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No.3(7月) REAL IT PLATFORM特集/映像表示技術特集

Vol.60 No.3(2007年7月)

REAL IT PLATFORM特集

執行役員常務 丸山 好一


伊藤 行雄・岡田 高行

NGNの登場によってますます加速化しつつあるユビキタス社会。NECのITプラットフォーム事業は、ユビキタス社会における企業システムへの要望に応えていくために、ビジョン「REAL IT PLATFORM」を開発しました。この「REAL」という言葉には、最適な次世代IT基盤を、お客様の状況に合わせてオンタイムの「現実解」として提供していくという姿勢、革新的なIT基盤テクノロジーにより、お客様にとって「真」の次世代IT基盤を開発していくという決意の2つの意味が込められています。
本特集では、「REAL IT PLATFORM」が必要な背景と、実現する主要なテクノロジーについて解説します。

サーバ

横山 淳・鈴木 健一・鈴木 久美子・河口 進一

統合エンタープライズサーバNX7700i/5080H-64は、オリジナル「A 3 チップセット」により高性能/高信頼/高い柔軟環境を提供し、REAL IT PLATFORMビジョンを具現化します。本稿では、NEC独自開発の「A 3 チップセット」と、デュアル・コア インテルItanium2プロセッサにより実現する拡張性/信頼性/柔軟性の高いシステムに盛り込んだ技術を紹介します。


種田 幸一・吉澤 健太郎

NECは、2002年から他社に先駆けて、高性能・省スペースのブレードサーバを市場に投入してきました。本サーバ(SIGMABLADE)は、NECの第3世代ブレードサーバであり、ネットワークの3階層(Web、Application、DB)の全サーバ郡および、LANスイッチ、FCスイッチなどのスイッチ郡の統合をめざした野心的な製品です。ラックサーバとほぼ同等のCPU性能、IO性能を維持しつつ、省スペース、省電力、ケーブルレスを実現しています。本稿では、2006年7月に製品化した、SIGMABLADE-M、Express5800/120Bb-6、EM(EnclosureManager)カードに搭載されたハードウェア技術について概説します。


小関 靖治・松下 潤一

情報量の増大や情報利用形態の多様化により大容量/高速処理が必要となる一方で、情報システムの存在が社会的な重要性をさらに深め、高い可用性への要求も増加しています。
2006年2月に発表されたftサーバはこのような高い要求に応える堅牢性・可用性を業界標準のオープンなプラットフォーム上に実現しています。ここではその中核となるLSI “GeminiEngine”の特長と重要なテクノロジについて紹介します。

ストレージ

大谷 寛之・吉田 博光・吉川 昭弘・藤森 英明・滝柳 真澄・田中 洋次

近年、ブロードバンドの爆発的な普及により、eメール、動画コンテンツなどを代表とするデータ量が年率1.6倍で増大し、インターネットを介して様々なデータのやりとりが行われています。特に、ITシステム内におけるストレージにおいて、最も注目されている課題として、データ量の急増、管理の複雑化、業務停止時の影響が大きいことが挙げられます。本稿では、それらの課題に対する解決策としての、スケーラビリティ、マネージャビリティ、アベイラビリティの特長をもつ「iStorage D8」と、高いコストパフォーマンスと簡単導入や省スペース設計の特長をもつ「iStorage D1/D3」について論じます。


杉原 智衛・木佐木 俊介・中島 利朗・水町 弘明・加藤 貢

NECのHYDRAstorは近年のストレージを取り巻く深刻な問題を解決すべく、「柔軟」「安心」「快適」の3つのREAL IT PLATFORMのコンセプトのもとに開発された次世代グリッドストレージ製品です。本稿では、HYDRAstorの最新鋭グリッドストレージのアーキテクチャを紹介し、そのコアとなる技術である、自動最適構成(Dynamic Topology)、重複排除(DataRedux)、分散冗長配置(Distributed Resilient Data)について紹介します。

ソフトウェア

恵下田 秀作・飼手 郁夫・神野 絵理

ユビキタス社会の実現に向けて、コンピュータシステムには、今まで以上の高い信頼性が求められています。その要求に対する1つの答えとして、クラスタ技術でサーバシステムの可用性を向上するソフトウェアCLUSTERPROがあります。本稿では最新バージョンであるCLUSTERPRO Xの機能・性能、また最新技術への取り組み、将来への展望について説明します。


吉羽 幹夫・竹下 理恵子・村上 久美子

近年、企業を取り巻く環境は激変しており、システムに求められる要素も大きく変化してきています。このような環境の変化や複雑化に迅速に対応し、ITサービスの品質を維持・向上していくためには、従来の個々のシステムごとに最適化する個別管理ではなく、企業ITシステム全体の視点から統制することが必要不可欠です。
本稿では、運用管理製品に求められるニーズと課題、そして全体統制型システム運用管理を実現するWebSAMVer.7の取り組みを論じます。


三浦 一樹

近年のセキュリティ対策は、オープン化されたITシステムの影響から始まっています。多様化する顧客のシステムに有効的に、そして柔軟にシステム強化を実施するためには、どのようなセキュリティ対策と製品でなければならないのでしょうか? 本稿では、個別製品や個人単位から、全体統制、組織単位でのセキュリティ対策に求められるニーズと課題に対応すべく開発した、「協調型セキュリティ」InfoCageについて説明します。


渋谷 純一・藤田 悟

NGN時代に向けた企業競争力の強化には、企業情報システムの整備が今まで以上に重要になります。サービス実行基盤WebOTXは、迅速なサービス構築、大量情報の高速処理、高信頼な実行基盤の提供によって、企業情報システムの構築を支援することを目的に製品体系を一新しました。本稿では、次世代サービス実行基盤WebOTXの製品戦略と最新リリースの強化概要について紹介します。


嶋津 和行

NGN(次世代ネットワーク)によって加速されるユビキタス社会において、企業は時代の要請に応えて情報システムを変革して、企業競争の強化、新規ビジネスの創出を図るために、企業内に散在する情報を有効に活用・統制し、また、大量かつ、多様な情報に対応する必要があります。NECは、これらを解決するために、次世代情報管理ソフトウェアInfoFrameを開発しました。
InfoFrameは、データバスとコンテンツバスの2つのバスとアダプタ群により先進のアーキテクチャによって、既存の業務システムを活かしながら、企業内に点在する情報の活用と統制を可能にします。

シンクライアント

川島 博幸・小柴 国博・土持 和記・二村 和宏・榎本 雅彦・渡辺 正泰

NECではパソコン環境を丸ごと仮想化しサーバに集約できるまったく新しいコンセプトのシンクライアントシステムVirtualPCCenterと、その専用端末としてUS100を開発しました。VirtualPCCenterは特筆すべき特長として、仮想PCの負荷バランスを調整する機能や、運用性を向上する多様な機能を有しています。またUS100は、シンクライアントでは不向きといわれる動画再生の高速化機能や、高音質、低音声遅延のソフトフォン機能を有しています。本稿では、このVitualPCCenterとUS100の特長について紹介します。

映像表示技術特集

NECディスプレイソリューションズ 常務取締役 山崎 隆宏

IT化の進展に伴って取り扱う情報も多岐にわたり、その出力機器としての映像表示装置も、広い分野で利用されるようになってきました。NECグループでは、携帯用小型サイズから、映画館のスクリーンに映し出す大画面用の表示装置に至るまで、使用シーンに応じた各種映像表示装置を開発しています。
本特集では、その主な製品技術動向ならびに液晶・バックライトなどのデバイス技術動向について紹介します。

紹介記事

当社は、2007年4月、プロジェクター事業を担当するNECビューテクノロジー株式会社と、ディスプレイモニタ事業を担当するNECディスプレイソリューションズ株式会社が合併し、新生NECディスプレイソリューションズ株式会社としてスタートしました。
当社では、グローバル企業として、様々な場面で、用途や使用環境に応じて、必要な画像品質、性能、機能そして使いやすさを実現する最先端映像技術を開発し、新たな映像機器と、映像関連機器にかかわるソリューションを提供してまいります。


当社は、「お客様と共に、新たな市場の創造に挑戦いたします。」を経営理念とし、年々多様化かつ高度化してきているお客様のニーズに最大限お応えしていくために、技術革新に日々邁進しております。従来三社一体運営を行っていました製造子会社のNEC秋田およびNEC鹿児島を統合し、製販一体化経営でよりいっそうお客様にご満足いただけるディスプレイソリューションを提供し続けます。


日本アビオニクスは1960年日本電気株式会社と米国ヒューズ社との合弁で設立されました。アビオニクス(Avionics)とはAviationとElectronicsの合成語で航空電子工学を意味します。その社名のとおり、わが国における航空電子工学のパイオニアです。以来、私たちは「独自のエレクトロニクス技術とシステム技術により、お客様のために新しい価値を創造し、安全で豊かな社会の実現に貢献する」という会社理念のもと、信頼性の高い独自のエレクトロニクス技術をもとに、防衛・宇宙・医療から民生機器に至るまで、幅広い分野において、情報システム事業、電子装置事業、製造装置事業の3つの事業を柱に、それぞれの事業分野で常に技術革新を続けています。

モニタ

林 篤徳・細川 寛水・武智 良浩

パブリックディスプレイは、公共の場でリアルタイムに様々な情報を発信することができます。NECディスプレイソリューションズは、他社に先駆けて、パブリックディスプレイ市場に参入し、様々なニーズにマッチしたパブリックディスプレイを投入しています。本稿では、ディスプレイの使用環境や使用方法から、パブリックディスプレイに求められる機能について紹介します。


宮本 恒雄・永野 知・五十嵐 直人

映像コンテンツのワイド化、Windows Vistaの登場、マルチディスプレイユーザの増加など、IT用液晶ディスプレイもワイド化への移行が進んでいます。その先駆けとなるワイドディスプレイ群のなかから3モデルの製品紹介をします。グラフィックスをターゲットとしたプロユースモデルLCD2690WUXi/LCD2490WUXiとオフィスや一般市場向けをターゲットとしたハイエンドモデルLCD2470WNXは、いずれもWUXGAまでのIT用ワイド信号とHDCPにも対応したフルHD(1080P)の信号を表示でき、グラフィックス、ファイナンシャル、医用関係のみならず、テレビジョン信号やDVD(Digital Versatile Disc)のディスプレイとして幅広い用途が可能です。単なるワイド化だけではなく、輝度、コントラスト、色度域などの性能の向上、パフォーマンスに対する消費電力比を抑えた環境への配慮も行い、豊富な機能やヒューマンインタフェースを備えたプロユース、ハイエンドモデルです。

モジュール

藤本 和志・鈴木 浩・石田 宏・廉谷 勉

医療現場のIT化が進展するに伴い、デジタル表示装置のニーズが高まっています。従来のX線写真フィルムと同等以上の高い表示品質が要求される読影診断用液晶ディスプレイでは、高輝度、高コントラスト、視野角特性、輝度均一性などが求められ、また高い信頼性も要求されます。これら高い表示品質の要求に対して、低カラーシフト、高開口率、高精細などを特徴とするSFT技術を用いた液晶パネルと、高輝度かつ輝度均一性を向上させた直下型バックライトの組み合わせにより、医用モニタとして求められる高い表示品質に対応した液晶ディスプレイを提供します。


箭野 貴一・三輪 知生

産業用ディスプレイの用途は、計測器、ATM、POS、コピー機、券売機、自動販売機、工作機械モニタ、放送用モニタなど非常に多岐にわたっています。そのため、あらゆる環境下で使用されることを想定し、設計をする必要があります。そこでコア技術であるSFT技術、NLT技術さらに適応設計技術を用いた使用例・応用例を紹介します。最後に適応技術の1例として、LEDバックライトの採用によるディスプレイソリューションを提案します。


山口 寿士・伊藤 幸浩

ユビキタス情報社会の進展によってPDA、スマートフォン、PND(Personal Navigation Device)など多様な携帯端末が見られるようになりました。それら携帯端末用の液晶ディスプレイに適した表示技術「SR-NLT技術」の説明とその技術を採用した製品を紹介します。


杉谷 長英・高橋 慶

産業用液晶ディスプレイに、従来の冷陰極管を光源としたバックライトにかわり、LEDを光源としたバックライトを採用した製品が増えつつあります。当社にて開発したLEDバックライト製品は、CCFLを光源とした場合に比べ、薄型・軽量でかつ低消費電力を実現しています。
今後も、輝度寿命の長寿命化、さらなる輝度効率の向上やバックライト上の見栄え改善などの課題を、バックライトのマッチング技術向上や、LEDメーカとのタイアップなど進めることで改善し、お客様の要求にかなう液晶ディスプレイ製品の開発に注力していきます。


坂本 道昭・森 健一・永井 博・中 謙一郎・井上 大輔

デジタルTVの進展に伴い、広視野角な半透過型液晶への要求が高まっています。このような要求に対し、弊社はIPS液晶モードにおける反射/透過の表示反転問題を克服する独自補償技術と、凹凸反射板上の微細くし歯電極加工技術を開発しました。この結果、IPSモードを用いた広視野角半透過SFT(Super-Fine-TFT)液晶パネルが実現できました。この半透過SFT液晶パネルは、透過性能と薄さの点で、従来の半透過液晶パネルを凌駕しており、高品位モバイル液晶モニタとして期待できます。

プロジェクター

根津 英風

近年、プロジェクターへの要望は、明るさ、重さ、騒音に加え、高画質化への期待も高まっています。しかしながら、プロジェクターにおいてはその性質上、映像のコントラストが低下しやすいという特徴があります。そのため、過去よりこのコントラスト低下に関しては多くの工夫がなされ、画質の向上が図られています。当社でも独自の技術である見た目のコントラスト感を向上させるという技術を年々進化させ、プロジェクターの画質の向上を実現しています。


高松 宏彰・増田 直樹・李 定錫・西村 吉史・酒井 茂憲・谷 祐輔

NECでは、プロジェクターのさらなる高輝度・小型化をめざし、業界初となる小型エアポンプの採用をはじめ、高密度実装に適応した新しい冷却技術を開発しました。
今回、新モデルには、本冷却技術を搭載しており、クラス最軽量となる3,000lm/1.6kgを実現しています。


田中 浩紀・高橋 太一・白崎 真人・中里 由香里

インテリジェントプロジェクタiP-30は、日本アビオニクスとして初のDLP (R) エンジンを搭載することと、新たに開発した超広角・高解像度レンズにより、小型/軽量化を実現しました。特徴としては、書画カメラ機能を使用することで紙資料やサンプルなどをそのままプロジェクタから投写できます。
さらに、プレゼンテーションツールとして書画カメラから取り込んだ画像をPC上で扱うことができるアプリケーションソフトウェアを内蔵しています。

デジタルサイネージソリューション 電子掲示板システム活用事例

井上 誠治・長澤 寛

昨今、情報があふれるなかで、「最小限の工数で、目的にあった情報を、よりタイムリーに提供できるか」が重要なテーマです。それを解決する手段が、ITと大型液晶ディスプレイ(パブリックディスプレイ:PD)やプロジェクタ(PJ)を用いたデジタルサイネージです。そのデジタルサイネージも利用者にとって便利なものでなくてはなりません。導入されるお客様の多岐にわたる用途にマッチしたソリューションが必要となってきます。今回は、NECディスプレイソリューションの提供する、デジタルサイネージソリューションソフト「AdWindow」を、業種別活用事例も含め紹介します。

普通論文

藤間 祐・永田 稔・大野 透・松江 則彦

私たちが日頃目にしている新聞は、輪転機により高速かつ大量に印刷されています。この輪転機での印刷工程において欠かせないのが、刷版と呼ばれる新聞イメージが描画されているアルミのプレートです。この刷版は、CTP(Computer To Plate)という装置により、自動的に作成されています。そのためCTPを適切に制御するCTPサーバの存在が必要不可欠です。本稿では、NECエンジニアリングで開発した「CTPサーバ(AISe:AMZISetter I/0 Station enhance)」について紹介します。

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