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NECセキュリティスキルチャレンジ2019を開催
NECセキュリティブログ2020年3月27日
NEC サイバーセキュリティ戦略本部セキュリティ技術センターの小林です。
2020年2月3日~16日に社内CTF「NECセキュリティスキルチャレンジ 2019」を開催しました。本記事ではその模様をレポートします。
NECセキュリティスキルチャレンジとは
NECでは、セキュリティの素養を持つ人材の発掘と育成を目的に、年に1回、NECグループ社員であれば誰でも参加できる社内CTFを開催しています。
CTFとは、一般的にはセキュリティのコンテストであり、フラグと呼ばれる答えを、様々なテクニックを駆使して見つけ出し、点数を競い合う競技です。
NECセキュリティスキルチャレンジは、2015年度の初開催から今年度で5回目を迎える大会であり、参加者には2週間で101問(チュートリアル問題含む)の問題に挑戦してもらう、年に一度の大規模な社内CTFイベントです。また、参加取り扱いは、業務外(自主研修)の扱いで、主に自宅のPCやスマホを使って解答してもらっています。
今年も2週間で全101問のCTFに挑戦してもらいました。
出題ジャンル
問題はWeb上(インターネットからアクセス可能)に14日間問題を公開し、参加者は好きな順番、タイミングで問題に取り組むことができるようになっています。毎日こつこつ取り組むスコアアップする参加者もいれば、週末一気にスコアアップする参加者もおり、参加者の個性も垣間見られます。
ジャンルは全9ジャンルを用意しました。
- OS:OSの仕様に基づく知識・スキルが問われる
- Webアプリ:Web特有の脆弱性に関する知識・スキルが問われる
- ネットワーク:pcapファイル等からネットワークパケットを解析するスキルが問われる
- バイナリ:実行ファイルの解析スキルが問われる
- 事故解析:OS上に記録される各種痕跡を解析するスキルが問われる
- 暗号:古典暗号や現代暗号に対する解析スキルが問われる
- 防御系:セキュアコーディング等、セキュア開発に関する知識が問われる
- トリビア:他ジャンルに含まれない、セキュリティ関連の雑学が問われる
- DFIR(新ジャンル):疑似的なセキュリティ侵害を受けたOSのイメージファイルに対して様々な観点で解析を行う知識・スキルが問われる
またここで、特徴的な問題ジャンルについて、詳細に説明いたします。
防御系
セキュアコーディング等、セキュア開発に関する知識・スキルが問われるジャンルです。具体例として「FWのブラックリストをテキストファイルで作成し、そのハッシュ値を回答せよ」という問題が出題されます。これは、セキュリティの素養を持つ人材の育成という観点から、セキュア開発を実践していく上で、どのようにシステムを堅牢化するかについて、CTFを通じて学んでもらいたい、という思いがあり、2017年度に新設されたジャンルです。
DFIR
参加者には1つのOSイメージファイルが渡され、そのファイルをターゲットに出題内容に従って解析を行うジャンルです。事故解析と酷似した問題ジャンルになりますが、こちらは侵害を受けたOSのイメージファイルに対し、インシデントレスポンスを想定したフォレンジック解析を行い、いつ、どんな攻撃が、どこから行われ、どのような事をされたのか、を明らかにするものです。こちらのジャンルも今大会から新設されました。
防御系はシステム開発に携わるSEをターゲットに、セキュア開発に関わる知識・スキルを問う問題としました、一方で、DFIRではセキュリティアナリスト等、セキュリティ専門職をターゲットに、解析スキルを問う問題としました。
結果について
上位陣の得点推移は以下の通りです。最後まで激しい争いを繰り広げ、特にTop3は200点以内(満点は11441点)の僅差での決着となりました。
過去大会は一律2月1日開始、2月14日終了としていたのですが、今年は2月1日が土曜日だったため、(運営側の負担も加味し)2月3日の月曜日開始としました。そのためラスト2日が土日ということもあり、急激にスコアが伸びるなどラストスパートをかけた参加者もいました。
表彰式
大会終了後は、上位入賞者を対象に表彰式を行いました。表彰対象は以下のカテゴリ・基準で選出しています。
カテゴリ | 基準 |
---|---|
総合成績優秀賞(一般) | 一般部門(主にセキュリティ以外の仕事を担当)参加者のうち、 スコア上位5名を選出 |
総合成績優秀賞(エキスパート) | エキスパート部門(セキュリティの仕事を担当)参加者のうち、 スコア上位5名を選出 |
初参加成績優秀賞 | NECセキュリティスキルチャレンジ初参加者のうち、 スコア上位5名を選出 |
スコアアップ成績優秀賞 | 昨年度NECセキュリティスキルチャレンジ参加者のうち、 スコアアップ(昨年度大会スコアと本年度大会スコアの差分) 上位5名を選出 |
問題作成優秀賞 | 問題作成者のうち、良問作成者3名を選出 ※問題レビュワーや事務局メンバーの意見、受講者アンケートをもとに選出 |
今年は新型コロナウイルスの影響もあり、集合形式での開催は望ましくないと判断し、リモート会議システムを使用して、表彰式を開催しました。
現地開催を予定していた時は、地理的に遠い、前後の予定がある等、参加困難な者もいましたが、リモート形式にしたことで、全員に参加してもらうことが出来ました。準備には少し手間取りましたが、この形式で開催して良かったと感じました。
まとめ
今回新ジャンルとして追加したDFIRは、面白い、業務でも役立つという声が多数あった一方で、サイズが大きすぎてダウンロードできない等の声もありました。問題そのものは好評だったため、次回は運営面での改善を図りたいです。
また、全体を通じては、セキュリティの勉強・スキルアップにつながった、次回も参加したいという声を多くありましたので、次回も、参加者の皆さんに楽しみながらセキュリティの勉強・スキルアップにつながる大会にしていきたいです。
執筆者プロフィール
小林昌史(こばやし まさし)
セキュリティ技術センター セキュリティ実装技術チーム
NECグループのセキュア開発・運用を推進。主にクラウドのセキュアアーキテクチャ検討、リスクアセスメントに従事。また、2019年度より社内CTF運営に参画。
最近の悩みは、家庭内でのラテラルムーブメントにより、風邪をひきやすくなっていること。
情報処理安全確保支援士(RISS)を保持。
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