サイト内の現在位置

前職での経験・知見を活かし、NECで新規事業開発のプロを目指す!

インクルージョン&ダイバーシティを推進する取り組みの1つとして、異なる複数の経験軸を“掛け算”してキャリアを磨き、イノベーションを起こしている社員をご紹介します。
NECグローバルイノベーションユニットコーポレート事業開発部門の相田亮さんに、現在のキャリアに至った経緯についてインタビューを実施しました。

  • インタビュー取材:2022年8月実施(所属は取材時点の情報です)

How do you create your career?

――現在どのようなお仕事をされていますか?
相田:新規事業開発に携わっており、現在のテーマはAIを軸にオフィスワークの効率化や新たな価値を提供するサービスです。プロジェクトの推進リーダーとして、AIを活用できる領域を検討するところから、ビジネスモデルの検討、お客さまへコンセプト提案などを行ってきました。今後、システムを開発し、販売に繋げていく予定で、プロジェクトの最初から最後まで全てに携わるイメージです。
日本企業は技術力を強みに成長してきましたが、実はその強みを活かした新規事業を生み出せていないと感じています。どうすれば大企業で技術力を活かした新規事業を生み出せるか、ということは昔から私の中でこだわりのあるテーマでした。現在のプロジェクトはそのテーマに正面から取り組むことができ、とても面白いです。

相田亮(NECグローバルイノベーションユニット)

――新規事業開発にこだわりをもつようになったきっかけはなんですか?
相田:私は2021年度にキャリア採用でNECに入社したのですが、前職で二度、危機感を抱いたことがきっかけです。
一度目はドイツに2年ほど駐在し、営業やプロジェクトマネジメントを経験した30歳のときです。担当した様々な商品が全て価格競争に陥ってしまっており、もっと企業として新しいものを生み出さないといけないと危機感を抱きました。その思いを社内に発信していたところ、帰国後、車載機器を取り扱う部門に新設された、新規事業を扱う部署に抜擢されました。
二度目は、その部署で中心メンバーとしてコネクテッドカー(※)の普及を見据えた事業立ち上げに携わっていたときです。プロジェクトに関わる中で、事業部の取り組みだけでは会社全体に与える影響に限界があると感じるようになり、ワークショップの開催や新規プロジェクト支援によって、全社にイノベーションの手法を普及させる部署に異動しました。しかし、ワークショップを実施してもアイデアのブレーンストーミングで終わり、事業化まで至らないことがほとんどでした。技術力がある大企業なのに新規事業をうまく生み出せない状況を目の当たりにして危機感を抱きました。

  • コネクテッドカー:ICT端末としての機能を有する自動車

How do you use your skill ?

――なぜNECに転職されたのですか?
相田:自分自身がプレイヤーとして新規事業に関わりたかったのですが、前職では社内に適切なポジションがありませんでした。社外を含めて広く見る中で、NECはハードウェアからIT・AIへシフトし、企業としてアップデートしようとしているという印象を受けました。ここでならば、これから成長する領域に足がかりを作り、活躍の機会があると感じ、入社を決めました。
新規事業というと、世の中に全くないサービスを生み出すため付箋を使ってアイデアを出し合って…というイメージを抱く方が多いと思います。しかし実際はもっと地味で地道で根気のいる仕事が多いです。アイデアを出すことも大変ですが、そのアイデアが事業として成立することを示す説得力のあるシナリオを描くことに大変さがあります。特に何に投資するかという点が非常にロジカルに判断されていく大企業の中で、不確実性の高い新規事業をどのように成立させるかは、難しさであり、面白さであり、非常に重要なことでもあると思っています。
その点、NECは新規事業を開発するノウハウを蓄積し、成功確率や再現性を高める工夫をしていると入社前から感じていました。

――どんな経験が現在のお仕事に役立っていますか?
相田:どんな「なんだこれ」と思う仕事でも得るものはあると思います。社会人になって最初の仕事は希望と異なり、海外向けの携帯電話を製造販売する事業部でした。開発部門と台湾にある製造委託会社を繋ぐ役割で、初めての出張では台湾の金型工場に1週間くらい張り付いて良品を製造するために試行錯誤しました。想像と異なる地道な仕事でモチベーションの低いところから始まったのですが、今思えば全く専門外のことでも現場に飛び込み、見識を深めながら勘所を理解すればある程度自分のモノにできる、ということを体感できた良い経験でした。
社会人4年目には、プロジェクトマネジメントを任されたばかりの商品が大品質問題を起こすという経験もしました。責任者として謝罪や現場の支援など対応に追われましたが、1つの商品の面倒を見るという意味で、川上から川下まで全ての職種の人と関わることができました。こうした経験を通じて商品やサービスを提供する流れを幅広に理解できたことで、新規事業開発で関わるユーザーの課題を素早くキャッチアップし、具体的なアクションに結びつけられるところは私の強みだと思います。
一番成長できたのは、前職の車載分野で新規事業開発の一通りの流れを経験したことです。社内に詳しい人がいないため、例えば、ITに関しては京都のベンチャー企業、通信モジュールの製造に関してはスペインの会社…など、社外の専門家とバーチャルにチームを築いてプロジェクトを進めることになります。その中で、専門家の力をうまく使えるかが試されました。この経験から、未知な物事を扱う際も専門家に丸投げするのではなく、自分なりに勉強することを心がけるようになりました。その上で、教えてくださいというスタンスをとると、先方も快く教えてくださいます。そうして人間関係を作り上げることで、一緒に汗をかけるチームができるのだと思います。
現在のプロジェクトでいうと、社内のAIアナリティクス事業部や グループ会社であるNECソリューションイノベータと連携することが多いので、コミュニケーションをとるうえで心がけています。

キャリア採用×NEC=∞

――今後の夢を教えてください。
相田:日本企業は特許をたくさん持っているにも関わらず、その技術力を活かして新しい事業領域を生み出すことが苦手で、それが日本の閉塞感に繋がっていると感じます。私は日本企業に育ててもらったという気持ちがあるので、どうしたら日本企業がもう一度世界を席巻できるのか、そのために自分に何ができるかを考え、実行することが私のミッションだと思っています。
そのために、小さくてもいいので成功事例を早く作り、新規事業開発のプロになりたいです。進め方が定まっていない新規事業開発の領域において、成功確率を上げられる人として信頼を得て、活躍の場を社内外に広げたいです。新規事業開発は撤退することも多いですが、「何をするか」にこだわるのではなく、「なぜやるか」をぶれずに持っていれば、何事も経験値を溜めることに繋がります。経験や知識を効率的に身に着けられるよう、今はどんなテーマにも積極的に関わり、日々学ぶ姿勢を大切にしています。

――「技術力を活かし世界を席巻する日本企業」という夢に向け、更なる活躍を期待しています!