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国民のwell-beingを実現する相続へ ~AI活用電子遺言作成サービス~
相続手続きにおいて、遺族は大切な方を亡くした悲しみの中、相続人の確定から遺産の処分に至るまでの多くの手続を、限られた時間で強いられます。さらには、「争族」と称されるように、良好だった親族関係が一変してしまう争いが発生してしまうことも少なくありません。
こうした課題の解決にむけて効果的なデジタルの活用について、法制度改正への期待も視野に入れて考えてみます。
戸籍の一層のデジタル化
法定相続人を確定させるには、亡くなった方の出生時から死亡時に至るまでの全ての戸籍謄本を、保管されている各市区町村から入手する必要があります。
戸籍がすべてデータ化され、法定相続人であることを証明できる情報をオンラインで入手できるようになれば、遺族の負担は大幅に軽減するでしょう。
戸籍法を所轄する法務省では、戸籍証明書情報のオンライン化を令和6年度(2024年度)を目途に進めていますが、相続手続きに必要な過去の戸籍の情報は、現時点ではオンライン化対象外となっています。2021年9月8日に実施された政府規制改革会議デジタルWGにおいて、法務省から相続手続きも視野に入れて再検討するとの発言があり、今後の可能性が期待されるところです。
希望者に対する、個人資産情報の見える化
遺言がない場合に、遺族の頭を悩ませるのがすべての個人資産の把握です。遺族は、相続税申告や相続登記の手続きを行う必要がありますが、その際、資産の把握に漏れがあると過少申告や過料の支払いなどの指摘を受けることになります。昨今はネットバンキングなどデジタルで管理されている資産も増え、遺族による発見が難しいという状況も生じています。
これらも、行政や金融機関の保有する本人に紐づく不動産や金融資産情報が、生前の本人意思に基づいてデータ連携がなされていれば、遺族の手間が大幅に削減されますし、無用の罰則を受けることもなくなります。また相続登記の抜け漏れが無くなることで、所有者不明土地発生の抑止にも寄与するでしょう。
遺言のデジタル化で、「有効」で「相続人に納得のいく」遺言書を作れるように
相続手続きでは「有効」な遺言があれば、煩雑な手続きの多くが不要になります。またその内容が、「相続人の納得のいく」ものであれば、トラブルになりやすい遺産分割協議をスムーズに進めることにもつながります。
「有効」で「相続人の納得のいく」遺言の作成には、ある程度の知識と費用が必要です。
これもデジタルの力によって、知識が十分でなくても、誰もがいつでも遺言作成できるようになれば、「争続」の抑制にもつながるのではないでしょうか。
下図は、AIによって遺言作成者の知識不足を補い、「有効」で「相続人の納得のいく」遺言を作成できる近未来サービスのイメージです。
ここでは、遺言作成者に、遺族の争いになりうる要因や「親族間で争わないで欲しい」との遺言作成者の思いを伝える文面作成に気づきを与える機能などを組み入れています。様々な法制度の改正とデジタルの力で実現できるものと考えています。
画面例
国民のwell-beingのために作られた法制度はデジタル活用でその価値を発揮する
遺言内容の電子的な共有を図ることができれば、遺族が行わなければいけない行政手続きや民間手続きの多くの自動化や、所有者不明土地の発生の抑止、孤独死に伴う地方公共団体の負担の軽減にもつながるでしょう。また助け合っていくべき人間関係が良好に維持され続けることは、社会全体のwell-beingに寄与するのではないかと思います。
法は、社会のwell-beingを維持するために、相互尊重の理念に基づいて作られています。個人の知識の不完全さをデジタルが補い、信頼し合うべき人の願いや思いが、時空を超えて共有されることで、法制度の目的の達成が促進されるでしょう。
Well-beingの維持というゴールを目指し、法制度整備への提言や、デジタル活用についてのお客様との対話を進めてまいりたいと思います。
- ※本コラムはAI支援による遺言作成の将来イメージの予測です。現時点でのサービスを紹介したものではありません。