配布できる効率的な更新の仕組みが必要でした。
また、印刷と同時にPDFを生成して保存し、現場での再印刷を可能にしたいという要望もありました。さらに、印刷が人手ではなく自動化された際、プリンタ上へドキュメントが放置されるセキュリティ上の懸念もありました。
これらの課題を解決するために、日通様では新たなシステムの導入を検討し始めました。
選択のポイント
柔軟で手厚いサポートと、長年の実績による信頼性と安心感から選定
日通様は当初、課題を解決するために3社の製品を検討しました。WebSAM PrintCenter V(以下、PCV)を選定したのは、PCVがカスタマイズ性に優れており、柔軟な仕組みづくりができると判断したからです。
システムの安定性も、大きな選定要因の1つでした。既存システムとの親和性が高く、大きな手直しが不要な点も魅力でした。さらに、NECなら難しい課題やニーズにも柔軟かつ的確に対応してくれるという、同社における長年の実績も評価されました。
「長年の付き合いという安心感がありました。IT推進部だけでなく、社内の様々なIT部門に関わっているので、NECと弊社の先輩同士がこれまで築き上げてきた信頼性というのが、とても大きいと感じます」(井上氏)
「PCVをベースに、多くの課題に対応してくれるサポート体制が魅力でした。『ここまでしかできない』というベンダーが多い中、NECは解決策を提案してくれるなど、柔軟に対応していただけるサポート面を高く評価しました」(銀岡氏)
こうして2019年3月にPCVの導入を開始。導入されているプリンタの機種が多岐にわたるため、プリンタの検証作業が大変でしたが、NEC内で動作確認済みのケースも多く、両社間で密接なコミュニケーションを取りながら導入をスムーズに進めました。そして、約3カ月後の5月にPCVの運用をスタートします。
導入後の成果
業務現場に配置されたプリンタの、設定・変更リードタイムを劇的に削減
日通様には印刷実行用の仮想端末が14台、ドライバの必要なプリンタが約150台あるので、ドライバ設定が1台あたり約10分として、従来はのべ約350時間ものリードタイムが必要でした。しかし、PCVの導入後は作業時間が劇的に短縮されました。
「現在、RPA端末が急増しており、同時に現場からの変更や削除の依頼もきますので、その都度発生していたインストールや設定変更の作業負荷が、一気に削減されました」(井上氏)
日通様では、RPAを本社集約型で運用しているため、印刷環境も統合しないと運用管理の調和が取れないという課題もありましたが、PCVの導入で各拠点の業務現場へトータルなシステムサービスが可能になりました。また、従来は現場の印刷状況を把握できませんでしたが、印刷履歴を本社からも参照できます。もしシステムがおかしな動きをすればログに残るので、障害の切り分けにも役立っています。
印刷時に生成されたPDFを活用するのはこれからですが、印刷帳票のバックアップとして保存されています。印刷要求をスプールサーバへ蓄積し人手で出力できる、帳票のプリンタ放置を防止する仕組みも整いました。さらに、日通様は2019年10月に機構改正が行われ、業務現場にある全プリンタの名称が変更されましたが、PCVによって迅速に対応することができました。
「私たちはプリンタの素人ですので、スムーズに運用できるのはNECのおかげです。運用後も変わらないサポート品質が、非常にありがたいと思います」(銀岡氏)
「予想を上回るスピードで業務現場からの印刷設定依頼が来ますが、現場の依頼から導入まで平均1週間以内でできます。多数の依頼があるにもかかわらず延滞しないのは、PCVを導入した大きな成果です」(井上氏)
日通様では、RPAの目標として2021年度末までに、年換算時間で100万時間の削減をめざしています。今後は、さらなるRPA業務拡大に加え、システムの冗長化と、RPA端末の急増で生じるシステム負荷を、どのように回避し、安定稼働を続けるのかをテーマに取り組んでいく考えです。
NEC担当スタッフの声
お客様からのフィードバックが製品をよりよく進化させると実感
日通様では、現在RPAと連携してPCVを導入していただいていますが、あらかじめそのようなシーンを想定してPCVを開発していたわけではありませんので、今回の導入ケースを大変嬉しく感じています。PCVのような製品は、お客様からの要件やニーズを的確にフィードバックしていただくことで、コミュニケーションを密にしながら、進化していくものだと実感しています。
今後も、RPAに関連した業務ばかりでなく、他の一般的な業務でもPCVを使っていただき、お客様のビジネス拡大に、ご協力と貢献ができればと考えております。
RPAによる印刷業務の自動化を実現した先駆的な事例
最近、RPAに取り組まれるお客様が多い中、印刷環境が課題になるという声をよくお聞きします。印刷業務の自動化を検討するにあたり、ドライバ設定など印刷環境構築の作業負荷を軽減するRPA連携の仕組みとしてPCVを展開し始めたころ、日通様からお声がけいただきました。印刷業務の効率化実現のためご支援できればと、積極的に取り組ませていただいた次第です。業界でも常に最新技術に目を向け、業務改革に取り組まれている日通様とご一緒に作業できることは大変光栄なことでした。
印刷やドキュメント領域が大きく変革していく中で、柔軟かつ効果のある最新ソリューションを提供していく所存ですので、今後とも日通様のビジネスを拡大・創出できるようお付き合いを続けさせていただければと考えています。
お客様プロフィール
日本通運株式会社
所在地 本社 | 〒105-8322 東京都港区東新橋1丁目9番3号 |
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創業年 | 1937年 |
資本金 | 701億75百万円(2019年3月末現在) |
売上高 | 2兆1385億100万円(2019年3月末実績) |
従業員数 | 32,280名(2019年3月末現在) |
事業内容 | 自動車輸送、鉄道利用輸送、海上輸送、船舶利用輸送、利用航空輸送、倉庫、旅行、通関、重量品・プラントの輸送・建設、特殊輸送、情報処理・解析などの物流事業全般および関連事業 |
URL | https://www.nittsu.co.jp/ |
この事例の製品・ソリューション
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(2020年3月23日)