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予測分析は、何をどう使えるのか?主な手法をユースケースで解説

機械学習を用いてデータを分析し、将来を予測する「予測分析」には、さまざまな手法があり、予測したい内容にあわせて使い分けることで精度向上を期待できます。幅広いシーンで活用が進んでいる予測分析について、その背景を紐解くとともに、「どんなデータから何を予測できるのか」具体的な手法を解説します。

予測分析のメリット

機械学習では、データを学習することで規則やパターンを導き出すことができます。この規則・パターンを、新しいデータに適用することで、将来を予測できるようになります。

技術の進化による予測精度の向上、導入しやすいツールの登場などとあわせ、データをもとにした判断・意思決定が可能になるメリットは大きく、機械学習により「属人化を解消できる」「経験や勘に頼らず、判断の根拠が明確になる」と実業務でのデータ活用が加速。業務の改善やコスト削減、リスク低減、収益向上とさまざまな効果が期待されています。

予測分析の歴史

予測分析に用いられるAIは近年急速に注目を集めていますが、今は「第3AIブーム」と言われており、実はかなり前から研究が行われてきた技術です。

1950年代に始まった第1AIブーム、1980年代の第2AIブームにより、実用レベルまで達したものの、「必要な情報をAIが使える形に整えなければならない」点が大きなネックとなり、1990年代には冬の時代に入っていました。

その後、2000年代から今まで続いているのが第3AIブームです。背景には、コンピュータやストレージのスペック・容量が向上し、ビッグデータと呼ばれるような大量のデータを蓄積できるようになったことに加え、これらのデータをもとにモデルを実行、導かれた結果と既知の結果の差からAI自身で学習する「機械学習」が実用化されたことなどがあります。

さらに、AIに必要な「特徴量(分析対象となるデータの特徴を表す数値)」をAIが自ら学習する「ディープラーニング」の登場もあり、幅広いシーンでのAI活用が進むようになりました。

<Case:ターゲティング>より購入見込みの高い顧客を抽出したい

予測分析の主な手法

予測分析にはさまざま様々な手法がありますが、ここでは多く用いられる3つの手法を解説します。 

回帰

「回帰」はあるデータ(数値)から、別のデータを予測する手法です。データの特長や傾向から、未来などの「見えない値」を導くことができ、商品の需要予測や、広告のクリック数予測などに活用されます。 

回帰には、1つのデータから予測を行う「単回帰」と、複数のデータから予測を行う「重回帰」などがありますが、一般的にビジネスで行う予測ではさまざま様々な要因が複雑に絡むため、重回帰が用いられます。 

判別

数を予測する回帰に対して、対象をカテゴリへと分類するのが「判別」です。データの特長や傾向を読み解き、似た特長などを持つものをカテゴリにまとめることができます。この手法を使うことで、対象データを「正常」「異常」に分類し、不良品の判別などが可能になります。

ターゲティング

ターゲティングは判別と似た手法になりますが、判別でカテゴリ分けした対象から、さらにアクションを取るべきものを抽出します。対象ごとにスコアづけを行うことで、より目的に近い対象を抽出。例えば、「より購入見込みの高い顧客へのキャンペーン」などに活用できます。 

<予測分析ユースケース>手法ごとの使い分けを解説

これらの手法を実際どのように使うのか、売上向上を目指すケースで解説します。

<Case:回帰>売上数を予測する

売上向上を目指す場合も、まずは現状だとどれくらいの売上があがるのかを予測する必要があります。ここで求めたいのは「売上数」になるため、回帰の手法にて予測します。
過去の売上データに加え、キャンペーン実施期間かどうか、天候や最寄り駅の利用者数など関連するデータをもとに分析し、「いくつ売れるか」を導きます。

<Case:判別>だれが買うかを予測したい

実際に売上向上のためのマーケティング施策を行う際に必要なのは、「だれが買うか」の予測です。ここでは、判別の手法にて顧客を「購入見込みがある/ない」に分類することで、購入しそうな顧客を予測できます。
これにより、「購入見込みのある顧客にDMを送付する」といった施策が可能になります。 

さらに一歩踏み込んだマーケティング施策を行うには、「より購入見込みが高い顧客を抽出したい」といったニーズが出てきます。これにはターゲティングの手法により、判別で分類した顧客に対し「予測スコア」をつけることで対応。「予測スコア上位10%の顧客に、DMとあわせてクーポンを送付する」といったことが可能になり、より効果的な施策につながります。

予測分析のハードルを下げるAI自動化ソリューション「dotData」

予測分析にはさまざまな手法があるため、用途によって使い分けることで、高い効果を期待できます。そして、これらを使いこなし、精度を高めるためには、適切なデータの用意が不可欠です。しかし、データをAIが使える形へと整えるには、データサイエンスの知識だけではなく、ビジネスのドメイン知識も求められるため、人材がいない・時間がかかると大きな課題になっています。

こういった課題を解決し、予測分析の活用を容易にするのがAI自動化ソリューション「dotData」です。dotDataはデータの収集から加工、特徴量設計などを自動化できるので、データ分析の難易度が劇的に低減され、データ分析にかかる期間も圧倒的に短縮できます。これにより、分析の精度向上や、新たな知見を見出すために思いついたデータやユースケースがあれば、すぐに追加して、手軽に検証するといったアジャイルなアプローチが可能です。何度も高速に仮説・分析・検証サイクルを繰り返すことで、ビジネス施策の早期の実施や精度向上を実現します。

AIによる未来の予測は、ビジネスにおいて新たな知見となり、その価値は大きいはずです。まずは自社で何を予測したいのか、具体的にイメージするところから始めることをお勧めします。