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No.1(1月)ITS特集

Vol.61 No.1 (2008年1月)

ITS特集


安心・安全

藤田 佳賢 ・野木 美徳 ・大類 寛幸 ・雨宮 秀樹

AHSは、ドライバーの安全運転を支援し、交通事故を削減するためのシステムとして、2002年度から全国7ヵ所で実道実験が開始されました。NECは、首都高速新宿4号線の参宮橋カーブで行われた前方障害物情報提供サービスのシステム構築を担当しました。2004年度のシステム構築後、2005年3月から2006年9月までのシステム評価で数多くの成果を得ることができました。また、2007年3月には、ITS車載器に対応したDSRCアンテナを増設し、評価を完了しています。本稿では、スマートウェイが提供する安全、安心の実現に向けて、AHSのシステム構築を進めるNECの活動をご紹介します。


板垣 克 ・野田 雄一 ・田中 俊明

道路に設置された通信機器やセンサーなどの設備と、走行する車両が相互に必要な情報をやりとりし、安全性や利便性を向上させるシステムをインフラ協調システムと呼びます。現在、このようなシステムの実用化に向けた取り組みが世界的に進められています。本稿では、インフラ協調システムの具体的なアプリケーションとして、交差点における安全運転支援に焦点を当てます。各地域の具体的な取り組み事例として、米国のVII、欧州のPReVENT、日本のDSSSの動向を紹介します。さらに、DSSSに対するNECの取り組みについて紹介します。


岡西 将悟 ・金 睦 ・知久 慎太郎 ・杉山 眞佐男 ・櫻井 均

高速道路や自動車専用道路の路側上に点在する、道路管理用の情報収集系のセンサーや情報提供系の情報板などの様々な端末と、中央局間との通信を行うための専用のネットワークについて、その特徴と応用性について紹介します。


野田 雄一

NECは、画像処理による交通異常検出装置を開発し、首都高速道路(株)殿の中央環状新宿線に納入しました。本システムは、CCTVカメラの映像を画像処理することで、事故、故障車などの交通流の妨げとなる交通異常を早期に自動的に発見します。これにより、追突・二次事故の防止など、後続交通の安全と事故処理・救急活動の迅速化、正確な情報の提供および監視業務の省力化が可能になります。


Dr. Andreas Festag ・Roberto Baldessari ・Dr. Long Le ・Dr. Wenhui Zhang ・Amardeo Sarma ・Masatoshi Fukukawa

CAR-2-Xコミュニケーションは、Geocastと呼ばれる、IEEE802.11規格の狭域無線技術をベースとした、車両通信向けのネットワーク・プロトコルにより実現されます。その先進的なソリューションとパフォーマンスは、車両通信実現のために、ヨーロッパの主要企業によって設立された、Car-to-Carコミュニケーション・コンソーシアム(C2C-CC)でも高い評価を得ています。CAR-2-Xコミュニケーションの基本コンセプト、Geocastの技術機能紹介、CAR-2-Xプラットフォームのハードウェア仕様を紹介し、ヨーロッパにおける、NECの活動方針を説明します。

環境

姚 恩建 ・佐藤 彰典

P-DRGSコンソーシアムで開発を進めるプローブ情報を活用した動的経路案内システムPROROUTEは、経路探索の際、プローブカーデータより作成された蓄積データベースや、リアルタイムプローブデータより予測されたリンク旅行情報を利用しています。本稿では、高精度な旅行時間予測および経路案内性能を実現するために、PROROUTEに組み込まれたNEC独自の旅行時間予測手法と、予測処理および経路探索の基本となる旅行時間蓄積データベースの自動更新機能など2つの要素技術を紹介します。また、特定の道路区間を対象に、予測精度を評価し、旅行時間予測機能が極めて有用であることを示します。


中村 暢達 ・喜田 弘司 ・藤山 健一郎 ・今井 照之

自動車(移動体)からセンターにアップロードされるデータを大量に収集し、その分析結果を活用した高度なテレマティクスサービスへの期待が高まりつつあります。その実現のためには、多数のデータソースから、高速にデータを収集、分析する情報通信技術が重要です。本稿では、このような大規模データ収集・分析を実現するデータストリーム技術について紹介します。さらに、本技術を適用し、5万台の車両からの位置・速度データを処理し、渋滞情報をほぼリアルタイムに提供するシステムを試作し、技術検証しましたので、その結果を報告します。


矢木 義規 ・金子 慎太郎 ・安藤 泰輔 ・田村 佐恵子 ・春田 仁

自家用車からのCO排出量削減は、地球温暖化対策の中で大きな課題となっています。このような中、個々のドライバが環境に配慮した運転を行う、エコドライブが注目されています。このエコドライブの実践を、IT技術を利用した情報提供でサポートするASPサービスがDriveManagerです。本稿では、DriveManagerの実運用を通して収集された運転データを集計して運転方法と燃費の関係を明らかにし、エコドライブの実践が燃費向上・CO排出量削減にどの程度有効かを定量的に検討します。また、DriveManagerの導入効果についても紹介します。

利便

高橋 邦彦

2001年度から始まったインターネットITSの活動のなかで、本稿では2006年に発行されたインターネットITSプラットフォーム仕様(PF仕様)第2版の解説、およびインターネットITS協議会の現状を紹介します。さらに、NECとしての取り組みを含めた今後の展開について考察します。


櫻井 光徳 ・松橋 正道

インフォサインは、Bluetooth無線通信技術を利用して携帯端末との連携により、地下街や屋内外において歩行者に位置情報を提供することができる装置です。これにより歩行者は、その位置情報に特化した経路案内サービスや各種情報を入手することが可能となります。本稿では、インフォサイン装置について述べるとともに、インフォサインを利用した歩行者ナビゲーションで想定されるサービス例についても紹介します。


吉本 昌弘 ・近藤 俊哉 ・野木 美徳 ・岡西 将悟 ・一色 直樹 ・須河 邦彦

現在、有料道路の通行料金支払いを行うシステムとして広く普及しているETC。このETCで使用されているETC車載器を通行料金支払い以外に多目的に利用するために、利用車番号サービスが公開されました。それにあわせて、利用車番号を活用したサービスを展開しようとするサービス提供事業者より、安価で導入しやすいDSRC路側機が求められ、「インフォビーコン」を開発しました。本稿では、インフォビーコンの開発背景や特長を紹介するとともに、インフォビーコンを活用した車両管理システムや荷捌き駐車場への導入事例などを紹介します。

普通論文

榎本 昌之

NECは1990年代に国内工場の生き残りを賭けて、「生産革新」活動を立ち上げ、工場内の改善活動、お客様を起点にしたプルの仕組み作りや物流改革を進めてきました。現在では、生産革新は経営革新として、NEC全部門を対象とした「ものづくり強化」活動として位置付けられています。本稿では、NECのものづくり強化や生産革新の概要についてご紹介します。

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