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茨城県選挙管理委員会様

開票所と県庁間をモバイル回線でVPN接続し
セキュアな選挙速報環境を柔軟に構築

業種:
  • 自治体・公共
業務:
  • 人事・総務
  • その他業務
製品:
  • ネットワーク/LAN/WAN
ソリューション・サービス:
  • ネットワーク/企業ネットワーク
  • セキュリティ
  • ネットワーク/ネットワークサービス

事例の概要

課題背景

  • 各市町村の開票所から送信される選挙速報通信のセキュリティを高めたい
  • 開票所のネットワーク環境構築に伴う市町村担当者の負荷を軽減したい
  • 障害発生時のサポート窓口を一元化して迅速に復旧できるようにしたい

成果

モバイル回線を使ったVPN通信を採用してセキュリティを向上

信頼性に優れるワイヤレスVPNルータとNECがMVNOとして提供するモバイル回線を組み合わせ、市町村の開票所と県庁間をVPN接続しセキュアな通信を実現

ルータとパソコンをつなぐだけでセキュアな通信環境を構築

県の選挙管理委員会が保有する設定済みのルータを各市町村に貸与。ルータとパソコンを接続するだけで、固定回線がない開票所でもセキュアな選挙速報通信が可能となり、作業負荷を大幅に軽減

契約から保守まで窓口を一元化し運用が容易に

サーバからセンター側のルータ、モバイル回線、開票所のルータ、ソフトウェアまでNECが一元的にサポートすることで、万一の障害発生時にも迅速に対応でき、運用が容易に

導入ソリューション

開票速報オンラインネットワーク

各市町村の開票所にワイヤレスVPNルータを設置し、県庁とVPN接続することでセキュアな開票速報を実現

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事例の詳細

導入前の背景や課題

茨城県選挙管理委員会
書記 茂木 氏

セキュリティ向上と市町村の負荷軽減が課題

茨城県選挙管理委員会様が管理執行する選挙においては、県内44市町村からリアルタイムで開票情報を受信し、選挙速報を行っています。各市町村の庁舎と県庁は、IBBN(茨城ブロードバンドネットワーク)と呼ばれる高速・大容量ネットワークが接続されておりセキュア通信が可能ですが、開票所と県庁庁舎を結ぶネットワークには公衆インターネットが使われることが多く、また開票所に回線がない場合、都度ネットワークを敷設しなければならず、例えば固定の回線を引くために数週間かかるというような課題がありました。

「セキュリティの脅威が高まる中、総務省から『自治体情報セキュリティ強靭化』の方針が示され、開票所からデータを送信する際のセキュリティ強化に取り組むことになりました」と茨城県選挙管理委員会の茂木氏は説明します。「県議会議員選挙や県知事選挙のようにあらかじめ開催時期がわかっていれば、しっかり準備できますが、国政選挙は準備期間が短いことも少なくありません。そのような場合、開票所では、選挙のためだけに固定回線を敷設しなければならないこともあり、各市町村に大きな負担がかかっていました」と茨城県選挙管理委員会の綿引氏は話します。

選択のポイント

茨城県選挙管理委員会
書記 綿引 氏

信頼性に優れるルータと柔軟なモバイル回線をセットで導入

茨城県選挙管理委員会様では、選挙時における情報セキュリティの向上と各市町村の負担軽減を実現するため、NECが提案したワイヤレスVPNルータ UNIVERGE WAシリーズとNECモバイルサービスを組み合わせたソリューション「開票速報オンラインネットワーク」を採用しました。

UNIVERGE WAシリーズは信頼性に優れるビジネス向けルータで、セキュアかつ安定した通信を実現します。しかも、モバイル回線(LTE/3G)用のSIMを内蔵できるため、固定回線の引き込み工事の必要がなく、設置場所が柔軟に選べます。モバイル回線の利便性だけでなく、一時的に開設される現場や、設置場所が移動するケースなどでの使用にも適しています。またNECモバイルサービスは、NECが通信事業者(MVNO事業者)として提供する法人向けモバイル回線サービスです。MVNO事業を展開するNECグループの強みを生かし、選挙期間に応じて短期契約できる柔軟なサービスを提供することで、通信費用の抑制に貢献しています。「アクセス回線に、セキュアな通信を実現できることと、柔軟なサービスが導入を決断した理由です。また、県庁では、10年ほど前から有権者数・投票者数・得票数のデータを自動集計するNECの選挙速報システムを導入していたので、同システムとの連携が容易でサーバからネットワークまで一元的に管理でき、これにより万一障害が発生しても、サーバ、回線、ルータ、ソフトウェアのどこに問題があるか即座に判別して迅速にサポートできる体制が整いました」と綿引氏は採用のポイントを話します。

ワイヤレスVPNルータ UNIVERGE WA1511

導入後の成果

市町村の開票所における作業負荷を軽減

2017年度は、8月に茨城県知事選挙、10月に衆議院議員総選挙が行われたため、早速このソリューションが活用されました。特に、総選挙の際は、臨時国会会期中の9月28日に衆議院が解散され、10月10日公示、22日開票と、準備期間がわずかしかありませんでした。茨城県選挙管理委員会様では、44市町村の中から要請を受けた26市町村にワイヤレスVPNルータを貸し出し、モバイル回線による選挙速報通信を実現しました。

「事前にNECと連携して綿密なテストを繰り返したので、本番では通信関連のトラブルは一切起きませんでした。各市町村の開票所では、我々が貸与した設定済みのルータにパソコンをつなぐだけで通信環境を構築でき、担当者の負担を大幅に減らせました」と綿引氏は導入効果を話します。「選挙は失敗が許されない業務ですから、市町村担当者の負担を減らすことは、とても重要です。セキュリティの強化とミスのない選挙対応ができたことは、ソリューション導入の成果といえるでしょう」と茂木氏。今回は本ソリューションを導入しなかった市町村からの追加要求も出ているため、茨城県選挙管理委員会では、今後の追加導入を検討していく考えです。

NEC担当者の声

今回、特に注力したのは、お客様の既存ネットワーク構成を極力変えずに、必要な期間だけ手軽に使えるセキュアネットワークを実現することです。UNIVERGE WAシリーズとNECモバイルサービス(モバイル回線)をセットで提供したことで、固定回線と同様のセキュアかつ安定した通信を実現しました。

UNIVERGE WAシリーズは、NECグループの掛川工場でソフトウェアも含めて開発しているビジネス向けのルータなので、その開発者やSE、営業がチームを組んで提案できることも、我々の強みといえます。また、本案件では、既存の庁舎内ネットワークに極力変更を加えることなく、WANの部分もIBBN(茨城ブロードバンドネットワーク)の構成を変えず、枝葉のような形でモバイルを追加したので、今後も必要なときにSIMカードを差すだけで、すぐに利用いただけます。

導入検討時に茨城県情報政策課様と連携し、セキュリティポリシーに準拠した構成確認を行いましたので、将来的に県庁内の他業務でも本ソリューションをご利用いただくことができそうです。また、NECでは期日前/不在者投票から投票所、開票速報までをカバーする「PowerAssistant」という選挙システムを用意しているので、これとモバイルを組み合わせたソリューションを、今後、多くの自治体に提案していきたいと考えています。

今回のようにセンター側、拠点側双方にモバイル回線を利用するネットワークは短期間利用、移動拠点、設置場所が自社保有地ではない場合などにかなり有益なソリューションになり、選挙だけではなく、期間限定のイベントや出先機関との情報共有にも効果を発揮します。

民間では、建設現場の仮設事務所や流通小売のセール会場、フランチャイズの本部と店舗の通信など、既にさまざまな用途で利用されています。

NEC SI・サービス市場開発本部
主任 野中 崇史
NECソリューションイノベータ
営業統括本部
東京営業部 飯島 三浩
NECネクサソリューションズ ネットワークサービス事業部
主任 菊地原 智佳

お客様プロフィール

茨城県

所在地 水戸市笠原町978番6
職員数 6,550名(2017年4月1日現在)
概要 茨城県の人口は2,897,149人(2017年11月末現在)で、水戸、日立、つくばをはじめとする44市町村(2017年12月現在)からなっています。日本三大名園のひとつ偕楽園、国内第2位の湖面積を持つ霞ヶ浦、「西の富士、東の筑波」と称される筑波山などの観光資源が豊富。つくば市には、最先端の研究が行われている筑波研究学園都市があります。
URL new windowhttps://www.pref.ibaraki.jp/

茨城県選挙管理委員会様

この事例の製品・ソリューション

 ※本事例に記載の UNIVERGE WA1511 は販売終了いたしました。
  後継機種である UNIVERGE WA1512 の採用をご検討ください。



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(2018年2月6日)

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