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Windows Server 2022 - ライセンスの考え方

Windows Server 2022のライセンスは、従来通り、サーバーライセンスとクライアントアクセスライセンス(CAL)の組み合わせで定義されます。またWindows Server 2019と同様、サーバーライセンスが「物理コア数」に応じたライセンス体系となります。

Windows Server 2022 ライセンスの概要図。サーバ―ライセンスとクライアントアクセスライセンス(CAL)から成る。

サーバーライセンス

物理OS(ホストOS)でのライセンスの考え方

サーバーライセンスは「物理コア数」に応じたライセンス体系になります。
具体的には、以下の3つのルールをすべて満たすライセンスが必要です。

  1. 物理コアの総数を満たすライセンスが必要
  2. 1プロセッサ当たり、最低8コア分のライセンスが必要
  3. サーバ1台当たり、最低16コア分のライセンスが必要

 

もし上記で分かりづらい場合は、以下のようにお考えください。

サーバに搭載しているCPU数が2つ以内の場合:

    • 総コア数が16コア以内 ⇒16コアライセンス (上記ルール3)
    • 総コア数が16コア以上の場合 ⇒総コア数ぶんのライセンス (上記ルール1)

サーバに搭載しているCPU数が3つ以上の場合:

    • 1CPU当たりのコア数が8以内の場合 ⇒CPU数×8 (上記ルール2)
    • 1CPU当たりのコア数が8以上の場合 ⇒総コア数ぶんのライセンス (上記ルール1)


例1:10コアのプロセッサを1つ搭載した物理サーバに必要なライセンス

→16コアライセンス ※上記ルール3が該当

例2:10コアのプロセッサを2つ搭載した物理サーバに必要なライセンス

→2プロセッサ×10コア = 20コアライセンス ※上記ルール1が該当

上記の考え方を踏まえ、物理サーバ上で実行する際に必要になるコアライセンス数をまとめますと、下の早見表になります。

コアライセンス早見表。1プロセッサで16コア以内、2プロセッサで8コア以内の場合は16コアライセンスが必要、3~4プロセッサで8コア以内の場合は1プロセッサあたり8コアライセンスが必要、それ以外は総コア数分のコアライセンスが必要。

仮想環境上のゲストOSについて

仮想環境上で実行可能なゲストOSの数は、以下のとおりです。

    Datacenter エディション:無制限
    Standard エディション:前出の「物理OSとして必要なコアライセンス数」を満たすごとに、2個のゲストOSを実行可能

つまり、Standard エディションでゲストOSを3~4個動作させる場合に必要なライセンス数は(1~2個の場合と比べて)2倍、5~6個動作させる場合は3倍、7~8個動作させる場合は4倍、…と増えていきます。

例3:Standardエディションで、10コアのプロセッサを2つ搭載した物理サーバでゲストOSを4個実行する

→2プロセッサ × 10コア × (4ゲストOS÷2) = 40コアライセンス

例4:Standardエディションで、10コアのプロセッサを1つ搭載した物理サーバでゲストOSを4個実行する

→16コアライセンス × (4ゲストOS÷2) = 32コアライセンス
※例1のとおり、物理OSとして必要なコアライセンス数が16になりますので、この16コアライセンスを基準に乗算します。

例5:Standardエディションで、10コアのプロセッサを2つ搭載した物理サーバでゲストOSを5個実行する

→2プロセッサ × 10コア × (6ゲストOS÷2) = 60コアライセンス
※ゲストOS数が奇数の場合は、1足して偶数に切り上げてから算出します。

なお、仮想化基盤がHyper-Vの場合でも、他の仮想化基盤(VMware等)の場合でも、必要なライセンス数は同じです。
ただしStandardエディションでHyper-Vを実行するとき、Hyper-Vホスト(物理OS)を以下の目的以外の用途で利用する場合は、実行可能なゲストOS数が1つ減ります。

  • ・Hyper-Vを実行する。
  • ・オペレーティング システム環境を管理および操作するためのソフトウェアを実行する。

また、物理サーバ間で仮想マシン(ゲストOS)の移動がある場合、各々の物理サーバに対して、その物理サーバ上で同時に動作する仮想マシン(ゲストOS)の最大数を満たすコアライセンスをご購入ください。もし仮想マシンの最大数が特定できない場合は、Datacenterエディションをご購入ください。

コンテナーの実行数について

Windows Server 2022では「コンテナー」と呼ばれる技術が搭載されます。実行可能なコンテナーの数は、以下のとおりです。

    Windows Server コンテナー:
    Datacenter / Standard ともに無制限

    Hyper-V コンテナー:
    Datacenter: 無制限、Standard: 前出の「物理OSとして必要なコアライセンス数」を満たすごとに、2個のゲストOSを実行可能

ダウングレード権

Windows Server 2022のサーバーライセンスでは、Windows Server 2022の代わりに旧バージョンOSを実行する権利(ダウングレード)が認められています。

これにより、例えばWindows Server 2022 Standardのライセンスを保有しているサーバ上で、Windows Server 2019 Standardを実行させることができます。

なお、ダウングレードで利用する旧バージョンOSのメディアとプロダクトキーは、別途ご用意いただく必要があります。(ただしNECのOEM製品では、お客様の事前合意の下で、ダウングレード用のメディアやキーを添付した製品を販売中です。)

また、旧バージョンにダウングレードした後も、ライセンス定義(ライセンス条項)はWindows Server 2022のものに従います。

クライアントアクセスライセンス(CAL)

CALの必要要件

PC・タブレット端末・スマートフォンなどの端末(デバイス)からサーバソフトウェアに直接的または間接的にアクセスするときには、CALが必要になります。

サーバの-OSがWindows Server 2022の場合、Windows Server 2022 CALが必要となります。

ただし以下の条件で利用する場合はCALは不要です。

  • OS管理のみを目的としてアクセスする最大2 台のデバイスまたは 2 人のユーザ

  • 仮想化環境のホストOSについて、以下の用途のみで利用する場合
    ・ハードウェア仮想化ソフトウェアを実行する
    ・ハードウェア仮想化サービスを提供する
    ・オペレーティング システム環境を管理および操作するためのソフトウェアを実行する。
  • Webワークロードでの利用(インターネット上に公開しているWebサーバへのアクセス)
  • HPCワークロードでの利用
  • ライセンスを取得した別のサーバー (Windows Server のバージョンは問いません) によるアクセス

CALの数え方

Windows Server 2022 のCALの必要数は、CALの「種類」と「モード」の組み合わせで決まります。

CALの種類

サーバにアクセスする端末(デバイス)を数える場合は「デバイスCAL」を、サーバにアクセスする人を数える場合は「ユーザーCAL」を購入してください。

CALの種類の図。「デバイスCAL」と「ユーザCAL」の2種類があり、デバイスCALはサーバを利用する端末数に応じて購入。ユーザーCALはサーバを利用する人数に応じて購入。
CALのモード

クライアント側にCALを割り当てる「接続デバイス数または接続ユーザー数モード」と、サーバ側にCALを割り当てる「同時使用ユーザー数モード」のいずれかを選択します。
なお「接続デバイス数または接続ユーザー数モード」の場合、サーバにアクセスする全てのクライアントに対してCALが必要になりますが、接続先のサーバ(OSインスタンス)の数に制限はありません。
「同時使用ユーザー数モード」の場合は、OSインスタンスへの最大同時アクセス数ぶんのCALで十分となりますが、OSインスタンス毎にそれぞれCALを割り当てる必要があります。

CALのモードの図。クライアント側にCALを割り当てる「接続デバイス数または接続ユーザー数モード」は、サーバを利用する総端末数または総利用者数ぶんのCALが必要だが、アクセス先のサーバ数の制限はない。サーバ側にCALを割り当てる「同時使用ユーザー数モード」は、サーバを同時にアクセスする最大数ぶんのCALが必要、かつ、サーバ(インスタンス)ごとにCALが必要。

異なるバージョン/エディション間でのCALの利用

異なるバージョンやエディションのOSを利用するときのCALの考え方は、以下のとおりです。

  • エディションの種類(Standard、Datacenter)に関わらず、CALは共通です。
  • Windows Server 2022 CALで旧バージョンOS (Windows Server 2019/2016/2012 R2/…) にアクセスすることはできますが、旧バージョンのCALでWindows Server 2022にアクセスすることはできません。
  • Windows Server 2022のダウングレード権により旧バージョンOSを利用する場合は、該当する旧バージョンCALでアクセスできます。(Windows Server 2022 CALである必要はありません。)

特定用途向けCAL

  • リモートデスクトップサービスCAL(RDS-CAL):

    リモートデスクトップサービス機能(またはそれに準じる画面転送機能)、または、Multipoint Services を利用する端末またはユーザに対しては、通常のCALに加えてRDS-CALが必要です。

  • Active Directory Rights Management サービスCAL(RMS-CAL):

    Active Directory Rights Management サービスを利用する端末またはユーザに対しては、通常のCALに加えて、RMS-CALが必要です。

  • エクスターナルコネクタライセンス(ECライセンス):

    外部ユーザー*がアクセスするサーバに対し、CALの代わりに適用可能できるライセンスです。ECライセンスでは、外部ユーザー数の上限はありませんが、物理サーバ1台毎に割り当てが必要です。

    *企業またはその関連企業の従業員やそれに類する職員ではなく、企業が提供するホスティング サービスの利用者でもないユーザー。なお内部ユーザーに対しては、外部からのアクセスであってもECライセンスは適用できない。

なお、RMS-CALおよびECライセンスは、OEM品での提供はありません。

OEM版 ライセンス条項

Windows Server 2022 のライセンスの詳細は、以下のライセンス条項でご確認ください。

(OEM版) Windows Server 2022 Standard / Datacenter ライセンス条項
(マイクロソフト社サイト)