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ご存知ですか? 企業が使える住民データ ~非識別加工情報~

行政機関等が持つ個人情報を加工した「非識別加工情報」を活用し、企業は産業・サービスの創出などに役立てることができます。この非識別加工情報の概要と活用例を説明します。

非識別加工情報の概要

非識別加工情報とは

行政機関等が持っている個人情報を、特定の個人を識別できないように、かつ個人情報に復元できないように加工されたデータ(ビッグデータ)です。企業等は、このデータを分析し、経営全般、企画・開発、マーケティングなどに活用できます。

どのような情報があるのか、統計データとの違いはなにか

たとえば市区町村には、家族構成、所得情報、医療・介護及び福祉サービスの受給状況、乳幼児健診やがん検診の結果など、多種多様な個人情報があります。こうした個人情報を企業等の利用目的に応じて組み合わせて匿名化した個人データが非識別加工情報です。
複数人の個人データを分類ごとに集計して得られる統計データ(オープンデータ)とは全く性質が異なります。

非識別加工情報の活用例

次のようにデータを組み合わせることで、商圏分析をはじめとしたさまざまな判断の裏づけとしての活用が想定されます。

●エクステリア店等の商圏分析
家族構成(住民基本台帳)、所得(個人住民税)、土地や家の広さ(土地家屋固定資産税)、車種・年式(自動車税、軽自動車税)など


図:活用例1

●ドラッグストア等の商圏分析
家族構成(住民基本台帳)、所得(個人住民税)、診療・服薬状況(国民健康保険・後期高齢者医療)、介護状況(介護保険)など


図:活用例2

●工業機械保守サービス業者等の商圏分析
事業主(個人住民税)、所得(個人住民税)、事業所(償却資産固定資産税)、保有する機械、装置、運搬具、工具、器具等(償却資産固定資産税)など


図:活用例3

●樹勢回復、土壌改善、消毒業者等の商圏分析
耕作者(農地基本台帳)、所得(個人住民税)、耕作地、耕作面積、耕作物(農地基本台帳)など

図:活用例4

非識別加工情報の特徴

行政機関が保有するデータが基になるため次のような特徴があります。

●データの信頼性が高い  :
情報の鮮度や精度が高く、また悉皆的である
●データの種類が多い   :
地方公共団体など行政機関が持つデータのため、情報の種類や蓄積量が多い 例)自動車保有状況、健診結果 など
●自社での集計が不要   :
あらかじめ指定した条件のデータを入手できる

企業が非識別加工情報を利用するには

毎年度1回以上、各行政機関がWeb等で募集要項を公示することとされています(地方公共団体について2018年時点で対応している団体は一部に限る)。その募集要項に沿って企業は提案書を作成し提出すると、行政機関で審査・見積もりが行われます。企業はその見積もりを踏まえ、契約をするかどうか判断できます。