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コラム4: CATがズバリお答えします!「運用はどう変わるの?」

こんにちは。NECで主に官公庁・自治体のお客様向けのご支援をしているクラウドアーキテクトチーム(Cloud Architect Team)、通称CATの堀田です。今回は、クラウドの支援活動を行う中でいただくことの多い運用に関するご質問にお答えしていきたいと思います。

オンプレミス構成とクラウド構成での運用の変化

AWS等のパブリッククラウドへの移行に際して、運用は従来と比較してどう変化するかという質問も、コスト関連の質問に続いて沢山いただきます。様々な観点で違いはありますが、最も影響が大きいのは運用の在り方だと考えています。

あくまで一例ですが、組織外との接続を行わないクローズドなシステムでは下記のような運用が多かったのではないでしょうか。

  • オンプレミス構成時の運用
    各種テストをクリアした構成にて「凍結」し、運用開始時の状態を保つこと

それに対して、クラウドの運用は下記のような運用が求められます。

  • クラウド構成時の運用
    クラウドは「変化・進化」する、その時点で最適なシステム状態に維持すること

多くのパブリッククラウドサービスは、最新技術を取り入れ常に変化・進化していきます。その変化は自分たちのシステム環境にも自動的に適用されていく場合が多いです。一方、オンプレミス構成時は、システム利用者または運用者が適用を決断しなければ、システム構成は基本的には変化しなかったと思います。

クラウドの変化・進化は基本的により良くなる方向に向かっていきますので、これを活用検討しない手はありません。すなわち、クラウドではその時点で最適なシステム状態とする運用が合理的と言えます。これが、オンプレミス構成とクラウド構成での運用の大きな違いです。

AWSでの変化の状況を見てみよう

各パブリッククラウドサービスで、サービスの更新(=変化)の状況が公開されています。AWSの場合は、Amazon Web Servicesブログの「new window週刊AWS」にて毎週情報が更新されています。

見ていただくと、毎週多数の更新が行われていることがわかると思います。もちろん、これらすべての更新が運用されているシステムに影響するわけではありません。ただ、現在の運用をより効率化できる更新や、クラウドランニングコストの削減につながる更新が含まれている可能性があります。

このような更新情報を随時確認し、運用しているシステムへの影響を確認する。そして、適宜その変化に柔軟に対応していく運用スコープ、役務がクラウド運用では求められます。またそれが運用改善にもつながります。

運用もスマートに

new window「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」*では、その資料内で繰り返しクラウドのスマートな利用について言及されています。

クラウドのスマートな利用と聞くと、クラウドサービスの組み合わせや構築部分に目が向きがちですが運用にも当てはまります。例えば、クラウドサービスの活用や自動化による運用の省力化、IaC (Infrastructure as Code)に即した環境のコード化による運用操作手順作成の効率化などです。

運用を意識したクラウドサービスの組み合わせとシステムに最適なクラウドサービスに即した運用、双方のバランスを意識することで、より良いシステム構成と運用につながります。

*2022年(令和4年)12月28日 デジタル社会推進会議幹事会決定

さいごに

NECでは、長年の中央省庁・公的機関領域でのシステム構築実績に加え、各パブリッククラウドサービス事業者との協業関係にあり、最新トレンドに基づいた技術提供が可能です。また、今回着目したクラウド運用の実績も豊富です。情報システムのクラウド移行検討だけでなく最適な運用に向けた良きパートナーとして、ぜひNECにお気軽にご相談ください!

公開日 2023/4/28

本コラム内容は公開日の時点の情報を基に記載しています。


開発者紹介

堀田 佳宏

(ほった よしひろ)

NEC ガバメントプラットフォーム統括部 クラウドアーキテクトグループ
上席プロフェッショナル兼ディレクター

2023 Japan AWS Ambassadors
2023 Japan AWS Top Engineers(Services)


学生時代に見た「serial experiments lain」に感銘を受け、ネットワークエンジニアを夢見て上京。民需、金融、官公庁・自治体のネットワークを中心としたプラットフォーム領域のシステムインテグレーションに従事。プラットフォームシステムインテグレーションの魅力にハマる。2017年より官公庁領域でのクラウド技術検討を開始。官公庁領域におけるクラウド移行の提案や技術支援、情報集約を行うチーム Cloud Architect Team(CAT)を立ち上げ活動中。クラウド移行の提案や技術支援、情報集約から得られた知見を活用したクラウド関連サービス企画も実施中。趣味はDIY、ビリヤード。学生時代にやっていたライフル射撃(エアライフル)を再開する機会をうかがう日々を送る。