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クラウドを活用した業務データの災害対策/長期保管
BCPにマッチしたソリューション選択を

クラウドを活用した業務データの災害対策/長期保管

業務データをクラウドに保管する業務データを遠隔地で保管して災害対策、安価に長期保管するために、クラウドを活用できます。

バックアップは稼働系マシンのデータ破損/ハードウェア障害の復旧を実現。
加えて、クラウドを利用した災害対策やデータ長期保管まで実現します。

以下のようなデータは一定期間保持し、不定期に参照するケース、過去にさかのぼって利用/確認するケースが考えられます。

  • 電子メール(監査、退職者、不正防止、確証、etc.)
  • 動画/画像データ(確証、監視、経過データ、価値の高いデジタルデータ、etc.)
  • ログデータ(証跡、調査、分析、経年データ、etc.)

クラウドを活用する場合、以下のケースを想定し、要件を満たすBCP(事業継続計画)の策定と活用方法を検討します。

クラウドを活用したバックアップについて、データ保護の可用性/RTO/災害対策/バックアップ運用の継続/災害対策運用の維持などのテーマにおけるBCP要件を満たすかどうかを考える必要があります。

バックアップ方式の種類

パターン1:クラウドストレージへステージング
クラウドストレージへステージング(複製)するイメージ

オンプレミスにて一次バックアップ保存したものを、クラウドストレージへ複製(ステージング)転送する方式

パターン2:クラウドストレージへバックアップ
クラウドストレージへバックアップするイメージ

クラウドストレージへ直接バックアップ保存する方式

パターン3:クラウド内でバックアップ
クラウド内でバックアップするイメージ

IaaS環境内でバックアップする方式

パターン4:オンプレミスからクラウドへバックアップデータを転送
オンプレミスからクラウドへバックアップするイメージ

オンプレミスにて一次バックアップ保存したものを、IaaS環境マシンへ転送する方式

パターン5:オンプレミスのデータをクラウドのバックアップサーバで保護
オンプレミスのデータをクラウドのバックアップサーバで保護するイメージ

オンプレミスのデータをIaaS環境のバックアップサーバへ直接バックアップする方式

パターン6:クラウドのデータをオンプレミスのバックアップサーバで保護
クラウドのデータをオンプレミスのバックアップサーバで保護するイメージ

IaaS環境のデータをオンプレミスのバックアップサーバへ直接バックアップする方式

採用するバックアップ方式を検討していくにあたり、データの保護、または、災害対策 といった当初の目的を達成するため、以下のようなポイントを検討します。

1.クラウドやWAN回線の障害時においても、
バックアップやデータ復旧は可能か?[データ保護の可用性]

稼働系システムのサーバ故障だけでなく、データ破損など、日々のデータ復旧に対応しなければ、業務への影響は避けられません。クラウドやWAN回線の不調・障害が、日常のバックアップ/データ復旧に、与える影響を最小化し、業務中断・停止などの事態にならないよう検討することは大切です。
稼働系システムで一次バックアップを保持することで、これらのリスクは回避できます。

○ バックアップ・データ復旧ができる パターン1、パターン4
× バックアップ・データ復旧はできない パターン2、パターン3、パターン5、パターン6

2.業務マシンの破損時に、早急なデータ復旧/惨事復旧が可能か?
[RTO]

稼働系システムの業務サーバやディスク装置が破損し、サーバ全体、ディスク全体を復旧するケースがあります。
相応のデータ容量を復旧する必要に迫られますが、復旧用のデータを、帯域が限られたベストエフォート回線を経由して転送するケースや、転送速度が低下する地理的に遠隔地からの転送するケースでは、転送そのものに長時間かかり、業務再開が遅延する要因にもなります。
RTOを重視する場合は、稼働系システムで一次バックアップを保持することを検討します。

○ オンプレミスと同レベルのRTO パターン1、パターン4
△ 惨事復旧は不可などの制限あり パターン3
× データ復旧に長時間がかかる パターン2、パターン5、パターン6

3.オンプレミスのサイト災害時に、データが保全できるか?
[災害対策]

稼働系サイトの災害・障害発生時に、データ損失してしまう事態は避けなければなりません。
災害対策が必須要件の場合は、必ず、稼働系サイトとは別のサイト(クラウドやデータセンター、遠隔拠点等)にもバックアップデータを保管しておくことが必要です。

○ データ保全できる パターン1、パターン2、パターン3、パターン4、パターン5
× データが消失してしまう パターン6

4.オンプレミスのサイト災害時に、
クラウド側で早急にデータ復旧できるか?[災害対策]

万一、災害等で稼働系サイトが壊滅的被害に遭った場合、クラウドやデータセンターにある待機系システムにて、業務を再開することも考慮しなければなりません。その際、業務で利用していたデータは、代替の業務サーバで利用できるように、待機系システムへデータ復旧する必要が出てきます。
また、データ復旧作業が際限なく長時間かかってしまうと、業務再開もその分遅れてます。
「稼働系システムにおけるRTOと同レベルを維持する」など、復旧要件の検討が大切です。
待機系システムで、すぐにデータ復旧処理が開始できるような方式を採用しておく必要があります。

○ オンプレミスと同レベルのRTO パターン3、パターン4、パターン5
× データ復旧に長時間がかかる パターン1、パターン2
×× データ復旧に長時間がかかる パターン6

5.バックアップ時間が要件内に収まるか?
[バックアップ業務の維持]

そもそも、「バックアップ運用が回らない」、「長時間かかっている」、ような状況では、災害対策のためにクラウドやデータセンターへのデータ退避(転送)時間の確保も難しくなります。
データ規模が大容量になればなるほど、この課題に直面する傾向があります。
クラウドやWAN回線に影響されることなく、バックアップ処理は短時間に完了させることが大切です。
大容量データにおいても要件時間内にバックアップ処理が完了できる機能・方式を採用しておく必要があります。

○ オンプレミスと同レベルの処理時間 パターン1、パターン4
△ クラウド側のシステム性能・負荷状況によって
    バックアップが長時間かかる
パターン3、パターン5、パターン6
× バックアップに長時間かかる パターン2

6.クラウドへのWAN転送時間が要件内に収まるか?
[災害対策運用の維持]

バックアップ運用がうまく回っていても、クラウドやデータセンターへのデータ転送時間が長時間かかると、本来の災害対策を実現できません。そのため、WAN回線であっても短時間でデータ転送を完了できることがポイントになります。限られた時間内にWAN転送が可能な機能・方式を採用しておく必要があります。

○ 転送無し or 差分転送で短時間 パターン3、パターン4
△ 差分転送だが、クラウド側のシステム性能・不可状況に影響する パターン5、パターン6
× 転送に長時間かかる パターン1、パターン2

まとめ

これら検討ポイントと各バックアップ方式での実現レベルについて整理すると以下のようになります。

要件例 パターン
パターン
パターン
パターン
パターン
パターン
1. クラウドやWAN回線の障害時においても、バックアップやデータ復旧は可能か? [データ保護の可用性] × × × ×
2. 業務マシンの破損時に、早急なデータ復旧/惨事復旧が可能か? [RTO] × × ×
3. オンプレミスのサイト災害時に、データが保全できるか? [災害対策] ×
4. オンプレミスのサイト災害時に、クラウド側で早急にデータ復旧できるか? [災害対策] × × ××
5. バックアップ時間が要件内に収まるか? [バックアップ業務の維持] ×
6. クラウドへのWAN転送時間が要件内に収まるか? [災害対策運用の維持] × ×

各バックアップ方式によるメリット/デメリットをふまえて、
クラウドやデータセンターを利用したデータ保護、災害対策を検討することが重要です。

バックアップ方式(パターン)のメリット/デメリット・注意ポイント

パターン1:クラウドストレージへステージング

オンプレミスからステージング(複製)するイメージ

オンプレミスにて一次バックアップ保存したものを、クラウドストレージへ複製(ステージング)転送する方式

チェック観点 メリット デメリット・注意ポイント
RTO(データ復旧時間) オンプレミスは、通常バックアップ運用のRTO クラウド側バックアップデータからの復旧に長時間かかる
※オンプレミス側でバックアップデータを保管できるため ※WAN回線の実効転送速度(帯域/距離/混雑状況)が影響する
災害対策 オンプレミス・サイトの災害時にデータを保全 データ復旧までにかなりの手間・時間を要する
※クラウド側でバックアップデータを保管して実現 ※クラウド側で、業務システムおよびバックアップサーバの再構築、全てのバックアップデータのスキャン(長時間かかる)、データ復旧を実施
クラウドへの
転送処理
業務データにアクセスせず、バックグラウンドで転送 データ量が多いとステージング処理に時間がかかる
※取得済みバックアップを転送するため ※特に、フルバックアップの場合はバックアップデータの読み出し処理に時間かかる
バックアップ
運用
オンプレミスでの通常の運用レベルが可能  
クラウド障害時
WAN障害時
バックアップ運用・データ復旧(リストア)が可能 ステージング転送処理は不可
※オンプレミス側でバックアップデータを保管しているため

パターン2:クラウドストレージへバックアップ

パターン2クラウドストレージへバックアップするイメージ

クラウドストレージへ直接バックアップ保存する方式

チェック観点 メリット デメリット・注意ポイント
RTO(データ復旧時間)   データ復旧に長時間かかる(特にフルリストア)
※WAN回線の実効転送速度(帯域/距離/混雑状況)が影響する
災害対策 オンプレミス・サイトの災害時にデータを保全 データ復旧までにかなりの手間・時間を要する
※クラウド側でバックアップデータを保管して実現 ※クラウド側で、業務システムおよびバックアップサーバの再構築、全てのバックアップデータのスキャン(長時間かかる)、データ復旧を実施
バックアップ
運用
  データ規模が大きいとバックアップに長時間かかる(特にフル)
※WAN回線の実効転送速度(帯域/距離/混雑状況)が影響する
WAN障害時   ステージング転送処理は不可
クラウド障害時   バックアップは不可、データ復旧も不可、バックアップデータが損失する可能性がある
※クラウドストレージに障害対策が必要

パターン3:クラウド内でバックアップ

パターン3クラウド内でバックアップ

IaaS環境内でバックアップする方式

チェック観点 メリット デメリット・注意ポイント
RTO(データ復旧時間) クラウドでは、通常バックアップ運用のRTO クラウド側のシステム性能・負荷状況に復旧時間が左右される場合がある
※同じクラウド側でバックアップデータを保管できるため ※性能保証・帯域保証などの設定有無が影響する
※制限事項(例:OSの惨事復旧が負荷)があるケースの考慮必要
災害対策 利用者サイトの災害時にデータを保全 クラウド側サイトの被災によってデータ全損の可能性あり
※クラウド側でバックアップデータを保管して実現 ※バックアップデータの外部保管や別のクラウド拠点への複製などの対策を検討する
バックアップ
運用
クラウドで通常のバックアップ運用レベルの実現が可能 クラウド側のシステム性能・負荷状況にバックアップ時間が左右される場合がある
※性能保証・帯域保証などの設定有無が影響する
WAN障害時   データ復旧は不可(操作できない)
バックアップ運用の設定・状況確認は不可
※管理のためにクラウドサイトへアクセスできない
クラウド障害時   バックアップは不可、データ復旧も不可、バックアップデータが損失する可能性がある
※クラウド側に障害対策が必要

パターン4:オンプレミスからクラウドへバックアップデータを転送

パターン4オンプレミスからクラウドへバックアップデータを複製するイメージ

オンプレミスにて一次バックアップ保存したものを、IaaS環境マシンへ転送する方式

チェック観点 メリット デメリット・注意ポイント
RTO(データ復旧時間) オンプレミスは、通常バックアップ運用のRTO  
※オンプレミス側でバックアップデータを保管できるため
災害対策 オンプレミス・サイトの災害時にデータを保全 クラウド側のシステム性能・負荷状況にデータ復旧時間が左右される場合がある
※クラウド側でバックアップデータを保管して実現 ※性能保証・帯域保証などの設定有無が影響する
クラウド・サイトでデータ復旧が可能
※クラウド側で待機系業務マシンの用意は必要
クラウドへの
転送処理
業務データにアクセスせず、バックグラウンドで転送  
※取得済みバックアップを転送するため
差分データのみを転送し短時間に処理
バックアップ
運用
オンプレミスでの通常の運用レベルが可能  
クラウド障害時
WAN障害時
バックアップ運用・データ復旧(リストア)が可能 クラウドへの転送(レプリケーション)処理は不可
※オンプレミス側でバックアップデータを保管しているため

パターン5:オンプレミスのデータをクラウドのバックアップサーバで保護

パターン5オンプレミスのデータをクラウドのバックアップサーバで保護

オンプレミスのデータをIaaS環境のバックアップサーバへ直接バックアップする方式

チェック観点 メリット デメリット・注意ポイント
RTO(データ復旧時間)   データ復旧に長時間かかる(特にフルリストア)
※WAN回線の実効転送速度(帯域/距離/混雑状況)が影響する
災害対策 オンプレミス・サイトの災害時にデータを保全 クラウド側のシステム性能・負荷状況にデータ復旧時間が左右される場合がある
※クラウド側でバックアップデータを保管して実現 ※性能保証・帯域保証などの設定有無が影響する
クラウド・サイトでデータ復旧が可能
※クラウド側で待機系業務マシンの用意は必要
バックアップ
運用
差分データのみを読み出し&転送し短時間に処理 更新データ量とWAN環境(帯域/距離/混雑状況)に影響し、 バックアップ時間が左右される場合がある
※性能保証・帯域保証などの設定有無が影響する
WAN障害時   バックアップは不可、データ復旧も不可
※WAN経由のデータやり取り不可
クラウド障害時   バックアップは不可、データ復旧も不可、バックアップデータが損失する可能性がある
※クラウド側に障害対策が必要

パターン6:クラウドのデータをオンプレミスのバックアップサーバで保護

パターン6クラウドのデータをオンプレミスのバックアップサーバで保護

IaaS環境のデータをオンプレミスのバックアップサーバへ直接バックアップする方式

チェック観点 メリット デメリット・注意ポイント
RTO(データ復旧時間)   データ復旧に長時間かかる(特にフルリストア)
※WAN回線の実効転送速度(帯域/距離/混雑状況)が影響する
※制限事項(例:OSの惨事復旧が負荷)があるケースの考慮必要
災害対策   オンプレミス・サイト障害時にバックアップデータが損失
※データ保管義務クリアのために、別途、災害対策が必要
バックアップ
運用
差分データのみを読み出し&転送し短時間に処理 更新データ量とWAN環境(帯域/距離/混雑状況)に影響し、 バックアップ時間が左右される場合がある
※性能保証・帯域保証などの設定有無が影響する
クラウド障害時
WAN障害時
  バックアップは不可、データ復旧も不可
※WAN経由のデータやり取り不可
  • 各バックアップ方式における対応範囲や制限事項などは、各バックアップソフトウェア製品によって異なる場合があります。詳細は、弊社までお問合せ下さい。