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Windowsタブレットで実現する学校ICTのシンクライアント環境
鹿角市教育委員会様

Windowsタブレットを活用した学び合いで、
授業の密度が上がり、児童の学習意欲も向上。
鹿角(かづの)市教育員会は「情報機器の整備・拡充によるICT教育の推進と校務支援」施策を推進しています。小学校のPCをシンクライアント化、中学校にはWindowsタブレット「VersaPro タイプVZ」174台をシンクライアント環境で導入。地域イントラネットを活用し、教育基盤を鹿角市データセンターに集約して、効率的で使いやすいICT教育環境を整備しています。
今回導入機種:VersaPro タイプVZ<2013年10月発表商品>
シンクライアント環境で教育基盤を整備し、校務システムも含めてデータセンターに集約
鹿角市での教育環境のICT化は、平成25~26年度に大きく前進しました。まず25年度に市内の小学校9校のPCをシンクライアント※1方式に。26年度からは、中学校5校にサーバとWindowsタブレットを配備(NEC VersaPro タイプVZ 総数174台)、シンクライアント環境で活用しています。これらは、鹿角市データセンターの管理サーバに繋がり、学校での授業システムおよび校務システムをサポートしています。

学事指導管理監
石井 和光 様
導入のねらいについて、鹿角市教育委員会 学事指導管理監 石井和光様は、次のように語ります。
「ICT教育の推進は文部科学省の方針でもあり、2020年までに生徒1人に1台の情報端末をという目標もあります。当市としても早くこの目標に近づけたいと考えており、教育委員会は、その予算化から現場ニーズの把握、教員研修まで様々な活動をしています。鹿角市の強みは、平成18年度からブロードバンド(FTTH)による地域イントラネット※2を整備してきたことです。このインフラを活用することで、学校での授業システムおよび校務システムの管理運用を鹿角市データセンターに集約できました。」

学事指導班 主任
佐藤 行敏 様
シンクライアント方式の採用について、学事指導班 主任の佐藤行敏様は次のように語ります。
「一般的なPCの場合はアプリやデータを端末に保存しますが、シンクライアント型は保存されないので、品質の統一性、安全性も確保でき、万一の故障時も代替機を繋ぐだけで管理サーバからシステムがローディング※3されすぐに使えるなど運用面の利便性、コストの優位性もあります。アプリケーションのアップデートやウイルスパターンのファイル更新などが一括で容易に行えます。このようなことから、高速のイントラを活用できる鹿角市の学校現場には、シンクライアント方式が最適だと判断しました。」
また、クライアントPCにWindowsタブレットを選択したのは「生徒が使い慣れているOfficeソフトをそのまま使用できること、コンピュータ室以外にも持ち出せることから決めました。」と理由を述べました。

- ※1シンクライアント
PC情報システムにおいて、システムの利用者が使うコンピュータ(クライアントPC)に必要最小限の機能しか持たせず、サーバ側で集中的にソフトウェアや業務用データなどの資源を管理する方式。また、そのようなシステムに用いられる、機能を絞った低価格の専用コンピュータのこと。 - ※2地域イントラネット
地域の教育、行政、福祉、医療、防災など行政サービスの高度化・効率化を図るため、学校、図書館、公民館、市役所などの公共施設を接続するインターネット標準技術を活用して構築した高速ネットワークのこと。 - ※3ローディング
基本的に読み込み中と言う意味。シンクライアントにおいて、管理サーバからクライアントPCにソフトウェアや業務用データなどを読み込ませること。
新たな使い方や可能性は、生徒たちのニーズから生まれる

情報教育担当
浅水 英夫 教諭
八幡平中学校で情報教育を担当されている浅水英夫先生は次のように語ります。
「八幡平中学校の校舎は平成24年に竣工し、バリアフリーとユニバーサルデザインに配慮されたモダンな施設です。コンピュータ室にはこれまでのPCに代わり、Windowsタブレットとサーバ、短焦点プロジェクターおよび校内LANが配備されました。
導入したての先月のことですが、生徒たちが『八幡平ボランティアガイド』の準備に、Windowsタブレットを活用しました。八幡平国立公園の観光シーズンを迎え、中学生にもできる地域貢献として毎年行われているのですが、今年は事前の学習やガイド練習にWindowsタブレットを活用し、グループでその情報を共有していました。
生徒たちは使い方をすぐに覚え、 『学校外に持ち出してもネットに繋がるようにして欲しい』 とか『動画機能がもっと高度だといいのに』とか『校内のどこからでもPC教室のプリンターに出力できて便利』といった率直な感想をどんどんぶつけて来ます。こうしたニーズに耳を傾けることで、新しい授業、新しい学び方の可能性が広がるように思います。」


コンピュータ室から持ち出して活用するために、Windowsタブレットを採用
八幡平中学校では3年生の体育の授業でWindowsタブレットを活用するようになりました。体育館でグループごとに分かれた生徒たちが、鉄棒、跳び箱、マットなどを使って自発的に器械体操し、時折、生徒たちが中央のデスクに置かれたWindowsタブレットを取りに来ます。そしてビデオ機能を使って仲間たちの動きを撮影。
その再生画像を見ながらアドバイスしたり、自分の画像を見て動きを確認。時には別の片隅に置かれているノートPCにストックされた模範動作の映像ファイルも参照します。モニターを見た一人の生徒は、その日初めて鉄棒の「逆上がり」ができたと喜んでいました。
体育科教諭の渋谷 実先生は、こうした活用方法について次のように語ります。「自分の動作を客観的にみることで、良い点、悪い点を把握でき、また他の生徒と自分の動きを比較することで気づくことが多いのです。」



大画面で見ながら撮影できるので、生徒が手軽に行えます。

教育委員会の佐藤様は、今後の抱負を次のように語ります。
「ハード面の整備がひと息ついたので、次は現場で使っている先生方からの声を重視して、ソフト面を充実させたいと思っています。様々な授業で使える教育用のソフトや先生たちの校務をサポートするシステムです。また、先生向けの研修として、夏休みに『情報処理教育委員会』という講習会を開催しています。これらがうまく連携しあって、今までにない教育環境、学習体験ができるようになって欲しいと思っています。それには教育関係者だけでなく、NECなどICTの専門家が同じ目線で協力していただけるとありがたいと思います。」
そう言って、これからのICT教育の可能性に期待していました。
シンクライアント環境 運用イメージ

市内の全小中学校のICT教育環境が同一の品質で管理できるため、煩雑さがなく各学校への対応が効率よく行えます。万一端末が故障した場合は、代替機をネットワークにつなぐだけで管理サーバからシステムがローディングされすぐに使えるなど、運用面でも大きな利便性があります。
学校ICTに活用する主な商品
お客様プロフィール
鹿角市教育委員会 様

平成26年度の鹿角市教育方針で教育目標を「心豊かで たくましく 郷土を愛し その発展に尽くす市民を育む教育を進める」と定めました。学校教育においては「一人一人の能力を伸ばし、心豊かで自主・自立の態度を身に付けた幼児・児童・生徒を育み、個性を生かすことのできる学校教育の充実を図る。」ことに取り組んでいます。
鹿角市立八幡平中学校 様

昭和22年開校の同校は学校教育目標を「主体的に学び行動し,未来を拓く生徒の育成」 としています。地域社会と強い結びつき、さらに強固に発展させるため、安全・安心な学校づくりを進め、生徒一人一人の「学力・気力・体力」の向上を目指して、様々な活動に取り組んでいます。
(2014年10月24日)
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