Japan
サイト内の現在位置を表示しています。
授業内容に合わせて進めるICT活用
豊田市教育委員会様授業スタイルを変えるPC内蔵電子黒板とWindowsタブレット。実践的な活用でわかりやすい授業を実現。
豊田市教育委員会は、デジタル教科書導入の活用を促進するため、モデル校3校に電子黒板「Brain Board」8台、小中学校にWindows タブレット「VersaPro タイプVZ」を317台導入。
小学校では各教科で効果的にこれらの機器を利用し、子どもたちにとってはわかりやすい授業の展開、先生にとっては授業の準備の効率化や子どもたちへのより細やかなフォローの実現など、双方にとって効果的な活用が進んでいます。
今回導入機種:VersaProタイプVZ<2013年3月発表商品>
より良い授業の実現に向け、自然に利用できるICT機器を導入
豊田市教育委員会は、2012年度、小学校76校に4教科、中学校27校に5教科のデジタル教科書を導入。更に2013年度には、Windows PCを内蔵した、65型電子黒板「Brain Board」8台をモデル校3校に、小中学校にWindows タブレット「VersaPro タイプVZ」を計317台導入しました。
普段の授業でICT機器を無理なく自然と先生に使ってもらい、子どもたちにとってわかりやすく楽しい授業の実現を目指して、学校教育の更なる充実を進めています。
学校ICTを推進する豊田市教育委員会 学校教育課 山本様はICT機器導入について次のように語ります。
「ICT機器は、授業を良くするための手段として、ほんの一部かもしれません。しかし、そのICT機器を授業の中で先生や子どもたちに自然に利用してもらうことによって効果が期待できます。特にデジタル教科書を有効に活用するには、最新の電子黒板や、導入済みの大型モニタと接続して利用できるタブレットの導入が効果的ではないかと考えました」
先生の負担をできるだけ軽くし、幅広く利用できる機器を選定
豊田市教育委員会では、電子黒板とWindows タブレットの選定を慎重に比較検討しながら進めていきました。
「電子黒板の選定では、教室のどこからでも見やすいよう60型以上の大画面であること、子どもたちの身長に合わせて高さ調節できる昇降機能があること、そしてPC内蔵であることの3つを条件としました。この条件を満たしたのがNECのBrain Boardでした」(山本様)
特にPC内蔵という条件は、先生に負担をかけず安心して利用してもらうために欠かせないものだったそうです。一般的な電子黒板では、利用する際にノートPCなどを持ってきて接続する必要がありますが、慣れない先生では時間がかかることがあります。PC内蔵なら電子黒板の電源を入れるだけでPCも起動するため、こうした手間や不安を解消できます。
タブレットは、高性能のCPU搭載で快適に使えること、書き込みやすい大きな画面サイズ、USBフラッシュメモリや外部ディスプレイにつなげられるように豊富なインターフェイスを備え、OSがWindowsであることを条件としました。この条件に合い、セキュリティ面でも安心できるNECのVersaPro タイプVZを選びました」(山本様)
このように、利用シーンに合わせた最適な機器選定や、大型モニタなど既存の資産を生かすことで、ICT機器の効果的な拡充を進めています。
「2012年度のデジタル教科書の導入に伴い、これまで利用してきた教材などを見直してきました。今回も、授業で利用する機能として何が必要か検討を重ね、最適な機器を選定しています。こうした取り組みにより、Windows タブレットを市内の小中学校に配布できました」(山本様)
集合研修実施、ICT支援員、ポータルサイト設置などで利活用を促進
豊田市教育員会では、2013年の夏休みに小中学校の先生を対象に集合研修を実施するなど、積極的に教育現場のICT推進を支援しています。
「研修では、実際にICT機器を活用している先生の模擬授業を見てもらい、具体的な活用方法やどうすればもっと良い授業ができるのか議論しました。その成果もあり、学校や先生それぞれが工夫をしながら、授業での活用が進んでいるようです」(山本様)
また2008年度より、ヘルプデスクの役割を果たすICT支援員を採用。要請のある学校へ支援員を派遣して機器操作を教えています。更に2013年10月からは豊田市の教材ポータルサイト「POTETO(ぽてと)」をオープンし、全学年のデジタル教科書や教材へのアクセスを一本化。ICT機器操作の説明動画や先生方の作成した教材も公開しており、ノウハウ共有の場として活用されています。
ICT機器を活発に使いこなし、教育効果もアップ
電子黒板のモデル校に選ばれた豊田市立小清水小学校では、ICT機器の利用が活発に行われています。授業の内容に合わせて電子黒板単独または、Windows タブレットと大型モニタの組み合わせで利用しています。4年生の担任の岩月先生と澤田先生にお話を伺いました。
「ICT活用によって、子どもたちの関心や意欲を高められるのが最大の効果です。また教師にとっても、自分ではなかなか準備できないことも動画などで見せられるのが大きなメリットです。Windows タブレットのカメラで子どもたちが撮影した写真を発表するだけでも、子どもたちのモチベーションが上がりますし、機器を使いこなす喜びも味わっているようです」(澤田様)
「ICT機器は、授業の中で効果的に利用しています。4年生の算数では例えば、そろばんについて3年生で習った内容に積み上げて新たなことを学びますが、デジタル教科書の3年生の学習内容をみんなに見せて復習してから、新しく学ぶ4年生の内容に入ることができます。すると子どもたちの理解も進み、高い教育効果が期待できます」(岩月様)
ICT機器の活用にあたっては、市の研修を受講した先生を中心に校内研修も実施。ノウハウを共有することで、多くの先生が積極的に活用するようになり、わかりやすい授業の実践に取り組んでいます。
「なによりWindows タブレットや電子黒板は、子どもたちに対して言葉だけでなく視覚的な情報を同時に与えられるという点が助かります」(岩月様)
「例えば、国語で大事な文章に線を引きなさいと言ったとき、実際に文章の右側線を引いて見せたら、実はこれまで文章の左側に線を引いていた子どもたちがいたことがわかりました。このように、実際にやって見せることで、これまで気付きにくかった子どもたちのつまずきを見つけることができます」(澤田様)
ICT機器の導入は、子どもたちにとってわかりやすい授業を実現するだけでなく、先生にとって授業スタイルを変えていく一助となります。
デジタル教科書を活用した問題文やワークシートを、電子黒板やWindows タブレットで提示すれば印刷する手間もなく、授業準備を効率的にできます。更に、少しの工夫でクイズ番組のように問題文を動的に見せることができ、より効果的な問題提示に役立ちます。
「Windows タブレットは手元で操作しながら前を向いて説明できるので、これまで以上に子どもたちの反応を確かめることができ、より細やかなフォローができるようになります。それに、授業中に子どもたちの作業内容をWindows タブレットで撮影しておけば、授業後に見直すことも簡単です。家庭科の調理実習や体育の様子など過程を残しておきたいもの、縫い物など子どもたちの手元に残しておきたいものを評価する際には、とても重宝します」(岩月様)
現在、図工では子どもたちが気に入った作品を画像で紹介し合ったり、体育では動画によるフォームチェックに利用するなど、あらゆる教科で活用が進んでいます。更に、学芸会をはじめとする学校行事でのWindows タブレット利用も行われています。
「1学年5クラスありますから、現在ではICT機器の取り合いといった状況にもなってきています。子どもたちには操作も簡単な電子黒板をまずは利用してもらい、こうしたICT機器を身近に触れて慣れてから、Windows タブレットの利用へと進むのが自然な流れだと思います」(澤田様)
こうした現場の先生の工夫と、それを支援する教育委員会の取り組みの結果、ICT機器の活用は子どもたちと先生の双方にとって効果的であると実感しています。それは、教育委員会の行ったアンケートで、ICT機器を活用した授業を「わかりやすい、楽しい」と感じる子どもたちが小学校では約96%、「授業の準備が楽になった」と感じている先生は約80%という結果が出ていることにも表れています。
今後、豊田市教育委員会では、現在はモデル校に限られている電子黒板の設置を各校へ拡大し、より多くの学校で電子黒板とWindows タブレットの活用を進める計画です。
学校ICTにおすすめのタブレットPC
お客様プロフィール
豊田市教育委員会様
「生きる力を育み、学校が大好きな子どもの育成」「やる気と自信に満ちた教師の育成」「地域ぐるみの学校づくり」を重点目標とし、地域と共に歩む学校づくりを推進しています。「授業を好き、楽しい」と感じられる、ICT機器を活用したわかりやすい授業の展開に取り組んでいます。
豊田市立小清水小学校様
愛知県豊田市田町2-81
豊田市立小清水小学校は、明治42年創立の歴史と伝統のある学校です。「知・徳・体の調和のとれた子どもの育成」を教育目標に、「学び合う授業づくり」「健やかな心と身体の育成」に向けて創意と工夫のある教育活動を推進しています。
(2014年01月17日)
関連リンク
PC内蔵電子黒板とWindows タブレットが帰る授業スタイル 豊田市教育委員会様 導入事例
本事例のカタログをご覧いただけます。