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中国研究院

無線通信とAI研究の最前線

2021年11月8日

研究領域

中国研究院はNECのグローバルR&D組織の一部門として、NECがめざす社会的ソリューション実現に向けて、無線通信やAIなどの最先端技術を研究開発しています。

無線通信分野では、MIMO、URLLC、V2X、XRなど、無線アクセスネットワークの最新規格がもつ高度な機能を支えるコア技術を開発しています。また、NECのグローバル標準化チームの一員として、3GPP標準化会議に積極的に参加し、標準化のための技術提案を行っています。IMT-2030のような、10年先まで視野に入れた無線ネットワークの要件と実現技術に関する研究も行っています。私たちの研究は、NECのネットワークソリューションビジネスを強力にサポートする標準必須特許(SEP)の創出をめざしています。

AI研究テーマの一つである「因果関係の発見と推論」は、より高度な人工知能の実現につながる重要な研究分野です。私たちのデータ解析研究チームは、業界に先駆けて観測データから因果関係を発見する技術の研究に取り組み、業界トップレベルの成果をあげてきました。本技術は、既にマーケティング分野をはじめとした多くのビジネスシーンで実証に成功しています。ビジネスプロセスを迅速かつ正確に把握したり、ビジネス目標の達成に影響を与える重要な要因を突き止めてビジネスプロセスを可視化したりすることで、お客様の価値向上に貢献します。
また、NECでは本技術を用いて、2020年10月に日本で因果関係分析事業を開始するとともに、スタートアップ企業と事業探索のための協業を開始しました。さらに、本技術をより広く活用するために、意思決定最適化のための因果強化学習、時系列データやテキストデータからの因果発見・推論などの研究を進めています。

AI研究におけるもう一つのテーマとして、機械学習研究チームでは不完全なデータやラベルの制約下でも耐えうるロバストな学習技術の開発に注力しています。現在は、データの変化やラベルの欠陥がモデルの性能にどのように影響するか、正確に定量化する技術を研究しているところです。本技術を使えば、データ・モデルの関係性学習技術をベースとして高品質な学習データを提供するための自動化プロセスを開発し、高性能なAIシステムを効率的に構築することができます。特に、ノイズの多いラベルを識別・修正するコア技術によって、ノイズの多いデータのクレンジングや有用な学習サンプルのスクリーニングができるところは大きな特長です。
さらに、ロバストで信頼性の高いAIシステムを構築するために、最先端の深層モデル上で計算効率の高い「ベイズ型不確定性推論技術」を開発しました。現在は病院と密接に協力し、この技術を活用した信頼性の高い内視鏡検査の品質管理や病気診断のAIシステムを開発しています。

注力分野

  • 最新規格向けの無線通信技術の研究
  • 3GPP標準化
  • 因果発見・因果推論
  • 意思決定最適化のための因果関係強化学習
  • データ・モデル関係性学習
  • ベイズ型不確実性推論

ビジョンと目標

中国研究院の研究は高度な無線通信技術と人工知能技術にフォーカスしています。これらの技術はNECの新中期計画の事業を支えるキーテクノロジーであり、中国で急速に成長し、独自の強みを持つ分野でもあります。そのため、私たちは中国の技術やアプリケーションの動向を注視し、技術者、研究開発環境、データ、技術検証シナリオなどの優位性を積極的に活用してコア技術の開発を加速します。中国の企業や大学、病院など、現地のパートナーと進める共同イノベーションもその一つです。特に応用研究については、中国のイノベーション・エコシステムが提供するさまざまな施設を積極的に活用し、技術の応用化を加速しています。同時に、NEC中国グループ内の企業との連携を強化し、技術研究の成果をNEC中国のビジネスやソリューションにつなげていきます。

たとえば無線通信の研究分野では、中国の企業や標準化団体は国際標準化団体である3GPPよりも半年先行して、「5G-Advanced」などの新技術・新規格の議論を行っています。私たちはこうした議論に参加することで、技術や規格の最新動向をいち早く把握し、コア技術の早期特許化を実現します。

因果関係分析技術の応用研究では、国際的に著名な中国の市場調査会社と協力し、通信事業、小売業、金融業などの中国の有名企業を対象に、複数のシナリオで因果関係分析技術の応用可能性を検証しました。

機械学習技術の応用研究では、「消化器系がんの発生率が高いが早期診断率が低い」という中国の社会的課題に着目し、中国の主要病院と共同で消化器内視鏡検査品質管理のためのAI支援システムを開発しました。内視鏡の検査スポットの画像認識率では、業界最高水準を達成しています。
また、この技術を実際に応用するために、北京のイノベーション・エコシステムの活用も検討しています。無線通信やAIのコア技術研究をさらに強化し、AI技術の応用を加速していくつもりです。
中国研究院は、中国という地の利を活かし、よい人材を集め、イノベーションを持続的に起こして一流の技術的成果をより多くつくり出すことで、企業や社会に貢献することをめざしています。

所在地

6F, Landmark diplomatic office building D2 No. 19 East Road Chaoyang District, Beijing

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