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PLMコラム ~BOM連載シリーズ~
BOM連載シリーズ
1.改めてBOMとは?
2.E-BOMとは何なのか?
3.E-BOMは何のために必要なのか?
4.E-BOMで管理すべき情報とは?
5.E-BOM構築で陥りがちな罠とは?
6.CAD構成とE-BOMの違いは?
7.M-BOMとは?
8.M-BOMの管理パターンとは?
9.統合BOM管理とは?
10.今製造業に求められているBOM管理とは
<執筆者>
NEC マネジメントコンサルティング統括部
ECMグループ ディレクター 杢田竜太
2002年より、20年以上に渡って、製造業:特に設計を主体としたエンジニアリングチェーン領域におけるデジタル技術を活用した業務革新(PLM/BOM/コンカレントエンジニアリング/原価企画等)支援に従事。製造業を中心とするお客様に対して、設計開発プロセスにおける業務コンサルティングを手がけている。

2025/4/23
1.改めてBOMとは?
さて、今回から「BOM連載シリーズ」が始まります。
第1回は「改めてBOMとは?」とし、わかった気になっているBOMについて理解を深めていくことにしましょう。
設計BOM(E-BOM)だ、生産BOM(M-BOM)だ、はたまた最近はソフトウェアBOM(SBOM)なるBOMも重要だ、となり、BOM祭となっている昨今ですが、元来BOMは「部品表(あるいは部品構成表)」と言って、今でいう生産BOM(M-BOM)のことを指していました。
コラム:「PLMソリューション」の歴史でも書きましたが、図面の中の部品構成欄がその原型であり、その情報を人が読み取って、生産管理システムに登録していました。
その目的は、「調達、生産をするためのマスター情報」であり、設計者は手配する部品やASSYの番号(品番)や員数を部品構成欄で示し、その仕様詳細を図面内で図示・注記で表現して生産に指示をしていたのです。(この指示のことを「出図」と言います。)
しかし、「図面」はイメージ図である特性がある一方、「BOM」はメタデータとして管理することができる特性があり、当時発展してきたRDB(リレーショナルデータベース)での管理親和性が高く、BOMは図面から切り離して管理されることになってきました。
1990年代までは、PDMと呼ばれる電子管理システムで図面を管理し、そのデータを生産管理マンが生産管理システムに登録していましたが、現在では、様々なBOMやBOP(Bill of Process)をPLMと呼ばれるデータベースシステムで管理することが通常となっています。
では、改めて「BOM」とは何なのでしょうか?
下図は、1990年頃のNEC内での生産管理教育テキストからの抜粋ですが、これほどうまくBOM(部品表)を表した図は無いと思います。
このテキストでは、自宅でのカレー作りを工場での生産管理に置き換えて、MRPの仕組みについて説明しています。
つまり、カレーを10皿作りたいとき、米はいつ、何合必要か、という計算をさせ、そのベース情報として、BOM(部品表)、MPS(基準生産計画)、在庫情報が必要だ、と説明しています。
つまり、ある製品(やユニット)を作ろうとした際に必要となる部品や材料を、階層構造(ストラクチャー型)で表したモノを、一般的にBOM(部品表)と呼ぶのです。
参考までに、階層構造を持っていないフラットなBOMのことを「サマリー型部品表」と呼ぶケースもあるのですが、一般的には、「部品リスト」とか、「部品一覧」と呼ぶことが多く、最近では「サマリー型部品表」と呼ぶことが少なくなりました。
では、何のために部品表(当時はまだBOMという言葉ではなく、部品表と言っていました)を必要としたのでしょうか?
これまでのコラムを読んでいただいている人は、もうおわかりですね。
資材所要計画(MRP)計算の基準情報として、この部品表の維持・メンテが一般的なものになってきたのです。
下図は、当時NECが販売していたオフコン向け自社開発生産管理システム:C&C CIMS FACTOR-MRPSの機能情報関連図の一例です。
MRPに繋がる基準情報として、部品表情報管理(BOMではなく、BMPと呼んでいますね)が配置されています。
この頃から、生産管理システムの外に設計部品表管理(いわゆるE-BOM(設計BOM))が配置されているのは、なかなか先見の明のある図となっています。
また、この例は製番型の個別原価管理方式での例となっていますので、在庫管理モジュールが存在しません。
さて、2025年度最初のコラムは、BOMシリーズの第1回でした。
改めてBOMの出始めについて確認したところで、次回以降は、複数回に渡って「E-BOM(設計BOM)」について考えていくことにします。
BOM連載シリーズ
1.改めてBOMとは?
2.E-BOMとは何なのか?
3.E-BOMは何のために必要なのか?
4.E-BOMで管理すべき情報とは?
5.E-BOM構築で陥りがちな罠とは?
6.CAD構成とE-BOMの違いは?
7.M-BOMとは?
8.M-BOMの管理パターンとは?
9.統合BOM管理とは?
10.今製造業に求められているBOM管理とは
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