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倉敷中央病院様

戦略的RPA活用で、院内業務の標準化と効率化を加速
医師・職員など「医療現場の働き方改革」を強力に推進

業種:
  • 医療・ヘルスケア
業務:
  • その他業務
製品:
  • ソフトウェア/RPA
ソリューション・サービス:
  • 働き方改革

事例の概要

課題背景

  • 医療現場の長時間労働を是正するために働き方改革を推進したい
  • 医療システム間の連携が難しく、煩雑な転記作業が必要となっていた
  • 属人化する業務も多く、非効率なプロセスやムダな業務も少なくなかった

成果

患者本位の医療を継続的に行える体制づくりを推進

院内業務の効率化を図ることで、医療現場の働き方改革を推進。患者本位の医療を継続的に行える体制に向け前進している

システム間連携が困難な業務をRPAで自動化

RPAを活用することで医療システム間の転記作業を自動化。ある業務では年間で約960時間を削減した

業務の標準化に向けた現場の意識が向上

業務の棚卸しと標準化を進めてから自動化を考えるアプローチにより、現場が自発的に業務のムダや非効率を見直す活動が広がりつつある

導入ソリューション

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術前評価表の手術部門システムへの転記業務

職員が4時間かけて行っていた作業をRPAが夜間に自動実行する。職員はその分の作業が不要になり、翌朝に結果をチェックするだけで済む。年間に換算すると960時間の業務時間の削減につながる。職員の時間外労働が減り、働き方改革も進んだ

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事例の詳細

導入前の背景や課題

医療を支える医師、看護師の負担を減らす働き方改革を推進

およそ100年の歴史を持つ倉敷中央病院様は、岡山県西部の地域医療を担う中核病院です。基本理念である「患者本位の医療」「全人医療」「高度先進医療」を柱に、救命救急医療や高度急性期医療を実践し、地域住民の健康を支え続けてきました。

近年、少子高齢化や人口減少、厳しい医療財政環境の中で、医療の現場には変革が求められています。いわゆる「医師の2024年問題」はその象徴です。これは過重労働が常態化している医師の労働環境改善に向けた、医師のための働き方改革です。時間外労働の上限規制、連続勤務時間の制限などが義務付けられ、2024年より適用が開始されます。

この2024年問題がクローズアップされる以前から、同院は医師、看護師、職員を含む病院全体で働き方改革に取り組んできました。どうすれば多忙な医師、看護師の業務を減らせるか。そのために実践したのが「タスクシフト」です。

公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院
情報システム部
部長
藤川 敏行 氏

例えば、患者の診断結果は医師でなければ記載できませんが、通院日や手術日など事務的な内容なら医師以外でも入力できます。医師の最終確認が必要な事務書類も下書きなら職員でも対応可能です。またシステム間の連携が難しいケースでは、あるシステムで作成した内容を別のシステムに再入力する作業が発生しますが、再入力だけなら医師や看護師でなくても対応可能です。「こうした作業を職員が行うことで、多忙な医師、看護師の絶対的な業務量の削減を図ったのです」と倉敷中央病院の藤川 敏行氏は説明します。

しかし、業務をそのまま引き継ぐと、今度は受け皿となる職員の業務量が増大してしまいます。「この課題を解消する手段の1つとして、RPAの活用を考えました」と藤川氏は続けます。

選択のポイント

使いやすさ、国産製品ならではのサポートと安心感を評価

同院ではRPA活用を「タスクシフトの最終手段」と位置付けました。まず必要なのは、業務の「棚卸し」と「標準化」であると考えたからです。

「業務の中には形骸化した作業が残っていたり、病棟や診療科でプロセスがバラバラなものも少なくありませんでした」と藤川氏は振り返ります。業務の属人化も大きな課題でした。特定の人に転記や入力を任せた結果、その担当者が休んだり離職したりすると、途端に業務が回らなくなってしまいます。

「こうしたムダや非効率を洗い出し、標準化することが先決だと考えました。その業務が本当に必要なのか精査し、なくせるものはなくす。必要なものもプロセスを見直し、集約や統合によって標準化を図る。そうすれば、どの病棟や診療科でも同じ業務は同じやり方で進められ、属人化を防げます」と藤川氏は語ります。

この標準化を行った上で活用するのがRPAです。「標準化した業務をロボットで自動化することで、人は人にしかできない業務に注力してもらう。これがRPA導入の最大の狙いです。標準化せずにRPAを導入するとロボットの乱立を招き、効果も限定的になる。RPAの活用が目的化するような事態は避けたかったのです」(藤川氏)

こうしたアプローチのもと、同院が選定したのが「NEC Software Robot Solution」です。ノンプログラミングの直観的な操作でロボットを構築できる上、プログラミングスキルを活かした高度な開発も可能です。

公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院
情報システム部
情報システム課
溝上 裕亮 氏

同院では以前からNECの電子カルテシステムを導入しており、技術力やサポート対応を高く評価していました。NEC Software Robot Solutionの活用に関しても、実績に基づくナレッジや知見の提供が期待できます。「実際、開発段階ではマニュアルでは解決できない疑問がいくつかありましたが、問い合わせ対応はレスポンスが速く的確でした」と同院の溝上 裕亮氏は評価します。国産製品のため日本語対応も含め、安心して利用できる点も大きな選定ポイントになりました。

導入後の成果

煩雑な転記作業の自動化で年960時間の業務時間の削減に成功

倉敷中央病院様はITガバナンスを重視し、情報システム部主導による中央集権型でNEC Software Robot Solutionを開発・運用しています。情報システム部が現場の課題をヒアリングし、自動化による効果が高いものについて、ロボットを作成・提供するかたちです。

例えば、あるシステムの入力情報を別のシステムにも転記する作業は、システム間インタフェースを構築できれば、その必要がなくなります。「しかし、医療システムは動作環境の要件が厳しく、他システムとの接続が認められていないことがほとんど。こうした業務はRPAが適しています」と藤川氏は説明します。

文書管理システムで作成した術前評価表を手術部門システムに転記する作業は、その好例です。午後の業務終了後、1日30件程度の情報を翌日までに転記しておく必要性があるのですが、作業は4時間以上かかるため、時間外業務が常態化していました。「この転記作業をロボットで自動化したことにより、1日約4時間の人的作業が不要になり、年間で約960時間の業務時間削減を実現しています」と溝上氏は語ります。

そのほか患者データの自動抽出・保存、患者退院時のサマリ作成補助など既に9つの業務をNEC Software Robot Solutionで自動化しています。1台のロボットで通常1日5、6時間、繁忙期は15時間以上稼働しています。通常の勤務時間を8時間とすると、ロボット1台でおよそ2人分の仕事をこなしている計算です。なお、予備のロボットがもう1台あり、1台だけでは作業が追いつかない場合は2台体制で運用します。

自らの経験を踏まえ、藤川氏はRPA化のポイントを次のように語ります。

「適用領域については、繁閑の差が大きい給与計算、年末調整などの業務が効果を得やすい。通常人員で対応が可能になり、繁忙期の人員確保の必要がなくなるからです」。RPA活用に向け、幅広い院内業務の棚卸しと標準化が進んだことも大きなメリットです。「さらなる標準化に向け、現場の意識も前向きなものに変わりつつあります」と藤川氏は期待を寄せます。

今後は医師や看護師など医療現場の業務も含め、自動化の適用領域を広げ、RPAロボットが24時間365日ムダなく安定稼働できる体制を目指します。適用領域の拡大に向け、RPAの開発・保守を担う専任チームの立ち上げも視野に入れています。

倉敷中央病院様は今後も働き方改革を推進するとともに、その手段の1つとしてRPAを活用。院内業務の効率化を図ることで、患者本位の医療をさらに充実させていく考えです。

NEC担当スタッフの声

NEC
医療ソリューション事業部
主任
神谷 侑樹

ユーザー交流の場をつくりRPA活用支援を強化

倉敷中央病院様は情報システム部主導によるITガバナンスの徹底を図っています。RPAの活用についてもこれを堅持し、まず業務の棚卸しと標準化を行い、中央集権型で導入・活用を推進されたことが成功のポイントだと思います。

業務の棚卸しと標準化は、現場の業務フローを理解し、その中で担当者がどんな課題を抱えているかを知ることが重要です。情報システム部は担当者に寄り添って業務フローを分析し、現場のヒアリングも繰り返し実施しました。RPA化の準備作業として、地道な活動の重要性を再認識しました。

NEC
中国支社
ソリューション推進グループ
主任
飯間 康弘

藤川様、溝上様からはほかの病院や他業界のユースケースを知りたいというご要望をいただいています。さまざまな工夫やノウハウを参考にしたり、作成したシナリオをテンプレート化したりして融通し合うなど、相互流通が活発になることで、RPA活用が大きく加速します。この期待に応えるべく、NECでは医療版ユーザーフォーラムをまもなく立ち上げる予定です。ユーザー企業様同士の交流を促し、活用のヒントが得られる場となるよう努力していきます。

RPAはあくまでツールです。働き方改革や業務の棚卸し・標準化という大きな視点を持って取り組むことが大切です。今回の“学び”をお客様の提案にフィードバックするとともに、お客様に寄り添う活動を強化し、課題解決とより大きな成果の創出に貢献していきたいと思います。

お客様プロフィール

公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院

所在地 岡山県倉敷市美和1丁目1番1号
設立 1923年6月2日
一般病床数 1172床(一般1157床、精神病床5床、第2種感染症10床)
診療科目 総合内科、消化器内科、腫瘍内科、脳神経内科、呼吸器内科、糖尿病内科、腎臓内科、血液内科、内分泌代謝・リウマチ内科、総合診療科、精神科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科・脳卒中科、呼吸器外科、産婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、形成外科、美容外科、皮膚科、放射線診断科、放射線治療科、麻酔科、救急科、集中治療科、リハビリテーション科、緩和ケア科、臨床検査・感染症科、病理診断科、循環器内科、心臓血管外科、遺伝診療部、歯科
職員数 3776人(2021年4月1日現在)
事業内容 「患者本位の医療」「全人医療」「高度先進医療」を基本理念に、地域住民の健康を守る最良の医療の提供に努める。地域での医療エコシステムの構築に向け、救急医療体制のさらなる充実、病院連携のIT化や患者情報の共有化など、地域統合型医療体制のためのプラットフォームづくりも推進している
URL new windowhttps://www.kchnet.or.jp/

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