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コラム1: NECのCATって?クラウドCoEとの違いをご説明します
こんにちは。NECで主に官公庁・自治体のお客様向けのご支援をしている堀田です。これから複数回に分けて、私たちの紹介や、お客様からよくいただくご質問、トレンドを踏まえたクラウド環境のあり方などをわかりやすく解説します。
初回は、私が所属する官公庁案件のクラウド技術支援組織、クラウドアーキテクトチーム(Cloud Architect Team)、通称CATについてご紹介します。
どんなことをしているのか?
CATというかわいらしい名前のチームは、NECで主に中央省庁・公的機関領域でのシステムインテグレーション事業を行っている官公ソリューション事業部門内の組織です。これまでのNECの官公庁領域でのノウハウを生かしつつ、お客様に新たな価値提供を行う機能を持つ部署クラウド・プラットフォームソリューション統括部サービス開発グループに所属しています。
この領域では、クラウド・バイ・デフォルト原則*のもと、情報システムのクラウド化が進められています。現在、中央省庁・公的機関領域の多くの情報システムはサーバ室、電算室、データセンタといった環境にサーバやストレージ機器を設置し、その環境上で稼働しています。これら情報システムをクラウドに移行するプロジェクトが進められています。CATはこの情報システムのクラウドプロジェクトに関して、提案支援や技術支援を行う役目を担っています。
*<キーワード解説>「クラウド・バイ・デフォルト原則」
2018年6月に日本政府によって打ち出されたもので、政府情報システムなどを構築する際はクラウドの利用を第一に考えるという方針です。この原則のもと、行政サービスを利用者の目線から見直し、「行政サービスの100%デジタル化」を目指すこととされています。
クラウドCoEとの違い
現在、様々な組織でクラウドを推進するため、クラウドCoE(Cloud CoE:Center of Excellence)の設置が進められていると思います。クラウド CoEとは、組織のガバナンス、知識・ノウハウの共有、組織内のコンサルティングの役割を持っており、NECでもクラウドCoEを有しています。
(参考)AWS活用支援
CATは、クラウドCoEに近い役割を担っていますが、中央省庁・公的機関領域でのクラウド提案戦略支援や知識・ノウハウの共有に軸を置いています。中央省庁・公的機関領域でのクラウド移行に特化することで、政府動向を踏まえつつ、クラウドCoEとの連携によるクラウドの最新トレンドに沿ったご提案や技術支援が可能になります。では、政府動向の中でNECのCATが特に注目しているのはどの点なのでしょうか? ズバリ、「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」です。
中央省庁・公的機関領域でのクラウド動向
中央省庁・公的機関領域では、次々と新しいクラウド利用方針が示されています。
日本でのクラウドを取り巻く状況
クラウド・バイ・デフォルト原則、クラウドファーストといったキーワード注目されて久しいですが、最近では特に「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」に示されたクラウドサービスのスマートな利用が課題になってきています。多様化するクラウドサービスの中から、目的に応じたものを適切に選びとってどう使いこなすかを悩まれるお客様が多いです。
また、「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)*」のようなセキュリティ考慮も必要となります。仮に、中央省庁・公的機関領域のお客様情報システムをAWSクラウド上に構築する場合、現状ではISMAPクラウドサービスリストに登録されたAWSサービスを前提に、「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」に沿った構成を検討することが求められます。
*<キーワード解説>「ISMAP」(イスマップ)
ISMAPは政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(Information system Security Management and Assessment Program)の略。政府が求めるセキュリティ要求を満たしているクラウドサービスを予め評価・登録することにより、政府のクラウドサービス調達におけるセキュリティ水準の確保を図り、もってクラウドサービスの円滑な導入に資することを目的とした制度です。
中央省庁・公的機関領域固有ともいえるこれらのクラウド動向や考え方・指針に追従し、最適なクラウド移行提案を支援する。そして、これまでNECが携わってきた中央官庁・公的機関領域での経験をもとに、効率的に知識・ノウハウを共有する。そのための組織がCATです。現在はお客様への提案同行・支援のほか、社内の勉強会などを行い、活動の幅を広げています。
今回は、CATのご紹介や中央省庁・公的機関領域でのクラウド動向をご紹介しました。次回は、官公庁案件でよくいただくご質問にお答えしたいと思います。
CATチームへのご相談・お問い合わせは以下のボタンからお気軽にご連絡ください。
公開日 2023/3/20
本コラム内容は公開日の時点の情報を基に記載しています。
開発者紹介
堀田 佳宏
(ほった よしひろ)NEC ガバメントプラットフォーム統括部 クラウドアーキテクトグループ
上席プロフェッショナル兼ディレクター
2023 Japan AWS Ambassadors
2023 Japan AWS Top Engineers(Services)
学生時代に見た「serial experiments lain」に感銘を受け、ネットワークエンジニアを夢見て上京。民需、金融、官公庁・自治体のネットワークを中心としたプラットフォーム領域のシステムインテグレーションに従事。プラットフォームシステムインテグレーションの魅力にハマる。2017年より官公庁領域でのクラウド技術検討を開始。官公庁領域におけるクラウド移行の提案や技術支援、情報集約を行うチーム Cloud Architect Team(CAT)を立ち上げ活動中。クラウド移行の提案や技術支援、情報集約から得られた知見を活用したクラウド関連サービス企画も実施中。趣味はDIY、ビリヤード。学生時代にやっていたライフル射撃(エアライフル)を再開する機会をうかがう日々を送る。