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鹿児島市様


Microsoft 365 E3をベースに全庁のコミュニケーション基盤を刷新
自治体特性に即した創意工夫で職員の新しい働き方を実現
- 業種:
-
- 地方公共団体・官庁
- 業務:
-
- ICT管理・運用
- 製品:
-
- ソフトウェア/コラボレーション
- ソフトウェア/セキュリティ
- ネットワーク/LAN/WAN
- ソリューション・サービス:
-
- クラウド
- 働き方改革
- ネットワーク/コミュニケーション
事例の概要
課題背景
- 全庁職員のコミュニケーションを刷新し、新しい働き方を実現したい
- クラウドサービスをセキュアに利用できる環境を導入したい
- 業務の改善サイクルを確立し、職員の習熟度向上と組織への定着を図りたい
成果
全庁でセキュアなコミュニケーション基盤を整備
クラウドサービスのMicrosoft 365 E3を導入。自治体特性に即したセキュリティ対策や組織階層に合わせたアドレス帳機能を付加するといった工夫により、全職員約4,000人がセキュアかつ効率的に組織横断的なコミュニケーションができるようになった
付加価値機能で独自の業務運用も実現
Microsoft 365 E3の標準機能では実現が困難だった日程調整依頼の受付・管理業務を、既存の運用に即した付加価値機能として構築。業務担当者の負担を大幅に軽減した
ログ解析による改善サイクル確立を目指す
新たなコミュニケーション基盤の導入が職員の働き方にどのような効果をもたらしているかをログ収集し、分析。継続的な改善点を可視化し、働き方改革をさらに進化させていく
導入ソリューション


閉域であるLGWAN接続系セグメントに配置する端末から、ローカルブレイクアウトによって特定のクラウドサービスのみに限定して接続する環境を整備し、強固なセキュリティを確保。同時に、BYODとしてスマートフォンやタブレットからスケジュールなどを確認できる環境を用意し、職員の多様な働き方を推進する
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事例の詳細
導入前の背景や課題
組織横断のコミュニケーション基盤が必要に
雄大な桜島と波静かな錦江湾に代表される多彩な自然、世界に誇れる魅力ある歴史・文化など豊かな地域資源に恵まれた鹿児島市。同市は商業・交通など多様な都市機能が集積する南九州の中枢中核都市として着実な発展を遂げてきました。
一方、社会の変化や少子高齢化、ICTの飛躍的な発展、災害リスクの高まりなど、住民の暮らしを取り巻く環境は大きく変化しています。この流れのなか、鹿児島市は2022年、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画(第五次鹿児島市地域情報化計画)」を策定。「もっと便利な市民サービスの提供」「地域におけるデジタル化の推進」「ICTリテラシー向上の推進」と並ぶ基本方針の1つに「デジタル化による職員の働き方改革」を掲げました。その狙いを鹿児島市 総務局 DX推進部 情報システム課 係長の小西剛氏は次のように説明します。
「人口減少に伴い、市の職員数も年々減少傾向にあります。しかし、新型コロナウイルス感染症や自然災害での緊急対応、新たなサービスの導入などで業務量は増える一方となっています。職員のマンパワーが限界に近づいているため、さらなる生産性向上を実現する業務のDX化が急務となっていました。そこで紙資料や電話をベースとした非効率なアナログ業務を減らし、多様な働き方に対応した職場環境を構築することで、空いた時間を市民サービスの向上に役立てたいと考えたのです」
その手段の1つとして考えられた対策がコミュニケーション基盤の刷新です。
「組織としての業務効率化には情報共有が欠かせません。近年は複雑化する各種課題に対して組織横断のワーキンググループによる仕事が増えています。メールや対面での打ち合わせを中心とした既存の働き方から、組織をまたいだコラボレーションを効率化する新たな環境が必要でした」と同市 情報システム課 主事の小段康平氏は話します。

係長
小西 剛氏
選択のポイント
職員の習熟度向上や利活用定着に向けた施策を評価
DX推進部では新しい環境の実現にあたり、「コミュニケーションの活性化による新たな働き方の実現」「自治体特有のセキュリティの確保」「職員の確実な習熟と利活用の定着」という3つのポイントを重視。公募型プロポーザルにより複数ベンダの中からNECをパートナーに選定し、職員間の情報共有やコラボレーションを促進できるMicrosoft 365 E3を導入しました。
「Microsoft 365 E3はクラウドサービスなので、自治体において利用するためにはセキュリティ対策が欠かせません。その点、NECからは閉域であるLGWAN接続系セグメントからのクラウド利用に際し、ローカルブレイクアウトやクラウドプロキシなど実績に基づくセキュリティ対策の提案があり、安心して任せられると判断しました」と語るのは同市 情報システム課(当時) 主査の濱田龍氏です。
またNECは自社の運用事例や豊富なノウハウを基に、Microsoft 365の標準機能を活用したポータル作成や既存グループウェアからのデータ移行など、運用にかかわる数々の負担軽減策も提案。「利活用の定着に向けた施策を真剣に考えてくれるなど、運用開始後も自治体DX推進を実現するパートナーとなろうとする熱意を感じました」と濱田氏は振り返ります。
庁内への浸透を図る工夫として評価されているのが、NEC製のアドオンツールK-AddressBookの適用です。これは階層が深い自治体組織に合わせた階層型アドレス帳機能で、Microsoft 365の標準機能では対応が難しい組織・グループ単位での連絡先表示を実現。使い慣れた既存機能を踏襲することで、スムーズな移行に寄与しました。
鹿児島市とNECは2023年6月から導入プロジェクトに着手。全庁職員の新しいコミュニケーションのあり方や既存グループウェアからのスムーズな移行、各部署の現場運用を擦り合わせ、約6カ月後の12月からMicrosoft 365の本格稼働を開始しました。

(現所属:交通局 総務課)
主査
濱田 龍氏
導入後の成果
職員間コミュニケーション、組織内コラボレーション活性化。既存の運用も継承
Microsoft 365の導入で、さまざまな効果が出始めています。
「TeamsでWeb会議ができるようになったので、桜島など遠方にある各支所から本庁に出向く必要がなくなり移動時間が減りました。また、以前は庁内の連絡や相談は主に内線電話を利用していましたが、それにチャットが加わったことで相手の仕事を中断したり取り次ぎの手間をかけたりすることなくスムーズにコミュニケーションできるようになった点も助かります」と小段氏は語ります。
さらに、市長を中心に幹部間でもタブレット端末を使ったペーパーレス会議が定着しつつあり、紙資料の準備や修正にかかる手間と工数が削減。議事録などの共有も容易になりました。多様な働き方にも対応し、職員は自宅や外出先からでもBYODでメールやスケジュールをセキュアに閲覧することが可能となっています。

主事
小段 康平氏
Microsoft 365の導入に合わせ、効率化につながる業務の見直しも図られました。
「例として、電話で日程調整の依頼を受けてスケジュールを紙管理するといった業務がありました。電話応対を行う時間はもちろん、聞き取った内容を書き起こしたり、変更があった際にはそれを修正したり、一連の作業負荷が高い状態にありました。そこでNECに相談したところ、SharePointで依頼者が日程調整の申請を行い、それが自動的に依頼先組織のTeamsチームへ通知されるとともに、同じくチームのPlannerに依頼情報が集約される付加価値機能を提案・構築してくれました。これにより電話での依頼が大幅に減り、業務負担が軽減されました」と同市 情報システム課 DX推進サポーターの長瀨史明氏は話します。
「NECは“入れて終わり”ではなく本稼働後も相談や新たな提案など丁寧に対応していただいています。現在、導入効果や改善点をログ収集・分析によって可視化する取り組みを進めており、今後は業務効率化で生み出された時間を市民サービスや事業計画の策定などに生かしていきたいと思います」と語る小段氏。今回整備したコミュニケーション基盤は、今後の鹿児島市の働き方改革と行政サービスの向上を、将来にわたって支える基盤となることでしょう。

DX推進サポーター
長瀨 史明氏

NEC担当スタッフの声
クラウドサービスに付加価値を付け、導入効果を最大化
クラウドサービス導入の黎明期にある自治体において、鹿児島市様という大規模な自治体が「Microsoft 365 E3」を全庁導入されたことは非常に先進的な事例だと思います。自治体ではクラウドサービスの全庁的な活用に踏み切れていないケースが多く、「本当に全庁導入できるのか」「セキュリティは大丈夫か」という懸念をお持ちです。提案した最初は鹿児島市様も同様の心配をされていましたが、NEC自身がMicrosoft 365ユーザとしてグループ全体で11万人が利用している実績、その運用で培った知見や活用ノウハウ、自治体にとって必要十分なセキュリティ対策を丁寧に説明し、ご納得いただけました。
クラウドサービスの標準機能だけでは、長年行ってきた自治体ならではの業務運用を継承できない部分があることも確かです。一方で、アドオンツールや各種機能を組み合わせることで、その多くを解決することができます。こうして鹿児島市様の業務効率化とスムーズな運用をご支援できたことも、当社のノウハウを存分に発揮できた成果だと考えています。既存のグループウェアから、一斉にMicrosoft 365へ切り替えたこともポイントです。これまでの運用や要件で残したいことを事前に整理しつつ、一気に全庁で変えたため、職員が新しい働き方にスイッチする契機となり、結果的にスムーズに移行できたと考えています。
鹿児島市様の事例は今後、ほかの自治体様が庁内DXや新たな働き方を検討する際、非常に大きなモデルケースになるでしょう。そのためにも引き続き、ログによる効果測定や改善サイクルを確立させ、鹿児島市様をはじめ多くのお客様の自治体DXに貢献していきたいと思います。

社会公共インテグレーション統括部
インフラグループ
主任
髙田 健
お客様プロフィール
鹿児島市
市役所所在地 | 鹿児島県鹿児島市山下町11番1号 |
---|---|
人口 | 584,649人(令和6年5月1日現在) |
概要 | 雄大な桜島と波静かな錦江湾に代表される多彩な自然、世界に誇りうる魅力ある歴史・文化など豊かな地域資源に恵まれ、商業・交通などの多様な都市機能が集積する南九州の中枢中核都市。「つながる人・まち 彩りあふれる 躍動都市・かごしま」の実現に向けたさまざまな事業に取り組んでいる。 |
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(2024年7月12日)
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