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ローカル5Gサービス活用事例株式会社ビッグサイトサービス 様
ローカル5Gを活用した無線ネットワークサービスを開始
工事不要かつ安定した通信でDX時代の展示を支える
- 業種:
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- サービス業
- 業務:
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- その他業務
- 製品:
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- ネットワーク/LAN/WAN
- ソリューション・サービス:
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- ネットワーク/企業ネットワーク
- ネットワーク/無線LAN
- ネットワーク/ネットワークサービス
事例の概要
課題背景
- ローカル5G技術の普及が予想されるなか、対応できるインフラを用意しておきたい
- イベント会期中の出展者に提供する有線の回線サービスは、工事と撤収に工数がかかる
- 品質保証の観点から一度使ったケーブルは廃棄しなくてはならず、環境負荷が大きい
成果
日本を代表する国際展示場にふさわしい設備
ローカル5G技術の普及により、今後さまざまな企業がローカル5Gを活用した先進的な商品・サービスを展示・発表する際に利用することが見込まれる。ローカル5Gの通信環境を備えることにより、日本を代表する国際展示場にふさわしい、ネットワーク環境を整えることができた
5Gゲートウェイを設置するだけで工事不要
有線ではなく無線で、かつWi-Fiよりも安定した通信環境を提供できる「ローカル5G通信サービス」の提供を開始。5Gゲートウェイを設置するだけで利用を開始でき、工事の工数を削減。ケーブルの廃棄もなくなった
対策が難しい機器のセキュリティ対策も実装
将来、ローカル5G通信サービスには、さまざまな機器が接続されるようになると予想。機器自体ではセキュリティ対策が難しい場合でも、ネットワーク側で不正な接続を遮断する仕組みを準備できた
導入ソリューション
ローカル5G通信のシステム構成
ローカル5Gの小型一体型基地局「UNIVERGE RV1200」とアンテナを、展示会場の天井付近に設置。出展者は各ブースに設置した5Gゲートウェイ、もしくはSIMカードを通じて、ローカル5G通信サービスを利用する。
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事例の詳細
導入前の背景や課題
有線ケーブルを敷設する工数と廃棄のムダが課題
日本を代表する国際展示場である東京ビッグサイト。日々、さまざまな展示会、見本市、国際会議、学会などが開催されています。そのグループ会社として、イベント・施設の清掃、会議室サポート業務、各種機器のレンタル、物販業務などを行っているのがビッグサイトサービス様です。
同社が提供しているサービスの1つに、臨時通信回線サービスがあります。
「商品デモや商談のために、より安定したインターネット接続を確保したいと考える出展者様に、当社は展示ブースまで有線のLANケーブルを敷設するサービスを提供しています。展示会場にはフリーWi-Fiも設置していますが、モバイルWi-Fiとの相互干渉や、近くを通る航空機や船舶の無線の影響により、不安定になることがあります」と同社の小林 俊二氏は言います。
しかし、この有線による臨時通信回線サービスには課題がありました。もっとも大きな課題が、工事を伴うことです。「準備や撤収にあてられるのは、会期の前後のわずかな時間。その時間内に確実に工事を終わらせなければなりません。出展者様の多いイベントなどでは、工事担当者の負担が大きくなっていました」と同社の秋山 健二氏は言います。
また、品質保証などの観点から、LANケーブルの利用は一度きりに限定しており、撤収後はすべて廃棄していました。「その資源のムダも課題であると感じていました」と秋山氏は続けます。
選択のポイント
NECだけが要件を満たす提案を行ってくれた
このような課題を感じていたころ、秋山氏は、ある展示会で印象に残る光景を目にしました。「ローカル5Gの機器が展示されていたのです。ついに実用化が始まるのだと感じました。高速大容量、超低遅延、多数同時接続が可能といわれる5Gネットワークを活用できれば、有線ではなく無線を用いながら、Wi-Fiよりも品質が高く、安定した回線サービスを提供できるはず。そう考えました」(秋山氏)。
早速、同社は複数の企業に提案を依頼。各社の提案を比較して、最終的にNECの提案を採用しました。
「1ホールの広さは約8000平方メートル。そこで、同時に接続させたいデバイス数はこれくらい、通信速度はこれくらい確保したいなど、具体的な要件を提示しましたが、その要件を満たす提案を行ってくれたのは、NECだけでした」と秋山氏は述べます。
導入後の成果
ローカル5G活用の本格化を見据えてサービスの提供範囲を拡大
NECは、シミュレーションや現地調査を行い、求められる収容ユーザ数やスループットを満たすためのシステム構成の検討や置局設計を実施。天井付近に設置したローカル5G小型一体型基地局「UNIVERGE RV1200」とローカル5Gアンテナを通して、展示会場に5Gネットワークを飛ばすシステムを構築し、「ローカル5G通信サービス」の提供を開始しました。
出展者からサービス利用の申し込みを受けると、ビッグサイトサービス様が出展者の持ち込み機器を接続するためのローカル5Gゲートウェイをブースに設置します。また端末を直接ローカル5Gネットワークに接続するための、SIMカードの貸し出しも行うことができます。
「ローカル5Gの活用がさらに広がれば、より多くの対応商品デモや関連イベントが企画されるようになるはずです。産業振興への貢献を目的の1つとする東京ビッグサイトは、当然、それに備えなければなりません。ローカル5Gのインフラが必要だと考えていました。今回のシステム導入が、ローカル5G普及の一助になることを期待しています。また有線サービスでは必要だった会期前後の工事は不要になり、ケーブルの廃棄も発生しなくなりました。働き方改革や、SDGsへの対応にもつながっています」と小林氏は話します。
今後、ローカル5G通信サービスには、出展者が持ち込む多様な機器の接続が想定されますが、産業ロボットや医療機器など、セキュリティ対策を実装することが難しい機器を接続することも考慮しておく必要があります。「そのことをNECに相談すると、ネットワーク側で不正な接続を遮断する対策を提案してくれました。機器の乗っ取りやウイルス感染のリスクを低減することができ、安心しました」と秋山氏は言います。
またローカル5Gを運用するには、無線局としての免許を取得しなければなりませんが、必要な手続きなどはNECがサポートしました。
「毎週の進捗会議を通じた情報共有・課題管理など、NECのプロジェクト管理にもとても安心感がありました。これからも、質の高い支援の継続を期待しています」と小林氏はNECへの期待を述べました。
NEC担当者の声
お客様と共にローカル5Gの可能性を引き出したい
今回、ご提供したローカル5G小型一体型基地局「UNIVERGE RV1200」は、文字通り従来は複数の機器に分散していた基地局の機能を1台に集約した上、小型化に成功した製品です。設置する際には、異なる周波数帯を設定した2台を1セットとし、2セットで1ホール全体をカバーしています。
2台で1セットの構成にしたのは、電波の到達範囲の広さ、障害物の影響の受けやすさなど、特徴が異なる周波数帯を設定することで、用途やブースの位置を問わず安定して電波を届けるため。そして、冗長構成にすることによって、システムの可用性を高めるためです。
NECは、企業ネットワーク向けの機器や構築支援だけでなく、通信事業者向け機器の開発も手掛けるなど、ネットワーク分野で豊富なノウハウと実績を持っています。ローカル5Gについても、先ほど紹介したUNIVERGE RV1200など、いち早く対応機器を開発しています。ローカル5Gが、さまざまな産業のDX化に貢献することは間違いありません。お客様と共に可能性を検討し、その価値を創造していきたいと考えています。
お客様プロフィール
株式会社ビッグサイトサービス
所在地 | 東京都江東区有明三丁目11番1号 |
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設立 | 1966(昭和41)年5月 |
従業員 | 76名(令和5年6月時点) |
概要 | 臨時通信設備サービスの他、イベント清掃・施設清掃業務、会議室サポート業務、サービスコーナー・ビジネスセンターの運営、フォークリフト・映像機器等のレンタルなど、日本を代表する国際展示場である東京ビッグサイトの管理・運営にまつわるサービスを提供している。 |
URL | https://www.bigsight-services.co.jp/ |
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(2024年7月5日)