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国分グループ本社株式会社様
312年の歴史を持つ国分グループ様が挑む全社規模のデジタルレイバー革命!
“市民開発型RPA"による現場主導の業務改革&ガバナンスの両立を実現
- 業種:
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- 卸売・小売業・飲食店
- 業務:
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- 生産管理
- 製品:
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- ソフトウェア/RPA
- ソリューション・サービス:
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- 働き方改革
事例の概要
課題背景
- 労働人口の減少を見据え価値ある業務へのシフトを加速するため、社内業務のデジタルレイバー*化を推し進めたい
- ガバナンスを担保しつつ、RPAの現場利用を拡大し、全社展開を図りたい
- ”サーバ型RPA”だけでは手の届かない現場主導による業務改革の根を育てたい
成果
サーバ型RPAに加え“市民開発型RPA”により現場主導の改革を拡大
従来利用していたサーバ型RPAに加えて、ユーザ目線に近い個別業務を容易に開発できるユーザライクなNECのRPAを併用。利用拡大に不可欠な“市民開発”を推進し、現場主導による業務改革の裾野を拡大した
複数RPA併用の運用ルールや体制を確立し、「使いやすさ」と「ガバナンス」を実現
複数RPAを併用する際に欠かせないルールや体制を確立。NECのRPAの管理機能を採用し、利用状況を把握。“市民開発型RPA”の強みである「使いやすさ」と「ガバナンス」を両輪で実現し、全社展開を加速した
総工数18万時間の削減を目指す業務改革が加速
RPA活用を中心とした業務改革全体で2025年までにトータル18万時間(100人分の労働時間削減に相当)の工数削減を推進。顧客接点の拡大を始めとした価値ある業務へのシフトに向けた改革が、新たなステージに進んだ
*:デジタルレイバー(仮想知的労働者)とは、「人間の代わりに働くテクノロジー」を指し、RPAはデジタルレイバーの一部です。
導入ソリューション
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事例の詳細
導入前の背景や課題
顧客接点の拡大に向けた業務改革に取り組む
東京・日本橋に本社を構える国分グループ様は、創業312年を誇る食品卸企業です。1万社の仕入先から約60万アイテムもの商品を仕入れ、3万5,000軒を超える得意先と取引しています。
「国分グループは全国7つのエリアカンパニーを拠点に、各地域のお客様に寄り添った地域密着型の商品の発掘・選定と提案を行っています」と同社 執行役員 業務改革推進部長の酒井宏高氏は語ります。
このような体制のもと、同社では価値創造や顧客満足度向上につながる業務改革を経営目標の1つに掲げ、2025年までにデジタルレイバー化でトータル18万時間の工数削減を目指しています。これは5年間で100人分の労働時間削減に相当します。「お客様の真のニーズ、シーズを引き出すためにはフェイス・ツー・フェイスでの営業活動が重要です。そのためにはオフィス内業務を継続的に改善・効率化して、現場に足を運ぶための時間創出が必要だと考えたのです」(酒井氏)。
そうした業務改革の一環として検討されたのがRPAでした。「当社では卸基盤の再構築として、基幹システムの刷新や業務の標準化を進めてきました。しかし中には、ダイナミックな業務改革や全国一律の標準化ではフォローできないものがたくさん残っていました。その解決を図る手段として着目したのが、単純な定型業務を自動化できるRPAだったのです」と、同社 業務改革推進部 副部長の小林健人氏は振り返ります。
RPAがどのような業務に適用できるのか、いち早く適用効果を見極めたいと考えた業務改革推進部はいくつかの製品を検証。まず、主に業務改革推進部で全社横断の業務を自動化する目的で、あるサーバ型RPAを選定。その後、RPAの可能性を実感した国分グループ様は、利用を全社に広げることを決定しました。しかし、ここで大きな壁に突き当たることになりました。
選択のポイント
開発容易性と高い運用性を評価
サーバ型RPAは、大がかりな組織横断型業務を自動化する用途では一定の成果を上げました。しかし、18万時間のデジタルレイバー化という大きなDX戦略の実現のためには、もう一歩踏み込む必要がありました。ユーザ目線に近い個別業務の効率化も必要だったのです。ところが、各エリアで日常的に行われる業務では、なかなかサーバ型RPAの普及が進みませんでした。
「選択と集中という考え方から、当初は全社的な用途も個別の業務用途も同じサーバ型RPAで開発するつもりでした。しかし実際の開発ではプログラミングスキルが必要で、一般的なユーザには非常にハードルが高い。そこで市民開発の裾野を広げるため、誰でも簡単に開発できるNEC Software Robot Solutionを導入することにしました」(小林氏)。
NECのRPA『NEC Software Robot Solution』は、プログラミングスキルがなくても直感的な画面UIで簡単にロボットが作成できるクライアント型RPAです。サーバ型RPAが選定された際、最後まで候補として残っていたNEC Software Robot Solutionは一部の業務で活用されており、大きな成果を上げていました。
あるグループ企業で行われていた業務では、毎週決まった曜日の早朝6時に1人の社員が出社し、特定のお得意先の注文のみを受け付ける業務を行っていました。国分グループ様のシステムは「特売」と「定番」でサインを分けた電子データで自動受注する仕組みでしたが、そのお得意先のシステムは特売と定番のサインを付与できない仕様だったからです。そこで、社員が6時半までに手作業で振り分ける作業を続けていたのです。
「これをNEC Software Robot Solutionで自動化したことで早朝出社の必要がなくなり、働き方改革にも貢献しました。そのほかにも定型的な入力業務の自動化などで地道に活用されており、多くの社員から“ユーザに近い業務をもっとNEC Software Robot Solutionで自動化できないか”という声が上がっていたのです」と酒井氏は語ります。
もちろんクライアント型RPAを採用することに懸念がなかったわけではありません。クライアント型RPAは現場利用が簡単である一方、それぞれが独立して動くため統制が難しいといわれているからです。しかし、NEC Software Robot Solutionなら管理機能により複数クライアントの実行状況を一元的に把握できるため、いわゆる野良ロボットの発生を防止できます。またフローティングライセンス機能により、端末に固定されず利用可能なライセンス数の範囲で柔軟にロボットを利用できます。「こうした運用面・コスト面での優れた特長も全社展開に向けた大きな決め手になりました」と小林氏は話します。
導入後の成果
RPAの併用運用と市民開発で幅広い業務を自動化
国分グループ様では現在、全社横断的な業務をサーバ型RPAで、ユーザ目線で必要とされる現場主導の自動化をNEC Software Robot Solutionで、適材適所の併用運用を行っています。
こうした併用運用と市民開発による利用拡大の取り組みには、数々の苦労とそれを解決するための工夫が存在しました。どの業務をどちらのRPAで行うかのルールづくり、これまでサーバ型RPAにしか存在しなかった運用ルールをNEC Software Robot Solutionに適用するための再構築、ロボット作成者の裾野を広げるための社員教育など、多岐にわたり存在する課題をNECの支援を受けながら克服してきました。
「NECはNEC Software Robot Solutionだけでなく、当社が導入していたサーバ型RPAも、それぞれを自社導入して業務改革を実践しています。また幅広い企業への導入実績も豊富です。そこで培ったノウハウやケーススタディ、併用運用する際のきめ細かな知見が、私たちの課題解決に非常に役立ちました」と小林氏は評価します。
国分グループ様ではこうした支援のもと、デジタル活用を啓蒙するエバンジェリストを育成してきました。現在では、全国7つのエリアで計130人のエバンジェリストがNEC Software Robot Solutionを活用したさまざまな業務の自動化を進めています。
「今後はエバンジェリストを500人に増やしながら、社員一人ひとりに高度なデジタルリテラシーを浸透させていくことが目標です」(小林氏)。
最後に酒井氏も「労働人口はこれからますます減少していきます。そうした厳しい環境下でも国分グループは常にお客様の期待値を超えるビジネスを展開していかなければなりません。そのためにはRPAだけでなく高度なデータ活用や生成AIの導入も必要になります。そうした最先端のソリューションも幅広く手掛けるNECの支援を期待しています」と述べました。
NEC担当スタッフの声
蓄積したノウハウを活かし、お客様の業務改革に伴走
膨大な数の仕入先・お得意先を擁する国分グループ様では、DX化を進める過程で、一律のシステム化では対応できない個々の企業との相対取引を数多く残されていました。こうした個人の頑張りに依存した業務も、可能な限り効率化・自動化し、お客様とのコミュニケーションに当てる時間を創出したい、働き方改革を進めたいという想いから、改めて導入されたのがNEC Software Robot Solutionでした。
業務上の課題には、お客様とNECの間で共通するものが数多くあります。そのためNECは自ら“ゼロ番目のクライアント”として最先端テクノロジーを使って業務改革を行う「クライアントゼロ」を実践しています。今回、国分グループ様が導入されていたサーバ型RPAもNEC Software Robot SolutionもNECは早くから自社導入を行っており、併用運用する際のノウハウやほかのお客様に導入した際のケーススタディを蓄積していました。そうした知見を国分グループ様の新たなRPA運用に活かすことができ、現場に近い業務改革に貢献、伴走できたことを非常に嬉しく思います。
NECはRPAだけでなく「BluStellar(ブルーステラ)」*を活用した幅広いデジタルソリューションを取り揃えており、お客様のDXをエンド・ツー・エンドでご支援できるのが大きな強みです。これからも国分グループ様のDX戦略に寄り添った、付加価値の高い提案を行っていきたいと思います。
*: 「BluStellar(ブルーステラ)」は実績に裏打ちされた業種横断の先進的な知見と長年の開発・運用で研ぎ澄まされたNECの最先端テクノロジーにより、ビジネスモデルの変革を実現し、社会課題とお客様の経営課題を解決に導き、お客様を未来へ導く価値創造モデルです。
https://jpn.nec.com/dx/index.html
お客様プロフィール
国分グループ本社株式会社
所在地 | 東京都中央区日本橋1-1-1 |
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創業年 | 1712年(正徳2年) |
事業内容 | 酒類・食品・関連消費財にわたる卸売業及び流通加工、配送業務、貿易業 ほか |
資本金 | 35億円 |
売上高 | 2,068,417百万円(連結:2023年12月期) |
従業員数 | 5,051名(連結:2023年12月31日現在) |
URL | https://www.kokubu.co.jp/ |
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(2024年12月26日)
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