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オープンネットワーク技術特集によせて
Vol.75 No.1 2023年6月 オープンネットワーク技術特集 ~オープンかつグリーンな社会を支えるネットワーク技術と先進ソリューション~新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが発生した2020年以降のわずか数年間で、就労や教育の現場をはじめ日常生活全般に至るまで大きな変化がありました。当初はその場所に出向くことの代替手段であった在宅リモートワークや遠隔教育、ネット通販などは、効率的な時間活用などの効果が見直され、従来の生活を取り戻しつつある現在においても、生活の一部として必要不可欠になりつつあります。これを支えている重要な要素が情報通信ネットワークです。
翻って、情報通信ネットワークを取り巻く社会環境や技術動向にも急速な変化が起きています。AI/ML(人工知能/機械学習)を活用したクラウド・エッジサービスの登場で、スマートフォンの画面を介して世界中のあらゆる情報に簡単にアクセスできるようになりました。さまざまな産業のデジタルトランスフォーメンション(DX)においては、大量かつ多様なデジタル情報を収集・分析し、最適化された処方を提供することで劇的な効率改善や新しい価値の創造をし続けています。これらのサービスの多様化を実現するために、情報通信ネットワークも単に高速化するだけでなく、オープンな環境で機器やソフトウェアを組み合わせることでニーズに合った構成に柔軟に対応し、人・モノ・コトを結び付けることが期待されています。その取り組みの1つがオープンアーキテクチャです。
NECでは、2010年代の初めから業界に先んじて情報通信ネットワークのオープン化を推進しています。ONF(Open Networking Foundation)でのリーダーシップを皮切りに欧州電気通信標準化機構(ETSI)のNFV(Network Function Virtualization)などに貢献し、コアネットワークのソフトウェア化・仮想化を実現してきました。これにより、サービスニーズに応じてネットワークを構成することが容易になりました。またここ数年は、O-RAN ALLIANCEにおける無線インタフェースのオープン化にも重点的に取り組んでいます。更にNECでは、2030年代の超高速通信の基盤となるオープン光・オール光の開発にも着手しています。これらオープンアーキテクチャに基づくコア・無線・光の技術アセットは互いに接続され、情報通信ネットワークが提供するサービス価値を飛躍的に高めると期待できます。
NECは、これらオープン化への取り組みを2022年にNEC Open Networksというソリューション群として発表しました。本特集ではこれらのソリューションスイートとともに、将来のBeyond 5G/6Gに向けた研究開発についても紹介させていただきます。
最後に、SDGs推進、特にカーボンニュートラルの観点からも情報通信ネットワークの進化が求められています。あらゆる人・モノ・コトがネットワークにつながる5Gオープンネットワークの時代には、膨大化するデータ通信とそのAI/ML処理に伴うエネルギー消費の抑制が必須です。通信事業者もカーボンニュートラル社会の実現に向けた環境目標を定め、GSMA(GSM Association)やNGMN(Next Generation Mobile Networks Alliance)などの国際団体を通じて表明しています。NECは、高効率な無線アンテナや光デバイスの開発や、オープンネットワークの運用管理の効率化によりその達成を目指して参ります。
- *O-RAN ALLIANCE、O-RANの名称とそのロゴは、O-RAN ALLIANCE e.V.の商標または登録商標です。
- *その他記述された社名、製品名などは、該当する各社の商標または登録商標です。