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センシングシステム:研究テーマ紹介

テクノロジーグループ

2021年1月20日

研究テーマ一覧

音状況認識技術
音源方向推定技術
透過センシング
光ファイバセンシング
3D-LiDAR解析技術
物体指紋認証技術
SAR物体認識技術

音状況認識技術

映像だけでは捉えきれない状況を、音を用いて正確に把握する技術です。

音によって「今起こっている状況」を認識します

  • 異常な状況や予兆を認識して、即時対処可能になります
  • 雑音に強く、雑踏の中からでも目的の音を検知します

映像だけでは不可能な問題を解決します

暗がりや建物の陰、警備員が注視できない後方や遠方の犯罪・トラブルを検知します。

関連情報

音響検知の国際的なコンテスト「DCASE2016」で第一位を獲得しました

音源方向推定技術

雑音の中からでも、音の到来方向を推定します。

  • 音源から出た音は、空気中をまっすぐ球面状に広がっていきます。
  • 複数のマイクロホン(マイクロホンアレイ)に届いた音から、「どちらの方向から音が来たか」が分かります。

NECの音源方向推定技術の特徴

  • 実際にマイクロホンで得られるデータには、対象音以外の雑音がたくさん含まれていて、これが方向推定失敗や精度低下の大きな原因となります。
  • NECは逐次変化する雑音の中から、対象音の情報を含む帯域を自動で見つける仕組みを開発しました。
  • これによって、雑踏などの雑音が多い悪条件下でも悲鳴の方向にカメラを向けて確認したり、飛来するドローンの方向を安定して推定できるようになりました。

透過センシング

電波を活用することで、人間が直接知覚できない空間・対象を解析します。

高速・高解像度イメージング

空間内の電波反射体のスパース性を利用した圧縮センシングにより、電波の波長に依存する解像度と計測時間のトレードオフを打破。

歩行揺動補償

カメラ映像など他センサ情報から歩行者の位置・変動を推定し、移動に伴う揺動を高精度に補償。

光ファイバセンシング

光ファイバケーブル上で発生する環境変化(振動/音響/温度/歪)を発生位置と共にリアルタイムに観測可能な光ファイバセンサを用い、広範囲の環境変化を低コスト・高精度に検知します。

光ファイバセンサ
光ファイバセンサ
  • 高速道路脇ファイバを活用した交通流計測実験例
    道路脇の既設通信用ファイバにより自動車の速度・流量等の実測が可能。

3D-LiDAR解析技術

対象物の形状を計測する3D-LiDARを長距離化することで、大規模施設の点検に適用、点検の省力化・短時間化を実現します。

長距離計測

光通信事業で培ったデジタルコヒーレント技術を活用し、光の位相情報までも検知することでノイズの影響を受けずに対象物の形状を計測する3D-LiDARを実現。

異変検出

3D-LiDARが取得した物体の形状データに対し、物体の微小領域ごとに形状と表面状態を解析・比較することで異変を検出。

形状・表面状況解析による異物・異変検知手法

形状解析:形状をスキャンした結果を分析することによる異物・異変検知
表面状況解析:物体表面の変化を捕捉することによる表面の異常検知

物体指紋認証技術

指紋で個人を特定できるように、モノの表面にある微細な凹凸や模様を「物体指紋」として撮影し、その画像パターンを照合することで個体を特定できる技術を研究しています。均一に製造された工業製品や精密部品でも個々に異なる特徴があり、これらを大量かつ高速に撮影し照合するための (1) 撮影技術と (2) パターンマッチングのアルゴリズムの2つの開発がメインの研究テーマです。本技術により、ICタグやバーコードを取り付けられない部品や素材をも、タグなしで効率的な管理を可能にします。特に製造業においては、製造から流通、使用に至るトレーサビリティを実現し、品質や生産効率の向上に貢献します。また、偽造防止やセキュリティなどの用途にも有効です。

モノの表面にある微細凹凸の個体差を捉え,高速・高精度に個体識別

  1. 様々なモノにある「物体指紋」を撮影する方式(カメラ・照明)の研究開発
  2. 高速・高精度なパターン照合アルゴリズムの研究開発

SAR物体認識技術

通常のカメラではない撮像デバイスで観測された画像、特に、合成開口レーダ(SAR)画像の認識技術を研究しています。合成開口レーダは人工衛星での地球観測に用いられており、広域に渡る地表の状況を昼夜天候に関わらず観測することが可能です。このような観測データの特性を活かした新しいソリューションを実現するために、(1)広大な観測範囲の中から特定の活動による変化がある地域を識別する変化検出・解析技術と(2)観測データ内の対象を検知・識別する物体認識技術の技術開発に取り組んでいます。NECが保有する高性能小型レーダ衛星である「ASNARO-2」の観測データを活用しながら、SARデータ解析技術の基礎研究から応用技術開発まで進めています。

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