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Form Factor規格の動向 その②

光トランシーバの基礎知識

2025.3.26  H.yamamoto執筆

Form Factor規格の動向 その①ではSFP+などのForm Factorについてご紹介致しましたが、その他の光トランシーバのForm Factorについてもご紹介いたします。

SFP112 (SFP2)

これまで、SFP+からSFP56まで、SFPを基準として制定されてきたForm Factorについて紹介してきました。今回ご紹介するSFP112は、100Gbpsに対応した最新のSFPベースのForm Factorです。
SFP+などと同様、SFF-8402に参照仕様が以下のようにまとめられています。マネージメントインターフェース、電気コネクタ、ケージと製品外形が別の仕様になりました。

特に、SFP112では100 Gbps PAM4信号を扱うため、電気コネクタに関しては高速信号を扱えるよう仕様が新しくなっています。一方で、SFP28やSFP56と同様、電気コネクタ、ケージ、製品外形についてはSFP+、SFP28との後方互換性を有しています。また、マネージメントインターフェースもCMISが推奨されてはいますが、SFF-8472を採用する事も可能です。
本Form Factorについては、製品として採用したスイッチなどがまだ登場していないこともあり、実際に市場に投入されるにはまだ時間が必要と考えています。SFP112が使用可能になった際のメリットとして、QSFP28のSingleλ製品を使用する既存のスイッチやルータと相互接続可能である点があります。新規にSFP112を使用した装置を追加する際に、既存のQSFP28を採用した装置が旧式になるのを防ぐことが出来るため、ネットワークの更新戦略に有効です。
最後に、SFP112という名称です。SFF-8402の中では、最初にSFP112と呼ばれていますが、途中、コネクタについて記載する5.3章からSFP2と記述が変わっています。SFF-TA-1031では文章タイトルが明確にSFP2と記載されており、SFF委員会としては、今後SFP2を正式名称として使用していくようです。しかしながら、弊社やその他光トランシーバベンダやコネクタベンダでもSFP112を使用しており、どちらが定着するかは未確定です。

SFP56-DD

100Gbpsに対応した光トランシーバの規格です。SFP56の後に付いているDDは、Double Densityの略です。50Gbps PAM4の高速電気信号を2レーン使用し、100Gbpsを実現しています。SFPでは伝統的に電気コネクタの端子数が20ピンでしたが、倍の40ピンを使用するという特長があります。仕様については、SFP-DD MSAの中で規定されており、外形、ケージ、電気コネクタ、電源およびマネージメントインターフェースまで含まれています。 一番の特長は電気コネクタにあり、以下のようにクラシックなSFPの電気コネクタ端子と、SFP-DD MSAで追加された端子が並ぶ形状になっています。

ここで、SFP+やSFP28などで有していた後方互換性が気になりますが、SFP56-DDでも後方互換性を有しており、SFP-DD MSAで規定されているコネクタ及びケージにSFP+などを実装して使用する事が可能です。 本Form Factorも製品として採用したスイッチなどがまだ登場しておらず、市場への投入には時間が必要と思われます。SFP-DD MSAでは、200Gbpsに対応したSFP112-DDの仕様も策定しており、本MSAの状況を引き続き確認していきたいと思います。

QSFP28

QSFP28(Quad Small Form-factor Pluggable 28)は、100Gbpsに対応した光トランシーバの規格です。まず、QSFPと呼ばれるForm Factorは、2004年にMSAで規格化されました。その後SFF Committeeにて40Gbpsに対応する規格として、10G×4で40Gbpsを実現するQSFP+が策定されました。QSFP28はこれをさらに拡張したものとなっており、 その名称が示すように、SFP28を4つまとめる事で光トランシーバとして100Gbpsに対応しています。SFP28 で使用する25Gbps NRZの電気信号を4レーン使用し、25G×4で100Gbpsを実現しています。仕様は、SFF-8665に参照仕様が以下のようにまとめられています。

QSFP28は高速、高密度化が必要なデータセンターなどで大量に採用されており、近年では5Gモバイルネットワークの高速化が進むのに伴って、モバイルバックホールなどでも10km以上の製品が採用されるようになりました。データセンター内で使用される短距離製品は引き続き需要が高く、バックホールで使用される長距離製品は需要が拡大していくと考えております。

QSFP-DD

QSFP-DDは、QSFP28の後継として、特に400Gイーサネットなどのさらに高速化するネットワーク接続の需要に対応するために仕様化されました。QSFP28では25Gbps NRZの電気信号を4レーン使用していましたが、50Gbps PAM4の電気信号を8レーン使用して400Gbpsに対応しています。このようにレーンを拡張するため、電気コネクタのピン数がQSFPの38ピンから76ピンへと倍になっており、名称としてDD(Double Density)と付けられています。

仕様はQSFP-DD MSAで規定されており、外形、ケージ、電気コネクタ、電源が含まれています。QSFP-DD MSAでは400Gbps以降への対応も進めており、800Gbps対応のQSFP-DD800、1.6T bps対応のQSFP-DD1600も仕様化されています。また、QSFP+やQSFP28との後方互換性も有していることも特徴の一つです。 QSFP-DDはデータセンターやテレコム市場で採用されており、特にデータセンターでのスペース効率を向上させる事が可能です。今後、800Gbpsや1.6Tbps対応のQSFP-DDが市場に浸透すると共に、データセンターの拡大や5G/6Gネットワークの普及による需要の高まりが期待されています。

CFP2

CFP2は100Gbpsや200Gbpsに対応する光トランシーバとして規格化が進められました。Cはローマ数字で「100」を意味しており、2009年に100Gbpsに対応する光トランシーバを仕様化するためにCFP MSAが結成されました。CFP2はCFPをさらに小型化した製品です。仕様はCFP MSA内で外形、ケージ、電気コネクタ、電源、管理インターフェースまで規定しています。 CFPやCFP2は、長距離大容量伝送を必要とするテレコム領域で、デジタルコヒーレント通信方式を採用した製品が導入されました。現在は、CFP2で400Gbpsまでの大容量通信が可能なCFP2-DCOが製品化され、数100kmを超えるメトロネットワークなどでの導入が進められています。

OSFP

OSFP(Octal Small Form Factor Pluggable)は、400Gbpsに対応する光トランシーバの規格です。Octalの名称が付いている通り、8本の高速電気信号レーンを使用し、50Gbps PAM4または25Gbps NRZ信号を用いて400Gbps/200Gbpsを実現しています。 仕様はOSFP MSAで規定されており、外形、ケージ、電気コネクタ、電源が含まれています。QSFP-DDと同様、OSFP MSAでも400Gbps以降への対応として、800Gbps対応のOSFP800、1.6T bps対応のOSFP1600も仕様化されています。 QSFP-DD と比較すると外形が大きいですが、許容消費電力が33Wと大きく、高速化に伴って増大すると予想される消費電力に対して、より対応しやすいモジュールです。 OSFPはQSFP-DDと同様にデータセンターやテレコム市場で重要な役割を果たしており、今後もデータセンターの拡大や5G/6Gネットワークの普及により、需要は増加すると予測されています。

最後に

これまで、光トランシーバのForm Factorについて説明いたしましたが、光トランシーバの進歩のスピードは非常に早く、今後も様々な形態の光トランシーバが登場してくると考えられます。当社もこれらの光トランシーバを提供し、ネットワーク構築をサポートさせていただきたいと思います。ご相談やご質問がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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