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神戸市様
収税業務の納付書作成にRPAを適用
職員の負荷を軽減し、付加価値の高い業務時間を創出
- 業種:
-
- 地方公共団体・官庁
- 業務:
-
- その他業務
- 製品:
-
- ソフトウェア/RPA
事例の概要
課題背景
- 量が多く時期が集中しがちな収税業務に関連する納付書作成の効率化と省力化が望まれており、効率化と省力化することで市民サービス向上や付加価値のある質の高い業務時間の創出を狙う
- 労働者人口減少にともなう職員数縮小を見据え、AIやRPA導入による効率化と省力化の可能性を検証
成果
収税業務に必要な納付書作成業務をRPAに置き換え
「NEC Software Robot Solution」の導入により、定型的な納付書作成業務に費やされていた時間を他の重要業務に振り分けることが可能になった
RPAを実際に体験したことで組織全体の興味喚起と理解を促進
収税課のみの取り組みではあったが、税務部他課からも多くの見学者が来るなど、部内のRPAに対する理解が深まるとともに、今後の広範囲な導入や活用に向けたきっかけとなった
導入ソリューション
納付書発行対象者の情報を業務システムに入力し印刷する業務をRPAによって自動化
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事例の詳細
導入前の背景や課題
労働者人口が減少し続ける社会で
行政サービスの水準を維持するために
神戸市様では、市長を中心に「スマートシティ構想」を推進。ICT活用による住民サービスの向上や市職員の労働環境改善、テクノロジー企業による先進的事業への協力・支援なども積極的に行っています。そのような中で新たに取り組んだのが、税務部でのRPA導入です。収税課 収税課長の岩井康洋氏は、その経緯を次のように説明します。
「日本は2040年頃に高齢者人口がピークを迎えます。一方、労働者人口は減少を続けており、神戸市も例外ではありません。将来、職員数が減少しても、サービス水準を落とさないためにはどうすべきか。1つの解決案がRPAの導入であり、今回の導入は収税課がその先鞭をつけた形です。単に収税課だけの話ではなく、神戸市税務行政の未来のために有効性や費用対効果を見極めるという意味がありますから、強い使命感をもって実施しました」(岩井氏)
今回は税務部の中でも収税課での納付書作成という業務がRPA化されました。というのも、この業務は単純作業であるものの、全催告書に同封すると仮定すれば年間で約3万2千通が必要となります。加えて送付時期も7月、12月、年末と時期が集中しており、担当職員はこの時期に極端に業務量が増え、他の業務にもしわ寄せがいく状況でした。
「まずはRPA導入のファーストステップとして、納付書作成業務を自動化できれば、職員は定型業務とは異なる仕事に時間を割くことができると考えました」と岩井氏は振り返ります。
選択のポイント
職員が容易に操作できる日本語対応と
国内企業ならではの手厚いサポート
今回の導入では、収税課の納付書作成という限定された業務がRPAの対象ですが、将来的には税務部、さらに神戸市全体の業務効率化も見据えていました。数多くのRPA製品がある中で、選定時に重視したのが「日本語への対応とサポート体制」だったと、収税課 収税係長の山本健一氏は明かします。
「RPA製品は海外製品も多い中、『NEC Software Robot Solution』は国産製品ということで日本語への対応がしっかりとされています。RPAの価値を最大限に発揮するには、現場の職員がシナリオ作りからできることが求められます。プログラミングに不慣れな職員でも感覚的に操作できることも重要で、ノンプログラミングでの作成はもちろんのこと、フローチャートすら不要で誰もが簡単にできるユーザーインタフェースも魅力でした」(山本氏)
サポート体制についても、国内企業ならではの手厚さが評価ポイントだったと言います。提案時や打ち合わせだけでなく、プロジェクト当初から担当SEが現場に赴いて職員の操作を見学するなど、RPAのシナリオ作りのための調査を行いました。計画からカットオーバーまで短期間での導入でしたが、業務システムの専門知識をもつSEが担当したこともあり、迅速な業務分析とシナリオ化が実現しました。
導入後の成果
非定型業務に充てる時間を創出
効率化の本丸は膨大な作業量の課税業務
今回の導入結果は、期待どおりの効果が得られました。500件分の納付書の作成に約4時間23分費やしていたものが、RPAなら職員の作業時間は最初に納付書発行対象者のデータを準備するための10分で済み、残りの約4時間13分(=RPAが処理を行う時間)を他の業務に充てられます。実際の作成数はもっと多いため、より多くの業務時間創出が期待できます。この結果を次のように評価します。
「職員からは、他の仕事をする時間が確保できるようになったと好評です。収税業務には職員にしかできない業務があり、それに集中できる環境を作るためにもRPAは有効です」(岩井氏)
正確性についても、RPAによる処理上のミスはゼロで、安心して手作業から置き換えられることが検証できました。また、シナリオを作成する過程で作業工程の洗い出しと整理を行ったことが、業務プロセスの可視化と効率化にもつながりました。ただし、実際のシナリオ作りでは工夫も必要だったと説明します。
「職員による確認が必要な場面をスキップして動作を止めずに次の処理をするようシナリオを作成しました。その際、『職員による確認が必要な場面』を事前に想定しなければならないのですが、業務システムで出力するメッセージを認識したうえで条件ごとに分岐する処理を作るのにはコツが必要でした。例えば、“コンビニで使える納付書は上限金額が30万円までと決まっているため、それ以上の額は対象外にする”“口座振替の方、住所変更の可能性がある方も対象外にする”といった状況です。処理中に納付済となった方がいて止まったり、安全性を考慮して処理速度を緩めに設定していたので、もう少し早く処理ができる余地があったりと、動かしてみて初めて把握できたものもありました」(山本氏)
トライ&エラーが重要になるため、現場の職員がシナリオを作成できる操作性はやはり重要となります。
今回の導入を経て、今後どのようにRPAの活用を広げていくのか。岩井氏は、収税課そして税務部での展望を次のように語ります。
「税務部全体で考えると課税業務はボリュームも多く膨大な定型業務が発生しています。そこで導入できれば非常に大きな効果や業務時間の創出が期待できるのではないでしょうか」(岩井氏)
収税課の取り組みは、他課からの注目度も高く、実際に処理する様子を多くの幹部や職員が見学に来ました。それにより、部内でのRPAに対する理解が進んだと言います。岩井氏も「見学者も、RPAの動作画面を実際に見ることで、省力化できるということに実感を持てたようです。費用対効果の面でも納得できるものであり、まずは身近な業務からRPA化してみることがRPA導入には重要」とメッセージを送りました。
NEC担当者の声
日本語で組めるRPA+NECの総合力で
“使えるRPA”の展開をサポートしていきます
神戸市様では、ICTを積極的に活用し「スマート自治体」への転換を図られています。RPAの導入にも積極的で、今回は収税課様に手を挙げていただきました。時期的に作業ピークが発生する市税納付書の再出力を担う業務でしたので、構築・展開のスピードが要求されました。わずか2か月での構築でしたが、連携する業務システムに詳しいSEが現場の皆様と協議しながら、RPAに適切な作業を洗い出し、効果をあげられたことにほっとしています。神戸市様にシナリオ策定のノウハウを蓄積いただいたことで、次の段階では現場職員様によるシナリオ作成も現実的に見えてきました。今後は、収税課様での税務全般でのRPA活用など、スマート自治体を目指した神戸市様のさらなる取り組みをサポートさせていただければと思います。
ロボットに適した業務と人の作業を切り分けることで
効率的な業務プロセスの見直しにつながりました
RPAを成功させるには、まず現場の業務をつぶさに洗い出すことが重要です。ヒアリングの段階でも収税課の皆様からは熱心に業務の現状を教えていただくことができました。その結果、ロボットに適した業務、人の作業をバランスよく適切に切り分けることができたと思います。また、人の確認が必要な項目をシナリオに落とし込むのは、ケースバイケースの部分が多く苦労した点です。想定だけでは分からない部分もありましたので、問題があった場合に即対応をしながら、収税課の皆様と二人三脚で進めることができました。今後は、職員の皆様が簡単にシナリオを作成するためのお手伝いもできればと思います。
お客様プロフィール
神戸市
市役所所在地 | 兵庫県神戸市中央区加納町6-5-1 |
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人口 | 1,521,297人 |
世帯数 | 722,442世帯 |
概要 | 1868年の開港以来、多様な外国文化を取り入れることで発展してきた世界有数の港町の神戸市。異国情緒あふれるファッショナブルな街として知られ、観光地としての人気も高い。1995年の阪神・淡路大震災では甚大な被害を受けたが、市民が一体となり復興を遂げた。近年、「スマート自治体」への転換をめざして職員の業務環境を整備するほか、市民・事業者と共同で多くの実証実験を実施している。オープンデータの蓄積・公開の推進などICT活用に積極的に取り組んでいる。 |
URL | https://www.city.kobe.lg.jp/ |
この事例の製品・ソリューション
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(2020年3月23日)
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