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第1回 PI問題とは
LSIの高速化や多機能化とPI問題
LSIの高速化や多機能化によりLSIの消費電流量は年々増加しています。一方、LSIの電源電圧は低下してきており、その結果LSIの電圧ノイズマージンが急速に減少しています。
LSIが電流を消費する瞬間にLSIの電源ピン位置では電源・GND間に電圧降下が発生しますが、LSIの消費電流が大きければ大きいほど電圧降下は大きくなります。この時、電圧降下が電圧マージンを超えてしまうとLSIの誤動作が発生します。これがパワーインテグリティ(以下PI)問題の一つです。
また、LSIが出力する信号のジッタが大きく、アイパターンがつぶれてしまう場合があります。アイパターンがつぶれている場合、シグナルインテグリティー問題としてダンピング抵抗や配線のインピーダンス調整を行うことが多々あります。しかし、信号のジッタの原因がLSIの電源の揺らぎが原因であるケースが多く発生してきています。もし信号のジッタの原因がLSIの電源の揺らぎである場合、シグナルインテグリティー的な対策をとっても効果はほとんどありません。このようにLSIの電源品質が悪いために、出力される信号の品質が劣化することもPI問題の一つとなります。

PI問題を解決する方法として、LSIの周辺にキャパシタを配置します。しかし、どの値のキャパシタを、どの位置に、何個置いたらよいかということが判らないというところにPI対策の難しさがあります。