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数理最適化の研究開発

2022年11月15日

世界最高峰の数理最適化に関する研究開発チームが
あなたの業務課題を解決します!

近年、機械学習技術の進化に伴い、AIがデータを分析することで高精度な予測が可能となる中、さらに、予測した情報に基づく意思決定を自動化する最適化技術が注目されています。

例えば、ダイナミックプライシングやシフトスケジューリング、配送計画など、膨大な選択肢の中から最適な意思決定案を選び出さなければならない業務において最適化技術が活用され始めており、大幅な業務負荷の軽減や業務スピードの向上が期待できます。

NECは、様々な独自技術の研究開発を進めており、国際学会などで高い評価を受けています。
これらの独自技術を活用することで、従来は最適化の導入が難しかった業務においても、お客様の課題解決を支援します

意思決定者のセンスを学ぶ

意図学習

過去の意思決定案から、現場の意思決定者のセンスを自動で学習

意図学習は、暗黙知に基づく意思決定をホワイトボックス化し、業務自動化を実現する技術です。意図学習では、再現したい意思決定の事例から、その判断センス(意図)を重みとして学習することで、従来、定式化にかかっていた時間や労力を大幅に削減し、迅速な最適化の導入に貢献します。意図学習により、熟練者と同様の意思決定の再現が可能になります。

事例:勤務シフトスケジューリング

労務ルールを満たすだけではない最適なシフトを作成

課題

従業員の休暇希望や、労働負荷の平準化を考慮しながら働きやすいシフトを作成するには膨大な労力を要する

解決策

必要人数、必要スキル、労務ルール等を満たしつつ、過去のシフト案から「休暇希望の反映度合い」「負荷の平準化」「人材教育」などの複数の観点に対するシフト作成者の判断センスを意図学習を用いて学習し再現

効果

シフト案の自動作成により、作成にかかるコストの低減だけでなく、急なシフト変更へも対応可能に

インプット・例
従業員一覧 / 従業員のスキル / 時給 / 業務ポジションの一覧 / 必要人数 / 各従業員のシフト希望表 / 実際のシフト表

アウトプット・例
勤務シフトスケジュール案

「逆最適化技術の第一人者」
江藤 力

2012年3月東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修士課程修了.同年4月NEC入社.機械学習・データマイニング・システム同定の原理研究やビジネス応用に従事し,2015年に第29回先端技術大賞(フジサンケイビジネスアイ賞)受賞.NECの最適化事業をけん引する.

探索しながら賢くなる

オンライン最適化

不確実な状況下でも、意思決定を試行
その結果から学習して意思決定案を改善


不確実性の高い環境下でも最適な意思決定を行えるオンライン最適化。レコメンドのパーソナライズやダイナミックプライシングなどにおいて、モデル作成に必要なデータが不足していたり需要側の環境が変化してしまったりしても、不確実性を考慮した意思決定で多様なデータを獲得することでスマートな意思決定を可能にします。

事例:ダイナミックプライシング

価格と売れ行きの関係を学習しながら最適化

課題

過去に様々な価格で販売してみたデータがないと、価格と売れ行きの関係性がわからないため、ダイナミックプライシングのモデルが作成できない

解決策

オンライン最適化を用いて、まずは関係性を効率的に学習するための価格で販売し、売れ行きという市場のフィードバックから学習、また新たな価格を設定することを繰り返しながら、徐々に利益を最大化する最適な価格設定を導出

効果

少ない試行回数でも効率的に学習を行えるため損失を最小限に抑えてダイナミックプライシングの導入が可能に
固定的な価格を脱却し利益を最大化

インプット・例
商品マスタデータ / 各商品の許容する価格範囲 / 各価格設定時の売上・利益

アウトプット・例
最適な価格設定

「数理最適化の未来を担う研究者」
伊藤 伸志

2015年より NEC に所属,2020年に東京大学で博士(情報理工学)を取得.専門は数理最適化と機械学習. NeurIPS, ICML, AISTATS などの機械学習分野の最難関国際会議において,複数の論文を発表.AIのトップ学会であるNeurIPSにおいては,2020年,採択論文の中から3%のみが選ばれるSpotlight Presentationに3本選出されるなど,日本のAI・数理最適化研究をリードしている.

大規模問題でも高速に解を求める

疑似量子アニーリング

大規模な最適化問題に対しても高速に求解
意思決定案を素早く導出


疑似量子アニーリングは、配送計画の立案など、実社会の様々な場面に存在する大規模な組合せ最適化問題を高速に求解する技術です。スーパーコンピュータSX-Aurora TSUBASAの持つ高いHW性能と、許容解の存在範囲を高速検索するSWアルゴリズム双方の強みを活かして実現されています。

事例:配送計画

配送状況にあわせて配送順序を全体最適化し物流生産性を向上

課題

物流業界の需要拡大に伴い配送効率の向上が求められる中、配送計画作成には膨大なパターンがあり瞬時の最適化は従来型のコンピュータでは不可能​

解決策

量子コンピューティングなら、何十台もの配送車に対して膨大なパターンから複雑な条件を考慮した全体最適な配送計画を即座に提案可能​

効果

より少ない労働力で配送を行える効率的な計画を求めることが可能になるだけでなく、急な配送計画の変更が求められた場合にも、即時に修正案を導出​

インプット・例
配送物(サイズ,重量) / 各配送先 / 訪問希望時間 / トラック(サイズ,台数)

アウトプット・例
配送費用 / 必要な配送車台数 / 積荷 / 配送計画案(各配送車の訪問先と訪問ルート)

「並列処理のスペシャリスト」
鷹野 芙美代

2009年NEC入社。専門はアクセラレータを活用した計算高速化、並列処理。入社後はGPUを用いたソフトウェアビデオコーデックの研究開発に従事。 8K60pリアルタイムHEVCエンコーダ、AVC-Intraエンコーダなどを開発し、放送・映像配信システム事業に貢献。2019年に、ベクトルコンピュータSX-Aurora TSUBASAを用いた量子コンピューティング技術「Vector Annealing」の研究を立ち上げ、現在はVector Annealingの技術開発・製品化に携わる

最新&代表的な論文など

  • Shinji Ito, Taira Tsuchiya, Junya Honda, Nearly Optimal Best-of-Both-Worlds Algorithms for Online Learning with Feedback Graphs, the 36th Annual Conference on Neural Information Processing Systems (NeurIPS), 2022.
  • Shinji Ito, Taira Tsuchiya, Junya Honda, Adversarially Robust Multi-Armed Bandit Algorithm with Variance-Dependent Regret Bounds, the Thirty Five Conference on Learning Theory (COLT), 2022.
  • Shinji Ito, On Optimal Robustness to Adversarial Corruption in Online Decision Problems, the 35th Annual Conference on Neural Information Processing Systems (NeurIPS), 2021.
  • Shinji Ito, Hybrid Regret Bounds for Combinatorial Semi-Bandits and Adversarial Linear Bandits, the 35th Annual Conference on Neural Information Processing Systems (NeurIPS), 2021.
  • Shinji Ito, Parameter-Free Multi-Armed Bandit Algorithms with Hybrid Data-Dependent Regret Bounds, the Thirty Fourth Conference on Learning Theory (COLT), 2021.
  • Shinji Ito, A Tight Lower Bound and Efficient Reduction for Swap Regret, the 34th Annual Conference on Neural Information Processing Systems (NeurIPS), 2020. # Selected for spotlight presentation
  • Shinji Ito, Shuichi Hirahara, Tasuku Soma, Yuichi Yoshida, Tight First- and Second-Order Regret Bounds for Adversarial Linear Bandits, the 34th Annual Conference on Neural Information Processing Systems (NeurIPS), 2020. # Selected for spotlight presentation
  • Shinji Ito, Daisuke Hatano, Hanna Sumita, Kei Takemura, Takuro Fukunaga, Naonori Kakimura, Ken-ichi Kawarabayashi, Delay and Cooperation in Nonstochastic Linear Bandits, the 34th Annual Conference on Neural Information Processing Systems (NeurIPS), 2020. # Selected for spotlight presentation
  • Masahito Kumagai, Kazuhiko Komatsu, Fumiyo Takano, Takuya Araki, Masayuki Sato, Hiroaki Kobayashi, "Combinatorial Clustering Based on an Externally-Defined One-Hot Constraint", 2020 Eighth International Symposium on Computing and Networking (CANDAR), pp.59-68, 2020 (Best Paper Award)
  • 鷹野 芙美代, 鈴木 基己, 小林 悠記, 荒木 拓也, "組合せ最適化問題における制約条件を考慮したQUBOソルバ",  信学技報 119(313), pp.15-20, 2019
  • Riki Eto, Ryohei Fujimaki, Satoshi Morinaga, Hiroshi Tamano, Fully-Automatic Bayesian Piecewise Sparse Linear Models, Proceedings of the 17th International Conference on Artificial Intelligence and Statistics (AISTATS), 2014.

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