「RPAが社内スケールしない」問題を解決に導く、稼働の視覚化と現場特化型RPAのススメ

RPAは業務を効率化する強力な手段として普及してきたが、社内へのスケールの際に課題が生じることがある。この課題を解消するためには「視覚化」と「現場利用」が重要なポイントだという。

NEC 岩井 可南子氏

RPAは繰り返し作業を自動化して、人間のリソースを本質的な業務に振り分ける手段として普及してきた。年間で数万時間を創出した事例もある(RPAの特徴やメリット、活用事例などはこちら)。
 
 しかし、RPAを導入して一部のプロジェクトは成功したものの、全社にスケールする段階で「RPAが正しく動いているか、その“お守り”の負担が大きい」といった運用の課題に悩むケースが後を絶たない。

 エラー表示やメールアラート通知などの機能を持つRPAもあるが、これらは運用担当者が能動的に確認する必要があるため他の業務に専念できる状況とは言いにくい。

 「RPAの停止に気付かずに終業間際に再実行した結果、処理の完了を待つ残業が発生した、という残念な話もあります」と語るのはNECの岩井 可南子氏(テクノロジーサービスソフトウェア統括部)だ。

現場担当者のためのRPAツールが必要な理由

 「クリティカルな業務プロセスのインシデントは『誰が見ても明らか』な状態にしておくべきです。工場のラインや重要インフラの稼働監視では当たり前のことですが、オフィス業務ではこうした考えがあまり浸透していません。問題発生時はPCの画面などを見なくても状態が分かることが理想です」

 RPAプロジェクトの活用体制は企業によってさまざまだが、IT担当者が作成したRPAを社内に展開している場合、現場の運用担当者はツールの操作やシナリオの実装内容になじみがないことが普通だ。エラー時はIT担当者に対応を依頼するリードタイムが発生することもある。

 「こうした課題の解決策として、エラーをすぐに発見するための視覚化ツールと、(IT担当者が利用するRPAツールとは別に)現場が主体となって利用・運用できる現場向けのRPAツールが求められています」(岩井氏)

 社内スケールが進むと負担が増えるIT担当者にとっても、現場が主体となれるRPAツールのメリットは大きいと言えるだろう。

IT部門に頼らずに自動化を促進可能

NECは「現場が主体となって利用・運用できるRPAツール」として「NEC Software Robot Solution」を提供している。
 
 NEC Software Robot Solutionは業務で利用するPCにRPAをインストールし、自動化対象業務をユーザーが設定するのに適したクライアント型のRPAだ。メニューはOfficeアプリケーションのUIに似ており、Microsoft Excelなどを利用した経験がある人であれば操作できるように設計されている。

図1 NEC Software Robot Solution設定画面(出典:NECの提供資料)
図1 NEC Software Robot Solution設定画面(出典:NECの提供資料)

 RPAの機能もシンプルで分かりやすい。デスクトップのアイコンといった操作対象に「クリック」「ダブルクリック」「右クリック」などの自動化のアクションを設定する。操作対象の座標軸が変わっても影響はない。「Excel転記」のような、利用頻度が多いアクション部品がまとまっているので、自動化のシナリオを作成しやすい。

導入前から定着までの支援体制とサンプルの豊富さ、ライセンスの柔軟性

 NEC Software Robot Solutionは国産RPAならではの手厚いサポートも特徴だ。RPAの検討から導入、運用の定着、スケールまで、全てのフェーズでサポートメニューを用意している。現場主体のRPA開発や運用を強力にサポートする。

 「検討フェーズは月次でハンズオンセミナーを開催しています。NEC Software Robot Solutionの基本的な操作からシナリオ作成までウェビナーで体験でき、業務での活用や運用をイメージしやすいと好評をいただいています。また、特典としてハンズオンセミナー参加者には1カ月分のトライアルライセンスを提供しています」(岩井氏)

 トライアル時の疑問点は、Web会議を使った無料相談サービスで受け付ける。コミュニティーサイトで一般的なFAQ情報や汎用(はんよう)的な自動化シナリオを公開している他、顧客の業務に合わせたシナリオのサンプルも提供している。

 柔軟なライセンス形態も顧客に喜ばれるポイントだ。ロボットの構築と実行が可能なライセンスと実行のみが可能なライセンスがあるのはもちろん、ライセンスのカウント方法もインストール端末単位でカウントするスタンドアロンタイプや、同時実行数でカウントするフローティングタイプなどがある。「期末だけスポットで利用端末を増やしたい」「ロボットの実行だけできる端末を数多く準備したい」「コストパフォーマンスを重視したい」といった要望に応えられる。

誰が見ても問題がすぐに分かる物理的な視覚化の意義

 NEC Software Robot Solutionは実行画面やメールなどでアラートを確認できるが、最近引き合いが多いのがNEC Software Robot Solutionと信号灯を連携させる機能だ。

 「多くのお客さまの要望を受けて、アドイン機能として提供していたものを標準搭載するようになりました」(岩井氏)

 信号灯は、工場のラインなどでエラーが発生した際に、構内のどこからでも状態を把握できるように点灯するランプのことだ。

図2  実際の信号灯 オフィスのパーティションなどに設置することも可能(出典:NECの提供資料)
図2  実際の信号灯 オフィスのパーティションなどに設置することも可能(出典:NECの提供資料)

 信号灯は緑、黄、赤の3色で構成され、ランプの点灯や消灯、点滅の組み合わせで多くの情報を表現できる。ランプの色でRPA全体の稼働状況を表現したり、各色に異なるRPAシナリオを割り当てて状況を表現したりするなど、アイデア次第でさまざまな使い方ができる。

 運用担当者がRPAの実行画面やメールをチェックしてアラートを発見する運用は、担当者の不在やメールの見落としによってリカバリーが難しくなることがある。物理的な信号があれば部門全員が即座に状態を把握できる。

図3 NEC Software Robot Solutionとネットワーク制御信号灯の動作イメージ(出典:NECの提供資料)ジ
図3 NEC Software Robot Solutionとネットワーク制御信号灯の動作イメージ(出典:NECの提供資料)
NEC Software Robot Solutionと信号灯で、人は人にしかできない業務に専念できる

 NEC Software Robot Solutionと信号灯を連携させるソリューションにおいて、ネットワーク制御信号灯を提供する企業がパトライトだ。同社は生産現場やオフィス、緊急車両などの幅広い分野で「光」「音」「文字」を活用した報知機器による視覚化ソリューションを提供している。特に信号灯分野では国内シェア70%を誇る。

パトライト 村上 敦氏

NECとは産業システム分野で多くの協業実績がある。今回のNEC Software Robot Solutionを使ったソリューションでのタッグは、RPAを利用中の顧客から「工場に当たり前のように設置されている信号灯をオフィスで活用することはできないのか」という問い合わせがきっかけだった。パトライトの村上 敦氏(グローバルマーケティング本部 DX戦略推進部)は、次のように語る。

 「RPAのシナリオが停止することに悩むお客さまは少なくありません。ある企業の経理部は、RPAの稼働状況をチェックするルーティン業務が発生していました。監視のために他の作業を中断するので業務効率が大きく低下します。担当者の方は『RPA活用とはそういうもの』と認識していたようです。NEC Software Robot Solutionとネットワーク制御信号灯連携ソリューションの導入後、経理部はランプが点灯しない限り本来の仕事に没頭できるようになりました」

 NEC Software Robot Solutionは、RPAを導入済みのユーザーに「第2の選択肢」として選ばれるケースも多いという。

 「RPAが担う業務は多様です。ある部門で浸透したRPA製品を、他の部門がうまく使えるとは限りません。合わないものを無理に使い続けても利用が広がらず、業務効率化という元来の目的達成が難しくなるでしょう。自動化したい業務や導入部門のITリテラシーに合わせてRPAツールを使い分けていただくことも選択肢の一つです」(岩井氏)

適材適所でRPAを使い分ける

 RPAの企業事例においてはIT部門によるマクロの業務改革推進が注目されがちだが、現場でのRPAの運用と業務改善の取り組みが滞りなく進むことも重要だ。RPA製品にプラスアルファで現場の担当者を支援する環境を提供することで、さらなる成果の創出につながる。

 NEC Software Robot Solutionとネットワーク制御信号灯なら、現場の担当者が自らRPAを構築、運用でき、エラー発生時は信号灯で状況を把握して対処できる。インシデントが深刻な場合は、NECの強力なサポートを受けることでIT担当者の負荷を回避できる。IT部門も事業部門の現場もWin-Winとなる現場支援型のRPAソリューションは有効な解決法と言えるのではないだろうか。

転載元:
ITmedia エンタープライズ 2024年2月13日 掲載記事より転載
本記事は ITmedia エンタープライズより許諾を得て掲載しています
記事URL:https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/2402/13/news003.html

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