Japan
サイト内の現在位置
アプリケーション一覧
基礎研究や製品開発のスピードアップには、高度で複雑な現象を解明するアプリケーションの高速実行が必須です。
ベクトル最適化済アプリーションを活用することで、プログラム開発時間の省略、実行時間の短縮が実現し、生み出された時間を他の研究開発や生産性向上に割り当てることが可能です。
●電磁場解析
●計算化学
●構造解析
●流体解析
●ライブラリ
●ジョブスケジューラ
●AI機械学習
電磁場解析
OpenFDTD (Finite difference Time Domain method)
【アプリケーションの概要】
OpenFDTDは汎用的なFDTD法による電磁界シミュレータ。
電磁界の基礎方程式であるMaxwell方程式を差分法により数値計算する方法。
電磁界シミュレーションは実際の電子機器を製作する前に、様々な設計パターンを模擬することで最適な設計パターンを見つけ開発工数を削減するとともに、設計の妥当性や現象を理解するのに有効なツールです。*1
電子機器設計では全般的に活用されています。
【用途】
・電子機器の放射する電磁波の評価
・携帯電話などの高周波通信用アンテナの特性解析
・自動車ミリ波レーダによる反射・散乱特性の評価
・電車内の無線LANによる電界分布の評価など
【高速化】
FDTD法の差分計算はベクトル化に適したアルゴリズムで、メモリアクセスがボトルネックになります。高速メモリアクセス性能をもつSX-Aurora TSUBASAで、高速実行が可能です。OpenMP並列化やMPI並列化もされているため、ノード数に比例して高速化が可能です。
Xeonサーバでの計算に比べて、解析計算時間が「約5分の1」に短縮されます。
開発元 : 株式会社EEM
ソースコード:OpenFDTD - オープンソースFDTD法シミュレーター
サイト内の1.2 インストールのページからダウンロード可能
SW形態 : OSS(無償)
*1 出展:あいち産業科学技術総合センター 研究報告 2018 電磁界シミュレーションに関する技術調査
OpenTHFD (Time Harmonic Finite Difference method)
【アプリケーションの概要】
OpenTHFDはTHFD法を用いた汎用的な電磁界シミュレータ。
電磁界の基礎方程式であるMaxwell方程式を周波数を指定した調和界で表示し、それを差分法を用いて解く方法。
【用途】
電磁界の広い周波数(準静電界から光まで)の各種用途に使える汎用ツール。
THFD法はFDTD法と双対関係にあり、問題に応じて使い分けます。
【高速化】
OpenMPとMPIにより並列化されており、ノード数に比例して高速化が可能です。
セル数が小さい時は計算の速いMatrixモードを使用し、メモリが足りなくなったら計算時間は増えますがnomatrixモードを使用すると効率的です。
Xeonサーバでの計算に比べて、解析計算時間が「約4分の1」に短縮されます。
開発元 : 株式会社EEM
ソースコード:OpenTHFD - オープンソースTHFD法シミュレーター
サイト内の1.2 インストールのページからダウンロード可能
SW形態 : OSS(無償)
OpenMOM
【アプリケーションの概要】
モーメント法を用いた電磁界シミュレーター
【用途】
・各種線状/面状アンテナの解析評価
・電磁波源の存在する室内外での電界分布の解析(無線LAN)
・電波機器の放射する電磁波の解析評価(EMC対策)
・電磁波応用機器の特性の解析評価
【高速化】
計算時間の大部分は複素数ベクトルの内積で、ベクトル化で計算時間を短縮することができます。
また、並列化はOpenMPを用いているため、単一コア性能の高いSX-Aurora TSUBASAが優位になります。
開発元 : 株式会社EEM
ソースコード:OpenMOM - オープンソースモーメント法シミュレーター
サイト内の1.2 インストールのページからダウンロード可能
SW形態 : OSS(無償)
OpenSTF
【アプリケーションの概要】
差分法による静電界シミュレーター
【用途】
・電極と誘電体から成る系の電圧と電界分布の計算
【高速化】
本シミュレーターでは連立一次方程式を反復法(SOR法)を採用しており、ベクトル化により高速に計算することができます。
また、並列化はOpenMPを用いているため、単一コア性能の高いSX-Aurora TSUBASAが優位になります。
開発元 : 株式会社EEM
ソースコード:OpenSTF - オープンソース静電界シミュレーター
サイト内の1.2 インストールのページからダウンロード可能
SW形態 : OSS(無償)
Advance/ParallelWave
【アプリケーションの概要】
Advance/ParallelWaveは、アドバンスソフトが開発した電磁波解析ソフトウェアです。
電磁界の基礎方程式であるMaxwell方程式をFDTD法により、3次元で解きます。専用のGUIを使用して、格子分割、材料パラメータの登録、境界条件や光源の設定が容易に行えます。3次元CADソフトで作成された任意のオブジェクトをインポートでき、複雑な形状のモデルが作成できます。また、TCADとシームレスな連成解析により光電変換を実施可能です。
【用途】
・マイクロ波デバイスやアンテナの高周波特性解析
・電子機器からの漏洩電磁界解析
・レーダの散乱断面積評価
・電子機器への静電気放電解析
・レーダの散乱断面積評価
・自動車や電車の周囲および内部の電磁界解析
・人体や生体の周囲および内部の電磁界解析
・落雷による過渡電磁界解析
・光の透過、反射、吸収、干渉、回折現象の解析
・CCD/CMOSイメージセンサーや太陽電池などの受光デバイス解析
・表面プラズモンを応用した光デバイス解析
・マイクロレンズ、回折格子、光学薄膜、反射防止構造などの各種光学素子解析
【高速化】
FDTD法の差分計算はベクトル化に適したアルゴリズムで、メモリアクセスがボトルネックになります。高速メモリアクセス性能をもつSX-Aurora TSUBASAで、高速実行が可能です。MPI並列化もされているため、ノード数に比例して高速化が可能です。
Xeonサーバでの計算に比べて、解析計算時間が「約3分の1」に短縮されます。
開発元 :アドバンスソフト株式会社
関連資料 :アドバンスソフト株式会社のホームページをご参照ください。
SW形態 : ISV(有償)
VSTL REV
【アプリケーションの概要】
VSTL REVは、電力中央研究所にて開発されたサージ・電磁界解析プログラムです。
数値電磁界解析手法を適用し、落雷に伴い,鉄塔や建物などの構造物や、発電所や変電所などで人体や機器の保護のために地中に布設されている接地構造物などに発生する三次元的な電気現象を精度よく予測できます。
【用途】
・落雷による建物内の電磁界を予測し、電子機器への影響を評価
・落雷による発変電所の接地構造物等の過渡現象を予測し,低電圧回路への影響を評価
【高速化】
VSTL REVで適用されているFDTD法の差分計算は、メモリアクセスがボトルネックになる手法で、高速メモリアクセス性能をもつSX-Aurora TSUBASAでは高速実行が可能です。
Xeonサーバでの計算に比べて、解析計算時間が「9.1分の1」「7.1分の1」に短縮されます。
計算化学
PHASE/0
【アプリケーションの概要】
PHASE/0は密度汎関数理論に基づく第一原理電子状態計算ソフト。
太陽光パネルや各種スマートデバイスはもちろん、コンピュータ、家電、AV機器、通信機器などあらゆる製品に使われている半導体、金属、磁性体などの材料の様々な物性を精密に分析・予測するためのソフトウェアです。
【用途】
・主として無機・固体材料の物性を電子状態から解き明かす
・リチウムイオン二次電池やグラフェンなど新素材の解析
・磁性材料を代表とする、電子のスピンを考慮した解析
・窒化物半導体、酸化物半導体、次世代半導体の解析など
【高速化】
PHASE/0は開発過程でベクトル計算機向けチューニングが実施されてきた経緯があったことと、200原子超などの大規模電子状態計算が得意であるため、高速実行が可能です。
Xeonサーバでの計算に比べて解析計算時間が「最大で約3分の1」に短縮されます。
開発元 :PHASEシステム研究会
ソースコード:PHASE System Download
2019.02バージョン以降をダウンロード可能
SW形態 : OSS(無償)
評価環境 : 対応アプリケーショントライアルプログラムご利用可能
VASP(Vienna Ab initio Simulation Package)
【アプリケーションの概要】
第一原理量子力学計算を行うための計算化学ソフトウェア。
電池、セラミックス、触媒、金属、半導体などの材料設計のために、世界中の1400以上の研究機関で広く使用されています。
【用途】
・電子の最小化
・半導体性質分析
・構造最適化
・分子動力学
・電極の特性解析
・磁気計算
・遷移状態計算など
【高速化】
第一原理計算の基本となるアルゴリズムは行列演算や高速フーリエ変換であることからベクトル向きです。 同価格帯のAMD7713と比べて解析計算時間が約1.5倍高速化されます。
開発元 :VASP Software GmbH
ソースコード: VASP.6.3.0からSX-Aurora TSUBASAが開発元から公式にサポートされ、
VASPのPortalサイトからダウンロードできるようになりました。(ライセンス所有者のみ)
VASP.5.4.4に対応したSX-Aurora TSUBASA版のご利用はNECへお問い合わせください。
SW形態 : ISV(有償)
QuantumESPRESSO
【アプリケーションの概要】
PWscf(Plane-Wave Self-Consistent Field)の電子状態計算をベースとした材料モデリングのためのオープンソース統合パッケージ。
基礎方程式を解く基本プログラム以外にも多数のパッケージやプラグインが含まれ、多種多様な物理量が計算可能です。
【用途】
・結晶の電子状態、電気伝導特性や光励起スペクトルなどの見積もり
・材料開発のための物質構造探索
・結晶体や液体等の分子シミュレーションにより各種材料のモデリング
【高速化】
第一原理計算の基本となるアルゴリズムは行列演算や高速フーリエ変換であることからベクトル向きです。同価格帯、同電力のAMDと比べて約3.5倍高速化されます。
・project is funded by The National Research Agency (ANR) & TOTALENERGIES
開発元 :QuantumESPRESSO Foundation (QEF)
ソースコード:SX-Aurora TSUBASA版はGithubから取得可能です。
SW形態 : OSS(無償)
評価環境 : 対応アプリケーショントライアルプログラムご利用可能
RSDFT
【アプリケーションの概要】
実空間差分法と擬ポテンシャル法を用いた第一原理計算プログラム。
結晶・界面・分子などの広範な物理系に対して密度汎関数法による電子状態計算を行う。
高速フーリエ変換が必要無いため高並列化に適しています。
【用途】
・数十原子〜数千原子の金属,半導体,分子系の電子状態、原子構造の第一原理計算
・Car-Parrinello法およびBorn-Oppenheimer法による第一原理分子動力学計算
・超並列計算による大規模第一原理計算
【高速化】
本計算は差分法、ステンシル計算、行列-行列積計算が主なボトルネックとなりますが、ベクトル化に適したアルゴリズムであり、高速に実行することが可能です。
Xeonサーバでの計算に比べて解析計算時間が25%短縮されます。
開発元 :アドバンスソフト株式会社
関連資料 :SX-Aurora TSUBASA向けチューニングソースコード
もしくはGitHubから取得可能です。
SW形態 : OSS(無償)
ABINIT-MP
【アプリケーションの概要】
フラグメント分子軌道(FMO)計算を高速に行えるソフトウェアです。Openシリーズとして、2021年度にVer.2系に移行しました。Ver.2系では、これまで通りの機能の拡充に加え、高速化と1万フラグメント超の大規模への対応が進められています。
【用途】
・生体分子関係、特にタンパク質とリガンド(製品分子)などの複合系の相互作用解析
・水和凝縮系、高分子化合物、分子固体などを対象とした解析
・部分構造最適化や分子動力学の機能
【高速化】
このSX-Aurora TSUBASA版ABINIT-MPは、立教大学 望月祐志教授との共同研究「フラグメント分子軌道(FMO)計算プログラムABINIT-MPのベクトル型スーパーコンピュータ(NEC SX-Aurora TSUBASA)での性能向上に対する研究」の成果として生まれたものです。
開発元 : 望月祐志教授(立教大学理学部)を開発取り纏め責任者とする複数名による開発
関連資料 :ABINIT-MP公式サイトをご参照ください。
SW形態 : バイナリ提供(無償)
SX-Aurora TSUBASA版のご利用はNECへお問い合わせください。
OpenMX
【アプリケーションの概要】
オープンソースソフトウェアの第一原理計算アプリケーションソフトウェアで、原子局在基底と擬ポテンシャルを用いて、結晶・界面・溶液などの広範な物理系に対して電子状態計算を行います。
【用途】
・炭素系材料、生体分子、磁性体およびナノスケール電気伝導体などの幾何構造、 電子構造、磁気構造などの解析
【高速化】
SX-Aurora TSUBASAで高速動作するように最適化されており、大規模超並列計算に対応しています。
核融合科学研究所 伊藤篤史准教授にご協力いただきました。
開発元 : 尾崎泰助教授(東京大学物性研究所)を中心とした開発チーム
ソースコード:オリジナル ,SX-Aurora TSUBASA用のパッチ
関連資料 :Tuning of Density Functional Theory Simulation on Vector Processor System - Plasma Simulator Raijin -
SW形態 : OSS(無償)
SALMON
【アプリケーションの概要】
SALMON(Scalable Ab-initio Light-Matter simulator for Optics and Nanoscience)は、多様な光と物質の相互作用で起こるナノスケールの電子ダイナミクスに対して非経験的量子力学計算を行うオープンソース計算プログラムです。 計算は時間依存密度汎関数理論に基づいており、ノルム保存擬ポテンシャルを含む時間依存コーンシャム方程式を実時間・実空間で解きます。
【用途】
・孤立系(分子やナノ構造)と周期系(固体結晶)の両方の系における光との相互作用の計算 基底状態計算、電場により誘起される計算、分子の分極率や固体結晶の誘電関数、高強度超短レーザーパルスにより誘起される物質中の光の伝搬
【高速化】
SX-Aurora TSUBASAで高速動作するように最適化されており、大規模な計算に適しています。 Xeonサーバでの計算に比べて、解析計算時間が「約2分の1」に短縮されます。
開発元 :SALMONサイト
ソースコード:オリジナル
SX-Aurora TSUBASA向けソースコードはGitHubから取得可能です。
SW形態 : OSS(無償)
構造解析
CalculiX
【アプリケーションの概要】
CalculiX はオープンソースの有限要素解析ソフトウェアで、ドイツの航空用エンジン製造会社である MTU エアロ・エンジンズ社の技術者チームが開発しました。
構造解析、強度解析、熱伝導解析などエンジニアリングのための計算を 行うことができます。
有限要素解析ソフトウェアとして有名なAbaqus の入力ファイル形式(INP)に対応するように開発されています。
【用途】
・ジェットエンジンなどをはじめとする小型航空機のモデル構築、計算処理
・機器の落下衝撃解析
・電子基板等の熱応力による反り、応力評価
・ろう接部の疲労寿命予測
・設計シミュレーションにより構造体各種のモデリング、解析用途に利用でき 建築、ものづくり、材料開発などで活用される
【SX-Aurora TSUBASA版CalculiX(以下、Aurora版CalculiX)について】
・CalculiXの解析ソルバー部に弊社のNLC(Numeric Library Collection)のHeteroSolver、SBLASを組込みました。
・実装した解析ソルバーは、静解析の他、動解析、熱解析等で利用可能です。
・新しくCalculiX 2.19に対応し、反復法においてはメモリ使用量の改善をしました。
・プリポスト処理用ツールとしてPrePoMax※を使用して、WINDOWS利用環境からAurora版CalculiXを利用することが可能です。
・このAurora版CalculiXは、岐阜工業高等専門学校 柴田良一教授との共同研究の成果です。また、一般社団法人 インダストリスパコン推進センター(ISCPC)に高速化、及び利用環境構築ツール(ビルダー)作成にご協力いただきました。
※PrePoMaxについて
「PrePoMax」(プリポマックス)は、「CalculiX」という従来から評価の高いオープンソースの「構造解析CAEソルバー」を組み込んだ、商用CAEに迫る非常に使いやすい操作を実現した、Windows 専用の無償で利用できる「構造解析ツール」です。
【高速化】
Aurora版CalculiXでは、SX-Aurora TSUBASAの特徴のひとつであるVHとVEを連携させたハイブリッド計算モデルを採用しています。 CalculiXの前処理・後処理などのベクトル化に不向きな部分をVHで実行し、解析ソルバー部に弊社のNLCのHeteroSolver(直接法)、SBLAS(反復法(CG法))を組込み、VEで実行することで高速化を実現しました。 CalculiXのオリジナル・ソルバーSPOOLESのXeonサーバでの計算に比べて解析計算時間が、ピストン応力静解析で「約5分の1」、木造釘接合接触解析で「約8分の1」に短縮されます。
開発元 :https://www.calculix.de
ソースコード:https://github.com/ISCPC/CalculiX-Builder
補足資料 :AboutNecSXAT(Aurora版CalculiXの利用環境構築方法とソースコード)
SW形態 : OSS(無償)
評価環境 : 対応アプリケーショントライアルプログラムご利用可能
FrontISTR
【アプリケーションの概要】
WindowsやLinuxのPCクラスタから超並列スパコンにも対応可能なオープンソースの大規模並列有限要素法構造解析プログラムです。高い並列計算性能と豊富な非線形解析機能が特徴です。
【用途】
・大変形するフィラー充填ゴムの引張評価
・高性能タービンブレードの設計
・電子部品・電子機器の熱変形
・地震時における建造物の動的挙動評価
・複雑構造物の溶接シミュレーション
・複合材ベルトの接触力によるトルク伝達評価など
【高速化】
SX-Aurora TSUBASAで高速動作するように、ベクトル不向きな行列生成部をVHで実行し、他の部分をVE上で実行するというハイブリッド計算モデルを採用しています。複数ノードでの並列計算にも対応し、大規模モデルを高速に計算することができます。
また、ベクトル向きの行列格納形式を採用しており、共役勾配法などの反復ソルバ―で高速化を実現しました。直接法ソルバ―においては、弊社のNLCのHeteroSolverを組み込んでいます。
Xeonサーバでの計算に比べて解析計算時間が「約2分の1」に短縮されます。
また、前処理として新たに対角スケーリングに加え、SSORとBILU(0)をベクトル向きに高速化し、1反復当たりの実行時間が約2分の1に短縮されます。
このSX-Aurora TSUBASA版FrontISTRは、東京大学 奥田洋司教授との共同研究の成果です。
FrontISTR開発: 奥田洋司教授(東京大学)を開発取り纏め責任者とする複数名による開発
FrontISTR管理:FrontISTR Commons
関連資料 :FrontISTR研究会サイトおよび 導入資料等をご参照ください。
ソースコード :GitLabから取得可能です。
SW形態 : OSS(無償)
SX-Aurora TSUBASA版に関してはNECへお問い合わせください。
流体解析
Advance/FrontFlow/red
【アプリケーションの概要】
Advance/FrontFlow/redは、乱流・輻射・化学反応・粒子追跡・騒音(乱流音)・自由表面・キャビテーションなどの広範な適用分野と、大規模解析を可能とする高い並列性能を持った国産の汎用3次元熱流体解析ソフトウェアです。
新機能POD-DMD分解機能を用いて、流体解析+モード分解の事例を作成できます。流体解析の膨大な結果から有益な情報を得ることが難しかったのですが、機械学習処理で、POD-DMD分解は膨大なデータから重要モードを抽出する機能として注目を浴びています
【用途】
・建物周辺の乱流解析
・配管合流部の熱流体解析
・蒸気タービンの流れ解析
・翼のキャビテーション解析など
【高速化】
圧力計算に現れる連立一次方程式の解法にマルチカラー法を導入するなど、ベクトル機向けのアルゴリズムに変更することで、高速化を実現しました。
単独のVector Engineでの性能をより引き出すために、OpenMPによる共有メモリ並列化を実装しました。ニーズの高い圧縮機モデルを計算対象として、動的メッシュの解析(計算格子は約90万セル)で、1VEのMPI並列よりも高速化を実現し、Xeonサーバでの計算時間が「約4分の1」に短縮されました。
POD-DMD分解では、固有値分解を行いその後動的モード抽出します。大規模の行列演算を実施することになり、SX-Aurora TSUBASAでLapackやBlasのライブラリーを用いることで大幅な計算時間の短縮が見込まれます。また膨大なデータの読み込みに関しても高速化されており、Xeonサーバでのシングル計算に比べて計算時間が「約7分の1」に短縮されます。
開発元 :アドバンスソフト株式会社
関連資料 :アドバンスソフト株式会社のホームページをご参照ください。
SW形態 : ISV(有償)
Advance/FOCUS-i
【アプリケーションの概要】
Advance/FOCUS-iは非構造格子に対応した圧縮性流体解析ソルバーです。
特に遷音速や超音速流れの解析に適しており、高い並列化効率で計算することができます。
また、DDT(爆燃爆轟遷移)をモデル化したG方程式を実装しており、詳細反応モデルよりも比較的低い計算コストで燃焼解析が可能です。また、任意多面体であるポリヘドラル格子やOpenMP並列およびMPI並列、それらを組み合わせたハイブリッド並列にも対応しているため、様々な形状や大規模な要素における解析を行うことが可能です。
【用途】
・高速流れにおける空力解析
・爆燃および爆轟、または爆轟遷移を伴う燃焼解析
【高速化】
Advance/FOCUS-iは密度ベースソルバーであり、計算時間の大部分をステンシル計算と呼ばれる隣接セルに対するアクセス処理が計算時間の大部分を占めているため、メモリアクセスがボトルネックとなります。また、実務的な流体解析ではロードインバランスを生じることがあります。そのため、高いメモリアクセス性能を持ちベクトル化によりスレッド数が抑えられるSX Aurora TSUBASAでは高速実行が可能です。
Xeonサーバでの計算に比べて、解析計算時間が「約2分の1」に短縮されます。
開発元 :アドバンスソフト株式会社
関連資料 :アドバンスソフト株式会社のホームページをご参照ください。
SW形態 : ISV(有償)
FrontFlow/blue
【アプリケーションの概要】
非圧縮流体の非定常流動を高精度に予測可能なLarge Eddy Simulation(LES)に基づいた汎用流体解析コードです。形状適合性に優れた有限要素法による離散化を採用しています。
【用途】
・ファン/ポンプ等の流体機械や複雑形状周りの非定常乱流解析
・流れから発生する騒音の予測
【高速化】
SX-Aurora TSUBASAで高速動作するように最適化されており、自動化された最適領域分割・統合処理を実装した領域分割法によって、数百万~最大数千億格子にも及ぶ大規模超並列計算に対応しています。
開発元 : 東京大学生産技術研究所
ソースコード: SX-Aurora TSUBASA版のご利用はNECへお問い合わせください。
関連資料 :FrontFlow/blue公式サイトをご参照ください。
SW形態 : OSS(無償)
HINOCA-CV.ver.1
【アプリケーションの概要】
Advance/V-HINOCAは、内閣府主導のプロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」(2014~2018年度)のテーマの1つ「革新的燃焼技術」において開発された、3 次元エンジン燃焼解析ソフトウェアHINOCAのプラットフォームである流動部分を元に、SX-Aurora TSUBASA を用いた高速計算を可能にするためにベクトル化を適用し、単成分流動計算用に開発されたソフトウェアです。 複雑な形状や移動物体を伴う解析を、形状に適合する格子作成の手間なく計算する事が可能な解析システムを提供します。
【用途】
・自動車のエンジン内部の流れ計算(タンブル比、流量係数の評価など)
・車内外の流れの計算
・複雑形状の内部流計算など
【高速化】
SX-Aurora TSUBASAで高速計算が可能なベクトル化されたソルバ―を実装し、格子作成時間の削減とともに、全体の計算時間を大幅に短縮できます。
Xeonサーバでの計算に比べて、解析計算時間が「6.6分の1」に短縮されます。
但し、Xeonサーバでの解析時間はJAXAでプログラム登録されているHINOCA-C.ver.1で計算した結果となります。
開発元 :JAXA
SW形態 : ISV(有償)
VFBasis
【アプリケーションの概要】
CFDの大規模、非定常解析データからモード解析(POD,DMD)を行い、分離した動的モードの中から機械学習処理により重要モードを自動選択し、流れの特徴的構造を抽出するソフトウェアです。製品性能を左右する重要な渦の抽出と流れのメカニズムの理解評価のためのツールです。
【用途】
・外部流れの現象解明(流体振動、騒音)
- 輸送関連(自動車、2輪、鉄道車両、航空機、船舶など)
- 土木・建築関連(ビル、橋梁、各種構造物など)、他
・内部流れの現象解明(流体振動、騒音)
- ターボ機械内の流れ(V1では静翼部などの固定座標系のみに対応)
- ダクト、インテーク、各種配管系
- 各種産業機械の流れ(鉄鋼、プラントなど)
- 室内空調、車内空調
- 楽器、音響設備、他
・PIV(レーザー計測)などの流体実験結果にも適用できます。
【高速化】
SX-Aurora TSUBASA版 VFBasisでは、VFBasisの計算部分(行列演算)にVector Engineで実行するモデルを採用しました。
FrontFlow/red
【アプリケーションの概要】
FrontFlow/red Ver.3.1は,乱流の非定常現象の高精度予測が可能な Large Eddy Simulation(LES) や燃焼反応を伴う流れ計算などの高度な複雑流れシミュレーションを実行することのできるマルチフィジックス流体解析ソフトウェアです。同ソフトウェア は,文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発「革新的シミュレーションソフトウエアの研究開発」プロジェクトにより開発された「RSS21フリーソフトウエア」の一部であるFrontFlow/red Ver.3.0をもとに,国立大学法人北海道大学において改良開発された研究成果物です。
【用途】
・走行中の自動車周辺の空力解析
・都市環境の風ながれ解析
・航空エンジンや産業用ガスタービンなどの燃焼器内部の解析など
【高速化】
連立一次方程式の解法にマルチカラー法を導入するなど、ベクトル機向けのアルゴリズムに変更することで、高速化を実現しています。
大規模計算に適しており、240万要素ではXeonサーバでの計算に比べて、解析計算時間が「2分の1」以下に短縮されます。
このSX-Aurora TSUBASA版FrontFlow/redは、北海道大学 大島伸行教授との共同研究の成果です。また、株式会社数値フローデザインに技術協力いただきました。
開発元 :国立大学法人北海道大学
ソースコード:SX-Aurora TSUBASA向けソースコードはGitHubから取得可能です。
SW形態 : OSS(無償)
ライブラリ
Super Matrix Solver
【アプリケーションの概要】
Super Matrix Solver(スーパーマトリクスソルバ)は、ヴァイナス社独自に開発した連立一次方程式求解用のソフトウェアライブラリで、様々な分野の数値解析アプリケーションに組み込むことができます。
密行列向けのSuper Matrix Solver-BEMと疎行列向けのSuper Matrix Solver-MFをベクトルプロセッサ向けにチューニングしました。本ライブラリを用いることで、連立一次方程式の求解計算を高速かつ安定的に実行できます。
【用途】
・Super Matrix Solver-BEMは境界要素法等により定式化・離散化された連立一次方程式を対象とした領域
波の伝播解析、地盤振動解析、音響問題解析、電磁場解析 など
・Super Matrix Solver-MFは有限要素法、有限体積法、差分法などの離散化された連立一次方程式を対象とした領域
構造解析、流体解析、電磁場解析など
【高速化】
連立一次方程式の求解計算はSX-Aurora TSUBASAが得意とする行列演算であるため、高速実行が可能です。特に密行列では大幅な計算時間の短縮が見込まれます。
また、OpenMPによる共有メモリ並列化も実装されています。
Xeonサーバでの計算に比べて、最大で解析計算時間が「約15分の1」に短縮されます。
開発・販売元:株式会社ヴァイナス
関連資料 : 株式会社ヴァイナスのホームページをご参照ください。
Super Matrix Solver
Super Matrix Solver-BEM
Super Matrix Solver-MF
SW形態 : ISV(有償)
NLCPy (NumPy-like API accelerated with SX-Aurora TSUBASA)
【アプリケーションの概要】
NumPy互換数値演算ライブラリNLCPyはNumPyを使ったスクリプトをSX-Aurora TSUBASAのベクトルエンジンを使ってさらに高速化するためにNECが開発したPython向けのライブラリです。
Pythonプログラマは、このライブラリをSX-Aurora TSUBASAのLinux/x86で使用できます。NLCPyのAPIは、NumPyに基づいて設計されています。
【用途】
・n次元配列の操作・演算
・ソート
・密行列計算
・線形代数
・乱数生成
・FFT
・ステンシル計算 などNumPyの高速化
【高速化】
NLCPyはVEオフロードにより、Pythonスクリプトの計算をSX-Aurora TSUBASAのベクトルエンジン(VE)上で実行することを可能にします。VEでのパフォーマンスを向上させるために、NLCPyは、高度に最適化されたNEC Numeric Library Collection(NLC)の機能を使用します。
XeonサーバやGPU A100での計算に比べて、ステンシル計算の所要時間が 2-D XY-axialでGPU最速のCuPy(Fusion)利用時と比べ約1.6倍、3-D XYZ-axialでGPU最速のNumba利用時と比べ約1.7倍に高速化されます。
開発元 : NEC
ドキュメント:NLCPyウェブサイトから取得可能です。
ソースコード:GitHubから取得可能です。
SW形態 : OSS(無償)
FDPS
【アプリケーションの概要】
FDPSは、大規模並列粒子法シミュレーションのための汎用高性能ライブラリです。FDPSを用いれば、OpenMPやMPIなどの高度な並列化手法を意識することなく、簡単に並列化された粒子シミュレーションプログラムを作成することが可能です。
【用途】
・天体物理学や天文学における重力多体シミュレーション
・分子動力学シミュレーション
・粒子法による流体シミュレーションなど
【高速化】
SX-Aurora TSUBASAの特徴のひとつであるVHとVEを連携させたハイブリッド計算モデルを採用しています。Xeonサーバでの計算に比べて、解析計算時間が最大43%短縮されます。
MUMPS
【アプリケーションの概要】
MUMPS(MUltifrontal Massively Parallel sparse Solver)は、大規模な疎行列を対象とした連立一次方程式Ax=bの解を求めるパッケージです。ガウス分解を行うマルチフロンタルアプローチに基づく直接法を実装しています。
【用途】
・地球物理学、構造力学、流体力学、電磁気学、音響学など、多くの物理的な問題を解くために使用されています。
【高速化】
ベクトル最適化およびSX-Aurora TSUBASAの特徴のひとつであるVHとVEを連携させたハイブリッド計算モデルを採用し、グラフ分割ライブラリMETIS部分はVHにて実行、連立一次方程式を解く本体計算部分はVEにて実行しています。
開発元 :Mumps Technologies
MUMPSサイト
ソースコード:このページからダウンロード可能です。
SW形態 : OSS(無償)
PETSc
【アプリケーションの概要】
PETSc(Portable, Extensible Toolkit for Scientific Computation)には、並列数値計算ライブラリで、線形方程式、非線形方程式ソルバー等に対応しており、C、C++、Fortran、Pythonで書かれたアプリケーションコードで簡単に使用することができます。
【用途】
・並列クリロフ部分空間法
・並列非線形ソルバ
・スケーラブルな並列線形・非線形プリコンディショナ
・スケーラブルな常微分方程式(ODE)ソルバや微分代数法的(DAE)ソルバなど
【高速化】
SX-Aurora TSUBASA向けに高速化動作する関数について最適化を実施した。
開発元 :PETSc Development Team
ソースコード:PETScのサイトからダウンロード可能です。
※PETSc3.17からSX-Aurora TSUBASAがサポート
NECのgithubからダウンロード可能です。
SW形態 : OSS(無償)
ジョブスケジューラ
Altair PBS Professional
【アプリケーションの概要】
Altair® PBS Professional®は、世界で2000以上の顧客に利用されているHPCワークロード管理およびジョブスケジューリングソフトウェアです。
SX-Aurora TSUBASAをはじめ各種プラットフォーム、OSに対応しています。
【用途】
・TOP500クラスの大規模なシステムから小規模なクラスタのためのジョブスケジューリング
・迅速なジョブディスパッチと最小限のレイテンシによる1日に100万以上のジョブ実行
・異なるプラットフォームが混在した環境を1つの統合システムとして管理
・各種耐障害機能による高リジリエンス環境の構築
開発元 :Altair
関連資料 : アルテアエンジニアリング株式会社のウェブサイトをご参照ください。
Altair® PBS Professional®
新しい効率的なHPCプラットフォーム誕生(ブログ)
Altair PBS Professional for NEC SX-Aurora TSUBASA Systems
SW形態 : ISV(有償)
AI機械学習
Frovedis(Spark/Python Framework)
【アプリケーションの概要】
Frovedis とは、AI/ML 開発向けオープンソースプラットフォームとしてNECが開発したSX-Aurora TSUBASA のベクトルプロセッサを意識せず、Apache Sparkがもつデータ分析で利用される機械学習やデータフレームライブラリが使用できるフレームワークの名称です。Apache Sparkに類似した、C++で記述されたフレームワークで、PythonやSparkで開発したAIや業務アプリを高速化します。
【用途】
設計/金融/気象などのシミュレーション・構造解析需要予測・商品レコメンド・不正検知・人材マッチングAI
【高速化】
Spark または Python scikit-learnと同じAPIから利用でき、ユーザはベクトルハードウェアを意識せずに高速実行が可能です。 Xeonサーバでの計算に比べて、解析計算時間が「最大100倍以上」に高速化されます。
開発元 : NEC
ソースコード:GitLabから取得可能です。
SW形態 : OSS(無償)
資料請求・お問い合わせ