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WebOTX Application Server - 役割
インターネットの本格的な普及、地理的・時間的な制約に縛られない、使い勝手がいいなどの要因により、携帯電話端末やWebブラウザなどのクライアントから、インターネットを介した「ネットビジネス」が一気に加速したことは既に周知の事実です。
これらクライアント端末から、特定サイトのサーバに対して処理要求を行い、サーバでそれを一手に引き受けるシステムも星の数ほど存在します。

そんな中、サーバ上のシステムを安定稼働させるためには、非常に多くの厳しい要件が求められます。「市場動向」のページにも記載したように、システムの停止は社会的に大きな影響を及ぼすだけでなく、ビジネス面での損失も大きくなる事が多いからです。
それらの要件に応えるべく誕生したのが「アプリケーションサーバ」です。アプリケーションについては、需要が多い事も関係して、数多くのベンダーがしのぎを削って製品開発・販売を行っています。
WebOTX Application Server(以下 WebOTX AS)は、NEC製のアプリケーションサーバです。以下に記載するアプリケーションサーバに求められる要件に、WebOTX ASは高いレベルで対応しています。
求められる要件 ~ 高い信頼性・高い性能 ~
業務システムに求められる信頼性・性能面での要件については、システム自体の特性や規模によっても変わるため一概に言えるものではありません。しかし、エンタープライズレベルの業務システムやインターネット業務システムには最高レベルの信頼性が要求されるでしょう。
アプリケーションサーバにはサーバ、ネットワーク、ディスクなどのハードウェア障害や、アプリケーションの予期せぬ障害などのソフトウェア障害を局所化して全体のサービスへの影響を最小にする役割が求められます。ハードウェア障害に対してはクラスタ技術やフェイルオーバ技術などを使った冗長構成も要求されます。

また、インターネット業務システムは企業内システムでは考えられない不特定多数からのアクセスが発生します。これを効率良く処理する必要があります。また、提供される業務自体の機能が高度化していくことにより、扱うデータ処理量が増大する場合も考える必要があります。
これらに対応するためには、高信頼、かつ高性能なアプリケーションサーバが必要となります。

求められる要件 ~ 高い可用性・高い拡張性 ~
インターネット業務では24 時間365 日運用を止めずに安定してサービスを提供し続けられるシステムが必要となります。また、急激な負荷変動があった時でも優先度の高い業務やユーザに対してのサービス継続を優先するサービスレベル保証の考え方も重要となります。たとえ現在の業務システムが企業内での利用に制限されているとして、ビジネスのグローバル化により、いつインターネット業務システムへの対応を迫られるかわかりません。
アプリケーションサーバでは無停止運用技術が重要となります。つまり、無停止でサービスを提供し続けられるように各種カウンタやログファイルなどが慎重に設計されていることや、サービスを提供するアプリケーションを動的に追加・置換できることなどが必要です。

また、トラフィックの増大に対して、最終的にハードウェアの増設が必要となります。システム全体で提供するサービスを停止することなく、サーバ、CPU、メモリなどのハードウェア資源を増設できる拡張性が重要です。
最適な機能分散により性能ネックが発生している部分を切り出し、そこに集中して効率的にハードウェアを増設することが可能です。これによりシステム全体のハードウェア投資を削減、結果としてハードウェアを有効活用することができます。システム内のアプリケーションの配置を自由に変更でき、業務処理部分がネックになっていれば、アプリケーションサーバを増設するなどシステムを柔軟に変更できる高い拡張性が求められます。
求められる要件 ~ 高い柔軟性・高い生産性 ~
たとえ慎重に設計したとしても、いざシステム運用を開始すると、お客様から多くの機能追加や変更の要求を受けるものです。また、めまぐるしく新しい技術が登場している現状、あるいはSOAに見られるような、企業間でのシステム連携が本格化している状況を考えると、最新の技術を採用していくことがスムーズなシステム運用の近道と言えます。
今後の新技術との親和性が高く、かつ新製品との相互接続性の高い汎用的な技術を使ったアプリケーションサーバが必要になります。
また、インターネット・情報技術の発達によるグローバル化により、他企業との競争が激しくなっているのも事実です。その競争に勝つためには既存システムの迅速、かつ柔軟な機能拡張も求められるでしょう。
そのためには生産性の高い開発環境と簡単に確実な評価を行える評価環境を持ち、アプリケーションのスピーディな開発を実現することが要求されます。また、業務システムを再構築するのではなく、既存のデータベースや、業務アプリケーション、昔から動いているメインフレーム上の業務システムに至るまで、資産として組み合わせ、新たなサービスをスピーディに提供していくことも求められます。今注目されているSOAの実現も視野に入れる必要があるでしょう。

求められる要件 ~ 高い運用性・高い保守性 ~
インターネットを介したシステムでは、基盤として使われるハードウェア・ソフトウェア・技術などが広範囲に及びます。これらを24時間365日無停止で運用するには、運用者に多くの技術蓄積と監視・運用操作の負担を強いる事になります。可能な限りシステムを自動化することにより、必要最小限の操作で容易に監視・運用操作でき、操作ミスが発生しない運用環境を実現します。

また、慎重にシステムを開発しても、予期せぬ障害をゼロにするのは困難です。特にインターネット業務システムでは過負荷による障害発生の恐れがあります。障害解析に必要となる情報を最小限のシステム負荷で確実に取得し、平時でも容易に性能予測できることが重要です。また、アプリケーションの最適な配置、部品化はシステム全体の運用性を高め、変更による影響を明らかにします。そのためにもソフトウェアの構成管理や世代管理と連携した開発環境が重要になります。
求められる要件 ~ 高い安全性 ~
インターネット業務システムに限らず、セキュリティアタックは多数発生しています。その結果今日ではインターネットのEnd-to-End の透過性がファイヤウォールにより遮断されるようになりました。機密データの露呈や、不正アクセス、改竄、盗聴、成りすましなどアタック技術も日々進歩しています。現時点では十分なセキュリティ対策だとしても、将来のアタックには無効かも知れません。
アプリケーションは上記のようにスピーディに強化されることが必要ですが、一度作ったアプリケーションがセキュリティ攻撃に対応するために改造を必要としたのでは大変です。ファイヤウォールなどのアプライアンスサーバを活用して、セキュリティ強化の影響をアプリケーションから独立させることができる実行基盤が重要になります。
また、アプリケーションサーバでのユーザ管理機能、および処理要求データの暗号化への対応など安全性のための取り組みが重要視されています。