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コラム6: クラウドデモ環境をお見せします
NECの常設AWSクラウドデモ環境
NECで中央省庁・公的機関領域のお客様の支援を行っている事業部門では、常設のAWSクラウドデモ環境を有しています。この環境は希望すればどなたでも見ることができます。仮想サーバ(Amazon EC2)によるWeb-AP-DB構成やそれらをサーバレス構成にしたもの、AWSマネージドサービスによるジョブ管理、AWSツールを利用したDB移行などのデモデモをいつでも実施できる状態でご用意しています。
NECでは、その時点でのクラウド技術や政府情報システムのトレンドを確認できるデモ環境を整備しています。また、AWSの新サービスや追加機能など、我々がデモ環境として必要と考えるAWS構成に常に最新化しています。このようなデモ環境を活用した社内向けのデモやお客様向けのデモを行っており、以下にその一部をご紹介したいと思います。
デモルームNo | 概要 | 主なAWSサービス |
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Room1 | 仮想サーバ環境 |
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Room2 | Single-AZ影響再現環境 | (Room1と同じ) |
Room3 | アプリケーションパフォーマンス(APM)環境 | |
Room4 | 疑似障害発生環境 |
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Room5 | サーバレス環境 |
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Room6 | 仮想サーバでのオートスケール環境 | (Room1と同じ) |
Room7 | ログ分析・可視化環境 |
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Room8 | ジョブ処理環境 |
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Room9 | DB移行環境 |
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NECがデモ環境をご提供する3つの理由
このようなデモ環境をなぜ用意したのでしょうか。理由は次の3点です。
①見えるもので会話を!
クラウドへの移行にともない、日々の運用業務への影響がやはり気になる点だと思います。例えばシステムの監視について、AWSであればAmazon CloudWatchを監視のためのサービスとして選択します。しかし、実際に画面がどのように変わるのか?これまで見ていたようなCPUやメモリ、ディスク空き容量の監視はできるのか?それらが解決すると、次に監視の間隔は?監視しない時間帯を設けられるのか?・・・などこれまで運用に携わっていた方はまずはこの辺りの変化が気になるのではないでしょうか。
実物を少し触ってみて、動きを見てみるとすぐにイメージがつかめるのですが、会話だけでイメージをつかむのはかなり大変です。また、サーバレスサービスのように従来のオンプレミスアーキテクチャから大きく運用が変わる構成を検討する場合、机上検討だけで仕様をまとめるのは不安があるのではないでしょうか。
私自身、クラウドに携わり始めた当初に、気楽に実物が見られるAWS環境があればよいのに・・・と何度も思った経験があり、これもデモ環境整備推進のきっかけの一つとなりました。
②見積の精度向上!
AWSを使いこなし、費用を最適化していく方法の一つがサーバレスなどのクラウドサービスの活用です。例えば、仮想サーバであるAmazon EC2が基本的に時間課金なのに対して、AWS Lambdaなどサーバレスサービスでは利用した回数による回数課金となります。使った分だけ課金されますので、非常に合理的です。
しかし、この回数を見積ることがなかなか大変です。また、クラウドに移行することで業務アプリケーションが有していた処理場のボトルネックや弱点が表面化する場合があります。そのため、クラウド環境やクラウドサービスの特性を踏まえた業務アプリケーションへの改修が必要となる場合があり、そのコスト算出も必要となる場合があります。従来は問題なく使えていただけに、このようなボトルネックや弱点などは実際の環境で試してみないとなかなか発見・認知ができないのではないでしょうか。
Amazon CloudWatch など、1回あたりの課金額が極めて少ないサービスなども実際に動かしてみることで、どの程度の課金額となるのか把握できると思います。また、VPCエンドポイントなど、机上での考慮では漏れがちな課金サービスを見つけることもデモ環境をご利用いただくことで気づきを得やすくなります。
③概念実証(PoC)の効率化!
3点目は概念実証(PoC)による評価の効率化です。常設AWSクラウドデモ環境は、現在の技術的なトレンドをもとに官公庁・自治体情報システムのクラウド移行時に想定される構成としており、個々のクラウド移行案件へ常設AWSクラウドデモ環境の設計情報や構成を転用することも可能です。これにより、クラウド移行案件での構成検討やPoCに活用でき、検討・検証の効率化ができます。
このように、クラウド検討に携わる我々自身の「あったらいいな!」を叶えるため、常設のAWSクラウドデモ環境をフル活用しています。
クラウド検討をよりスマートに
AWSなどパブリッククラウドでは随時サービスの更新が行われています。項目の追加や画面の変更なども頻繁です。(AWSの場合、更新情報は「Amazon Web Services ブログ」が参考になります)
NECは常設のデモ環境を持っていることで、そのようなサービス変更の確認も常に行っています。更新される魅力的なサービスや機能をいち早く評価し、お客様情報システムへの効果適用を検討できます。物理的な環境を気にせず、このような環境を構築し運用できるのはクラウドの大きな利点だと思います。このような利点を活用し、クラウド検討をよりスマートに進めていくことが今後は重要です。
さいごに
NECでは、長年の中央省庁・公的機関領域でのシステム構築実績に加え、各パブリッククラウドサービス事業者との協業関係にあり、最新トレンドに基づいた技術提供が可能です。今回ご紹介した、常設AWSクラウドデモ環境でのデモ希望など、クラウド検討の良きパートナーとして、ぜひNECにお気軽にご相談ください!
公開日 2023/6/15
本コラム内容は公開日の時点の情報を基に記載しています。
開発者紹介
堀田 佳宏
(ほった よしひろ)NEC ガバメントプラットフォーム統括部 クラウドアーキテクトグループ
上席プロフェッショナル兼ディレクター
2023 Japan AWS Ambassadors
2023 Japan AWS Top Engineers(Services)
学生時代に見た「serial experiments lain」に感銘を受け、ネットワークエンジニアを夢見て上京。民需、金融、官公庁・自治体のネットワークを中心としたプラットフォーム領域のシステムインテグレーションに従事。プラットフォームシステムインテグレーションの魅力にハマる。2017年より官公庁領域でのクラウド技術検討を開始。官公庁領域におけるクラウド移行の提案や技術支援、情報集約を行うチーム Cloud Architect Team(CAT)を立ち上げ活動中。クラウド移行の提案や技術支援、情報集約から得られた知見を活用したクラウド関連サービス企画も実施中。趣味はDIY、ビリヤード。学生時代にやっていたライフル射撃(エアライフル)を再開する機会をうかがう日々を送る。