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最先端技術を社会実装に繋げる立役者
「リサーチエンジニア」

2022年7月21日

変化が激しく、先行きがますます不透明になる現代。企業における研究開発では、これまで以上にスピードが求められています。せっかく時間をかけて開発した技術であっても、事業化したときには時代遅れになってしまう――。そんなリスクを多くの企業が抱えるなか、世界ではMVP(Minimum Viable Product)をつくってお客さまの潜在ニーズを探索し、改善を繰り返しながら価値があるものに仕立てていくという研究スタイルが主流になろうとしています。この大転換のなかで、NECが重要視し、積極的に採用を進めている人財が「リサーチエンジニア」です。リサーチエンジニアとは、いったいどのような仕事なのか。詳しくご紹介します。

【リサーチエンジニアの仕事とは】

研究とビジネスを横断し、社会実装を加速させる

リサーチエンジニアの仕事は、自分たちの成し遂げたいことと社会が求めることとの共通点を見出し研究の方向性を指南すること、そして研究者が生み出したアイデアをお客様にとって価値あるものに具現化することです。社会の変化に関心を持って研究すべきテーマを提言すること、コード化して動くものを作ること、LoFi/HiFi* MVPによりお客さまの潜在ニーズを探索しながらアルゴリズムを改良すること、機能・品質の向上を図ること、他の技術と組み合わせてさらなる価値の向上を実現することなど、さまざまな業務を担います。要素技術の深い理解はもちろん、価値起点での機能/非機能要件や品質への理解など、研究とビジネス双方への習熟が求められる職種です。

例えばAIの分析技術の実装を考えてみましょう。基盤研究段階の技術は、非常に高性能な実行環境のもとで、研究の世界で流通する標準データセットを対象にしたときにのみ高い精度を確認できたものであることがほとんどです。しかし、製品化段階では、お客さまが実際に利用するような一般的な実行環境下で高い精度を実現することが求められます。さらには、お客さまの課題や潜在ニーズを掘り下げ、実用的なデータ量での動作、業務時間内での分析の完了、長期間にわたる連続運用などの諸要件も実現しなくてはなりません。

そのため、基盤研究段階の技術のままではお客様が求める要件を実現できないケースも多々生じます。そこで、リサーチエンジニアは基盤研究を応用研究段階へと引き上げ、お客さまとの検証を通じて問題を解決していきます。研究成果である独自のアルゴリズムを維持しながら、内部処理を並列分散処理方式に変更したり、全てメモリ上で処理を行っている部分を外部データベースアクセス処理に変えたり、あるいは、一部の処理を近似処理に変更したりすることで実行時間や拡張性を改善し、お客様の環境においても確実に高い分析精度が出せるようなシステムを構築していきます。こうしたリサーチエンジニアの成果が、製品実装の際のベース技術となるのです。

また、リサーチエンジニアは、NEC内で「テクノロジーデザイン」と呼ぶ業務も担うことがあります。テクノロジーデザインとは、お客さまにとってより大きな価値を生み出すために、一つの研究成果だけでなく複数の研究成果やオープンソースなどの適切な技術を目利きして、一つのMVPにまとめあげる仕事です。お客様の課題を業務スコープ全体の観点から、より投資対効果が高い方法で解決していくためには、一つのコア技術のみを実装する一点突破的な技術提供では非効率的です。必要な関連技術を組み合わせて価値を最大化するという視点が重要になります。

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    Lo-Fi MVP(Minimum Viable Product):顧客課題の理解のために、スピード重視で簡易に検証するためのもの(ペーパープロト、ストーリーテリングなど)。
    Hi-Fi MVP(Minimum Viable Product):事業性や実現性を顧客検証するために、最低限の機能を備えた実際に挙動するもの。

【リサーチエンジニアのキャリアとは】

業界の第一人者となるような唯一無二の存在をめざせる

リサーチエンジニアのキャリアには、さまざまな選択肢があります。まずは、ある研究技術領域での専門性を高めて、リサーチエンジニアのスペシャリストとして活躍する道です。常に最先端の技術やエンジニアリング手法を学び、プログラム規模が大きい技術や非常に難解なアルゴリズムのスピーディな実装を実現できる専門家へ。さらにはそれらの活動を通じた論文投稿など、応用研究を牽引する役割を担います。

あるいは、プロダクトマネージャーという道もあります。技術の製品化後も常に技術を更新してプロダクトを成長させていく役割です。これには、技術の動向を深く理解する一方で、ビジネスやプロダクトに求められる要件もしっかりと理解することが必要となるでしょう。お客さまとともにニーズ探索を継続して、コストも考慮しながら、何を研究・開発すべきかを適宜判断していく――。事業部門に移管後のプロダクト成長にも大きな影響を及ぼす人財をめざすことができます。

さらに、もう一歩事業側に踏み込む道もあります。越境人材という言葉があるように、ビジネスの知見・経験を増やしてビジネス・デベロッパーの役割を担い、最終的にそのプロダクトがコアとなった事業の責任者を目指すキャリアです。NEC社内だけでなく、dotDataの事例のように自らが事業責任者としてスピンアウトできる可能性もあるでしょう。

いずれのキャリアパスにおいても、「この技術についてはこの人に聞け!」、あるいは「この事業についてこの人に聞け!」というような貴重な存在となっていくはずです。

リサーチエンジニアにおいて重要なことは、「まずはやってみよう」という気持ちです。新しい技術を使って新しい価値を生み出そうとすれば、どうしてもたくさんの壁にぶつかります。しかし、その壁を前にただ立ち尽くしているだけでは乗り越えることはできません。トーマス・エジソンは、「成功できる人というのは、『思い通りに行かない事が起きるのはあたりまえ』という前提を持って挑戦している」という言葉を残していますが、そのような心構えで困難を成長の糧にできる人が、現在NECでは多数活躍しています。NECのリサーチエンジニアは、意欲ある研究者・エンジニアにとって、自由に挑戦を楽しむことができるフィールドです。

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